フランソワ・トリュフォー

|Francois Truffaut| (脚本/監督/出演/製作)

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

本名
出身地 フランス、パリ
生年月日 1932年2月6日
没年月日 1984年10月21日

略歴▼ もっと見る▲ 閉じる

【恋愛映画を追求したヌーヴェル・ヴァーグの旗手】フランス、パリ生まれ。幼い頃に両親が離婚、孤独な幼少期を過ごし、家出をしては映画を見つづけ、自分でシネクラブも作るまでに。少年保護監察所に入れられるが、精神的な父親ともなる映画評論家アンドレ・バザンの身元保証のおかげで出所することが出来た。失恋の痛手から逃れるため兵役に志願するも軍隊を脱走、軍刑務所に入れられた際もバザンの奔走により除隊を認められる。少年時代の思い出、映画や書物への愛、女性たちへの愛と礼賛といった、映画作家トリュフォーが一貫して追い続けたテーマには、これら少年~青年期の体験が色濃く反映されている。50年代に入るとクロード・シャブロル、ジャン=リュック・ゴダールらと共に『カイエ・デュ・シネマ』誌などに映画批評を執筆。既存のフランス映画界に対する鋭い批判で“フランス映画の墓掘人”と恐れられる。1954年に短篇習作「ある訪問」を手掛け、57年には自らのプロダクション、レ・フィルム・デュ・キャロッスを設立し、短編「あこがれ」を監督。59年に発表した長編第1作「大人は判ってくれない」はトリュフォー自身の子供時代の体験談を下敷きにして作られたもので、大ヒットを記録、ゴダール、シャブロルらとともに“ヌーヴェル・ヴァーグ”の旗手として一躍世界に名を知らしめるようになる。同作で主人公のアントワーヌ・ドワネル少年を演じたジャン=ピエール・レオはトリュフォーの分身とも言われ、レオの成長とともに描いた“アントワーヌ・ドワネルの冒険”シリーズは、「二十歳の恋・アントワーヌとコレット」(62、オムニバスの一篇)、「夜霧の恋人たち」(68)、「家庭」(70)、「逃げ去る恋」(79)と、約20年にわたって計5本製作された。【映画作家の再評価にも貢献】1968年、シネマテーク・フランセーズ館長アンリ・ラングロワ解任騒動やパリ五月革命などを背景に、トリュフォーはゴダールらと共に同年、カンヌに乗り込み国際映画祭粉砕を主張、映画祭は中止となる。だがその後、既存の商業映画とは距離を取り始めたゴダールとは一見対照的に、映画の作風も古典的、正統的な落ち着きを見せ、恋愛映画を生涯にわたって追求していった。84年、ガンのため52歳で死去。作家主義を唱えた批評家時代から実代表作品紹介作者に移っても、ジャン・ルノワールやアルフレッド・ヒッチコック(共著となった『映画術』は映画監督や映画ファンのバイブルとなった)をはじめ、映画作家の再評価や支援に貢献し続け、オマージュを捧げるスピルバーグに応えて「未知との遭遇」に研究者役で出演も果たす。「突然炎のごとく」(61)のジャンヌ・モロー、「終電車」(80)のカトリーヌ・ドヌーヴ、遺作となった「日曜日が待ち遠しい!」(83)のファニー・アルダンなど、女優たちを常に魅力的に描き、深い信頼を得るなど、作品のみならずトリュフォーの人生そのものが映画への愛に満ち溢れるものであった。

キネマ旬報の記事▼ もっと見る▲ 閉じる

2016年12月下旬号

寄せては返す新しい波 「ヒッチコック/トリュフォー」:インタビュー アントワーヌ・ド・ベック[元『カイエ・デュ・シネマ』編集長、映画批評家・研究者]

寄せては返す新しい波 「ヒッチコック/トリュフォー」:ヌーヴェル・ヴァーグが引き継いだ映画愛

寄せては返す新しい波 「ヒッチコック/トリュフォー」:コラム ヒッチコックとバザン〜トリュフォーのふたりの父〜

2014年11月下旬号

没後30年フランソワ・トリュフォー映画祭レポート:ジャン=ピエール・レオー舞台挨拶

2014年10月下旬号

【巻頭特集】フランソワ・トリュフォーに愛をこめて「没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭」:山田宏一 トリュフォー映画は今なお生きていて、私たちに語りかける

【巻頭特集】フランソワ・トリュフォーに愛をこめて「没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭」:橋本愛 いま、私が欲しいものが、半世紀も前にあった

【巻頭特集】フランソワ・トリュフォーに愛をこめて「没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭」:[再録]淀川長治 少年と社会の結びつき(『キネマ旬報』1959年11月下旬号)

【巻頭特集】フランソワ・トリュフォーに愛をこめて「没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭」:根本隆一郎 野口久光による「大人は判ってくれない」日本版ポスターをめぐって

【巻頭特集】フランソワ・トリュフォーに愛をこめて「没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭」:[再録]F・トリュフォー アンワーヌ・ドワネルとはだれか?/訳・田山力哉(『世界の映画作家』11)

【巻頭特集】フランソワ・トリュフォーに愛をこめて「没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭」:セルジュ・トゥビアナ(シネマテーク・フランセーズ館長) 破滅へ向かう徹底した恋愛主義、そして子供と書物への愛

【巻頭特集】フランソワ・トリュフォーに愛をこめて「没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭」:トリュフォーを追いかけて ジャン・グリュオーとクロード・ド・ジヴレーを訪ねる

【巻頭特集】フランソワ・トリュフォーに愛をこめて「没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭」:フィルモグラフィ

2012年11月上旬号

フランソワ・トリュフォー生誕80周年企画 手紙魔の映画的人生:『トリュフォーの手紙』/山田宏一

2011年7月下旬号

巻頭特集 1959-68 映画の青春 ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー:映画愛と友情の一季節

巻頭特集 1959-68 映画の青春 ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー:対談 平井玄×菊地成孔 ワイルドなトリュフォー、クソガキのゴダール

巻頭特集 1959-68 映画の青春 ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー:映画、世界、人生

2003年5月上旬特別号

巻頭特集 フランソワ・トリュフォー:トリュフォー作品全解説

巻頭特集 フランソワ・トリュフォー:トリュフォーの魅力

巻頭特集 フランソワ・トリュフォー:女たちが語るトリュフォー

巻頭特集 フランソワ・トリュフォー:トリュフォー自作を語る

巻頭特集 フランソワ・トリュフォー:トリュフォーと音楽

巻頭特集 フランソワ・トリュフォー:トリュフォー論

巻頭特集 フランソワ・トリュフォー:トリュフォーの魅力

1994年12月上旬号

特集 トリフォーが待ち遠しい!没後10年フランソワ・トリフォー特集:トリフォー没後10年に寄せて

特集 トリフォーが待ち遠しい!没後10年フランソワ・トリフォー特集:フランソワ・トリフォー インタビュー

特集 トリフォーが待ち遠しい!没後10年フランソワ・トリフォー特集:マドレーヌ・モルゲンステルヌ インタビュー

特集 トリフォーが待ち遠しい!没後10年フランソワ・トリフォー特集:トリフォーの彼方へ

1988年11月上旬号

特別企画 トリュフォーふたたび!:トリュフォー書簡集

特別企画 トリュフォーふたたび!:「アメリカの夜」論

特別企画 トリュフォーふたたび!:「恋のエチュード」論

特別企画 トリュフォーふたたび!:「突然炎のごとく」論

1985年9月下旬号

特集 トリフォーと「突然炎のごとく」:エッセイ

1985年4月上旬号

巻頭特別企画 フランソワ・トリュフォー:対談 淀川長治VS山田宏一

巻頭特別企画 フランソワ・トリフォー:遺作「日曜日が待ち遠しい!」作品論

巻頭特別企画 フランソワ・トリュフォー:トリフォーへのオマージュ

巻頭特別企画 フランソワ・トリュフォー:遺作「日曜日が待ち遠しい!」分析採録

巻頭特別企画 フランソワ・トリュフォー:トリフォー・アラカルト

1984年12月上旬号

追悼:フランソワ・トリュフォー

〈特別グラビア〉〈追悼〉:フランソワ・トリュフォー

1982年12月下旬号

特集 隣の女 フランソワ・トリュフォー監督作品:監督研究

1981年6月下旬号

特別掲載 ヒチコック/トリュフォー:フランソワ・トリュフォー

1980年7月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:最終回 ヒッチコックの短い夜

1980年6月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:パイプのけむり-「私は告白する」(3)

1980年6月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:「私は告白する」(2)

1980年5月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:「見知らぬ乗客」(1)/「私は告白する」(2)

1980年5月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:「見知らぬ乗客」(1)

1980年4月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:たかが映画じゃないか-「山羊座の下で」(2)他

1980年4月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:「ロープ」(2)/「山羊座の下で」(1)

1980年3月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:Ten Minutes Take-「ロープ」

1980年3月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:「汚名」(2)/「パラダイン夫人の恋」

1980年2月上旬号

特集 「緑色の部屋」:フランソワ・トリュフォー 特集インタビュー 未来の映画はもっと個人的なものになる

ヒッチコック/トリュフォー:汚名(2)

1980年1月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:「白い恐怖」

1980年1月上旬新年特別号

ヒッチコック/トリュフォー:2本の戦争プロバガンダ映画

1979年12月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:第27回 戦後の縮図-「救命艇」

1979年12月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:第26回 「疑惑の影」-「陽気な未亡人」のメロディ

1979年11月下旬号 創刊60周年記念特別号

ヒッチコック/トリュフォー:第25回 逃走迷路2

1979年11月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:第24回 逃走迷路1

1979年10月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:第23回

ジーン・セバーグ追悼に代えて:悲しみよこんにちは

1979年10月上旬秋の特集号

ヒッチコック/トリュフォー:第22回

1979年9月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:第21回

1979年9月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:第20回

1979年8月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:イギリス時代の最後の作品

1979年8月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:ヒッチコックの俳優論2

1979年7月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:ヒッチコックの俳優論1

1979年7月上旬夏の特別号

ヒッチコック/トリュフォー:スイスにはなにがあるか?

1979年6月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:映画と批評 -人生と断面とケーキの断片-

1979年6月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:「三十九夜」-チキン・パイとミスター・メモリー

1979年5月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:シンバルが打ち鳴らされるとき-「暗殺者の家」

ヒッチコック/トリュフォー:「暗殺者の家」から「三十九夜」へ

1979年4月上旬春の特別号

ヒッチコック/トリュフォー:ヨーロッパ人の〈アメリカ映画〉-殺人/他

1979年3月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:〈サスペンス〉と〈サプライズ〉

1979年3月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:サイレントからトーキーへ

1979年2月下旬決算特別号

小特集 カール・テホ・ドライヤー:2 カール・テホ・ドライヤーの白のイメージ

1979年2月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:『転落』から『シャンペン』まで

1979年1月下旬正月特別号

ヒッチコック/トリュフォー:『下宿人』-最初のヒッチコック映画

1979年1月上旬新年特別号

ヒッチコック/トリュフォー:映画事始4

1978年12月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:映画事始3

1978年12月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:映画事始2

1978年11月下旬号

ヒッチコック/トリュフォー:映画事始1

1978年11月上旬号

ヒッチコック/トリュフォー:ヒッチコックにおける愛と死-1975年版の序文

1978年10月上旬秋の特集号

ヒッチコック/トリュフォー:第1回 ヒッチコック式サスペンス学入門

1976年11月上旬号

外国映画批評:トリュフォーの思春期

外国映画紹介:トリュフォーの思春期

1976年8月下旬号

キネ旬試写室:トリュフォーの思春期

1976年7月下旬号

グラビア:「トリュフォーの思春期」

1976年4月上旬号

分析採録:アデルの恋の物語

映画・わが愛:

1974年6月上旬号

シナリオ:アメリカの夜

1973年3月上旬号

フランソワ・トリュフォーの小さな世界:

1972年12月下旬号

フランソワ・トリュフォー その告白癖と回顧趣味:

1972年10月下旬号

シナリオ:恋のエチュード

1968年1月上旬新年特別号

海外映画作家の秘密:フランソワ・トリュフォー 繊細孤独な心情派

1959年11月下旬号

特集批評 フランソワ・トリュフォー作品「大人は判ってくれない」:子供の眼とカメラの眼

特集批評 フランソワ・トリュフォー作品「大人は判ってくれない」:少年と社会の結びつき

特集批評 フランソワ・トリュフォー作品「大人は判ってくれない」:トリュフォー《恐るべき子供》

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