イーストウッドが若い。当時すでに38歳だが、実年齢より若く見える。その後のダーティ・ハリーのような荒々しい刑事クーガンを演じているが、捜査も荒々しく、若さを見せている。
カウボーイハットにカウボーイブーツという西部劇から飛び出して来たようないでたちで、犯人を執拗に追う。捕まえたあとは、彼女のもとへ駆けつけ、風呂に入るのももどかしく野獣のごとく、彼女を求める。若さにあふれている。
ところがせっかく捕まえた凶悪犯のリンガーマンは麻薬中毒の治療が優先され、ニューヨークの病院に入院させられてしまう。クーガンはリンガーマンをアリゾナに引き戻すため、単身ニューヨークに乗り込む。クーガンのいでたちは異彩を放ち、タクシー運転手から地元警察署の警部まで、彼を一目見るや、テキサス出身と決めつける。彼はそのつどアリゾナと訂正するのにうんざりする。
リンガーマンを退院させるためには裁判所の許可等めんどうな手続が必要だが、そんなことに構ってはいられないクーガンは一計を案じ、リンガーマンを退院させてしまう。原題は「クーガンのはったり」の意で、まさにはったりが強い。
しかし、リンガーマンをアリゾナに連れて帰ろうとする寸前にわなにはまり、リンガーマンに銃を奪われ、逃げられるという大失態を犯す。こうなると得意のはったりも効かない。警察署で知り合った保護司のジュリーに近づき、彼女が保護しているリンガーマンの情婦のリニーの情報を盗み、今度はリニーに近づく。なかなかのプレイボーイぶりを発揮するが、色男だからできることだ。
1968年当時のニューヨークのダウンタウンの風俗が興味を引く。サイケデリックなゴーゴークラブ、トップレスのダンサー、麻薬にふける若者ら。ここでもクーガンは人目を引く。
ドン・シーゲル監督とイーストウッド名コンビの異色作だ。