法医学教室の午後

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法医学教室の午後

レビューの数

3

平均評点

62.3(9人)

観たひと

14

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1985
公開年月日 2012/4/3
上映時間 94分
製作会社 シネマハウト=日本テレビ
配給 (企画 にほんのうた実行委員会/ADK Arts)
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット VTR
メディアタイプ ビデオ 他
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督大森一樹 
脚本大森一樹 
原作西丸與一
(「法医学教室の午後」(朝日新聞社刊))
音楽伊豆一彦 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「医大の裏玄関」とも呼ばれる法医学教室を舞台に死因解明を通して人間の尊厳と向き合う監察医たちを大らかに描くヒューマンドラマ。監督は「」の大森一樹。原作は西丸輿一。出演は菅原文太、大江千里、紺野美沙子ほか。1985年6月12日日本テレビ「水曜ロードショー」で放送された。2012年3月31日より、東京・渋谷ユーロスペースにて開催された「大森一樹監督特集2012」にて上映。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1985/06/12

2023/04/21

80点

テレビ 


紺野美沙子、佐藤オリエ

この年は、テレビでこれと原田眞人の「盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS」を観た。角川全盛の時代でいろんなことをテレビもやっていたようだ。

法医学教室の午後は、ちいさなエピソードが入っていて、一時間半もたすことができない?大森さんの得意とするオムニバス構成で、名取裕子がやっている似たよう名前の2時間サスペンスとは、異なり様々の人の人生を切り取った、淡々としたテレビ映画でした。
また、大森さんの得意な魅力的な女性を描くというところでは、まだ瑞々しい紺野美沙子やかっこいい大人の佐藤オリエがすてきです(した?)。

東宝で吉川晃司の映画を撮ってる最中で、息抜きのような映画です。

2012/04/04

2016/03/14

70点

映画館/東京都/ユーロスペース 


硬派によるコメディ

大森一樹はコメディを作っても生真面目さを感じる。コメディがわかっていないわけではない。分かっているから疎かにしないのだろう。それにしてもキャストの顔ぶれは硬派ばかりというのが面白い。最初はコメディにするつもりはなかったのかもしれない。

2012/04/04

2014/08/21

55点

映画館/東京都/ユーロスペース 


医師としての矜持

 ユーロスペースのレイトショーでは、なぜか大森一樹のミニ特集が組まれており、この監督とは昨年秋の田辺弁慶映画祭で審査員として酒席などに同席したこともあって、観たことのない映画には食指が動いた次第。
 この映画は日本テレビ水曜ロードショーの枠で放送された作品で、実際に医師免許も持っている大森にとって馴染の深い医学部内の題材を扱っているだけに、代表作のひとつに挙げられることもある作品です。
 大森の医学部ものといえば「ヒポクラテスたち」がすぐに思い出されるわけですが、この映画のことは全く忘れてしまっているものの、昔で言う“インターン”の医師たちを題材に、面白可笑しいエピソードを連ねながらも、辛口でほろ苦い、端正な作りの青春映画というイメージが残っています。実際は違うかも知れませんが…。
 この「法医学教室の午後」についても、何やら整然としたタイトルのイメージもあって、同様に端正な映画を想像していたのですが、冒頭から、若い秘書宅で腹上死した会社社長の死亡現場に駆け付けて死体検分をしている菅原文太が、どう見ても刑事にしか思えなかったのに、実際は大学医学部の法医学教室を受け持つ教授という役柄であり、違和感が付き纏います。腹上死という社長の死因を家族には秘密にするよう会社側から要請された文太教授は、社長の娘・紺野美沙子から本当の死因をしつこく尋ねられますが、嘘をつき通します。
その紺野が数年後、医学部を出て文太の法医学教室の新人として入ってきます。人数が少ないから教授になれるチャンスが多いという理由で教室入りしてくる大江千里とともに、新人の紺野が、教授の文太を始め、助教授の佐藤オリエ、腕のいい外科医の道を捨てて監察医の仕事を選んだという講師の寺尾聰、個人病院の娘・室井滋を妻にしたおかげで尻に敷かれ、妻に振り回される助手・小倉一郎らに見守られながら、監察医として成長する物語が映画の縦軸となり、春~夏~秋~冬~そしてまた春という1年余りの間、この教室が扱う死体に伴う、残された家族たちのドラマがオムニバス風に展開してゆく映画です。
 個々のエピソードが故意にドタバタ調に演出されていることには違和感があり、本来TVドラマとして製作されただけに、視聴率狙いの作りがあざとく感じられることも否定できませんが、医師としての矜持に貫かれた彼らの誇り高さは、監督・大森の基本姿勢が反映していると思われ、説得されることも事実です。決して面白い映画ではありませんが、悪い映画でもありません。