ダーティハリー

だーてぃはりー|Dirty Harry|Dirty Harry

ダーティハリー

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レビューの数

122

平均評点

77.5(868人)

観たひと

1296

観たいひと

55

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アクション
製作国 アメリカ
製作年 1971
公開年月日 1972/2/11
上映時間 102分
製作会社 マルパソ・カンパニー・プロ作品
配給 ワーナー
レイティング PG-12
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

冷酷非情な殺人狂を追う、敏腕刑事の渇いた執念を描く。製作総指揮はロバート・デイリー、製作・監督は「真昼の死闘」のドン・シーゲル、脚本はハリー・ジュリアン・フィンク、リタ・M・フィンク、ディーン・ライズナーの共同、撮影はブルース・サーティーズ、編集はカール・ピンジトアが各々担当。出演はクリント・イーストウッド、ハリー・ガーディノ、レニ・サントーニ、アンディ・ロビンソン、ジョン・ヴァーノンなど。翻訳は高瀬鎮夫。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ビルの屋上からプールサイドの女が銃撃され、その後、犯人からの脅迫の手紙がサンフランシスコ警察に届いた。10万ドルの要求に応じなければ、次の犠牲者を同じ手口で殺す、狙うのは牧師か黒人だ、とあり“サソリ座の男”とサインされてあった。シスコ市警殺人課のハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、少し前に強盗との銃撃戦で脚に重傷を負っていたが、事件を知ると、上司のブレスラー(ハリー・ガーディノ)や市長(ジョン・ヴァーノン)らの意向を無視して、犯人追跡に向かった。ハリーの意志に反して付けられた相棒のチコ(レニ・サントーニ)は快活な青年で、何事にも反抗的なハリーをいぶかしく思ったりした。またしても第2の犠牲者に屋上から照準を合わせている犯人(アンディ・ロビンソン)を警察のヘリコプターが発見したが取り逃がし、ハリーとチコも犯人らしい男を尾行したが、逆に町の与太者たちに袋だたきにあってしまった。再び犠牲者が出た。“サソリ座の男”の予言どおり黒人であった。ハリーは、犯罪者心理から、犯人はもう一度現場に現れるとにらんで屋上で待ち伏せを開始した。案の定、現れた犯人と激しい銃弾の応酬となった、が、うまく逃げられてしまった。再び警察に脅迫状が舞い込んだ。14歳の少女を誘拐して生き埋めにし、少量の酸素を送り込んでいる。すぐ20万ドルの身代金をよこさないと殺す、としたためてあった。ハリーは20万ドルを持って、犯人の指定したマリーナへ急ぎ、ひそかにチコを背後につけさせた。突然、毛糸のマスクをした犯人から声をかけられたハリーは、銃を奪われ、いきなり脳天を一撃され、更に蹴りあげられて、殺されそうになった。草むらから飛び出したチコはピストルを乱射してハリーを助けたが、犯人との銃撃戦で負傷した。しかしハリーの飛びだしナイフは犯人の太ももを傷つけた。重傷にもめげず、必死に逃げる犯人をケザー・スタジアムで捕らえたハリーは、犯人に拷問をかけた。これが、思いがけなくハリーを窮地に追い込んだ。傷を負っている男をきびしく拷問したとして地方検事から告発されてしまったのである。更に、すぐに釈放された犯人の狂言でハリーは訴えられ、遂に市長とブレスラーから謹慎を命じられた。やがて犯人は、更に大胆な犯行に移った。スクール・バスを襲い、乗っていた6人の子供と女の運転手ともども空港へ直行し、不敵にも警察へ、逃走用の飛行機を、燃料満載、操縦士付きで用意するよう命じてきた。謹慎の命を無視して先回りしたハリーは、空港へ近づくバスに鉄道の陸橋から飛び降りた。運転手が失神してバスは採石会社の構内へ突っ込んだ。遂に犯人を追い詰めたと思った時、犯人は卑怯にも、そばで釣りをしていた少年を楯にとって逃げ延びようとした。間髪をいれずハリーの必殺の銃口が火を吹いた。狙いたがわず、弾は少年の頭をかすめ、犯人の肩に食い込んだ。犯人は泥沼の中に転倒した。ハリーは近づくパトカーのサイレンをよそに、胸のポケットから警察のバッジを取り出して水中に投げ捨てると、ゆっくり歩き出した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2018年7月下旬特別号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第1弾 1970年代外国映画ベスト・テン:ベスト19グラビア解説

2011年7月上旬号

第二回 午前十時の映画祭:「ダーティハリー」「フレンチ・コネクション」

2025/12/19

83点

VOD/Hulu 
字幕


汚れ仕事専門の刑事

ネタバレ

ストーリーは疑問に思う部分もあったが、カメラワークとシナリオの構成が見事だ。
冒頭、何者かがビルの屋上からプールで泳ぐ若い女を狙撃する。
スコーピオンと名乗る犯人は狙撃地点に警察へのメッセージを残す。
「10万ドルを用意しろ。さもないと黒人か司祭を殺す」と。

捜査にあたるハリー・キャラハンは「ダーティハリー」の異名を持つ。
とにかく型破りな刑事で、事件を解決するためには手段を選ばない。
銀行強盗が現れれば平気で一般市民を巻き込んででも銃をぶっ放す。
そして負傷した犯人に「何発撃ったか分からない。まだこの銃に弾が残っているか試すか」と挑発する。

ハリーは新米のチコとコンビを組んでスコーピオンを罠に誘う。
確証はなくてもとりあえず銃でズドンと一発お見舞いする。
だが彼らはスコーピオンに応酬され、銃撃戦の末に彼を取り逃がしてしまう。
逆上したスコーピオンはまだ14歳の少女を人質にして、警察に揺さぶりをかける。
ハリーは身代金を手に、スコーピオンの指示通りに走り回される。

何とも泥臭いシーンの多い映画だ。
ハリーはこの映画の中でずっと走り続けているように思われる。
彼は自己判断でチコに自分を追跡させる。
そのせいでチコは負傷し、スコーピオンは逃走、少女は死体となって発見される。
それでもハリーは執念深くスコーピオンを追い続け、ついにスタジアムに逃げ込んだ彼を逮捕する。

だが、捜査令状もなしにスコーピオンの棲家に押しかけたハリーの行動は問題視されてしまう。
ハリーが押収した銃は証拠品として認められず、スコーピオンは釈放されてしまう。
ハリーは法の不備のせいで凶悪な犯罪者が野放しになることに異議を唱える。
が、そもそも彼が手続きに乗っ取って逮捕をしていれば、スコーピオンは有罪に出来たはずだ。
ハリーが正義感を貫こうとするほど、犯人は法と世論に守られてしまう。
何とも皮肉なものだ。

とにかくスコーピオンの狡猾さと行動の異常さに身の毛がよだつ。
彼はスクールバスをジャックし、再び警察に身代金を用意するように命じる。
子供たちの安全を最優先に考え、警察はスコーピオンの指示に従うことを決める。
ハリーを除いては。

陸橋の上からバスを見下ろすハリーの姿が勇ましい。
彼は子供たちを危険にさらしてでも、自分の手でスコーピオンを捕まえようとする。
スコーピオンの目から見ればハリーの方がずっと異常者だ。
逃げ回るスコーピオンは、釣りをしている少年を人質に取る。
それでもハリーは躊躇した後にスコーピオンを撃ち抜く。
そしてまたしても「この銃の中に弾がまだ残っているか試すか」と挑発する。

ハリーは警察としての職務を逸脱して、スコーピオンを自分の手で葬り去りたかったのだろう。
彼が池に警察バッジを放り投げるラストショットがとても印象に残る。
ハリーが犯人らしき男の後を追い、深追いし過ぎて覗き魔に間違われるシーンも面白い。
イーストウッドはやはりアウトローな役が似合う。

2025/11/30

2025/12/03

77点

購入/4K UHD Blu-ray 
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4K UHDで甦る“原点の衝撃”

4K UHDディスクで改めて『ダーティ・ハリー』を鑑賞した。まず圧倒されたのは、その映像の美しさだ。半世紀以上前の作品とは到底思えない。サンフランシスコの乾いた空気感、夜景の深い青、街のざらついた表情。古典映画を観ているというより、むしろ“今まさに撮られた作品”を観ているような気持ちよさがある。
物語そのものは非常にシンプルだが、そのシンプルさの中に驚くほど多くのエピソードが詰め込まれている。ハリーの一匹狼的な捜査、警察組織との軋轢、市民を恐怖に陥れるスコルピオとの攻防……これらの流れのテンポの良さと、街全体を使ったダイナミックな描写は、後のアクション映画や刑事映画が必ずと言っていいほど踏襲する “原型” を形成している。
身代金を持って市内のいくつもの公衆電話に走らされる名場面は、まさにその代表例だろう。犯人の指示に翻弄されながら、ハリーが夜のサンフランシスコを走り続けるあの連鎖的な緊張感は、後年の多くのサスペンス作品へ影響を与えた。ふと、「こういう“電話に振り回されるシーン”って、他の映画にもあったはずだ」と思わせるほど、ジャンル全体に広く根付いた一場面となっている。
そして、『ダーティ・ハリー』といえばやはり“決めポーズ”の数々だ。特に.44マグナムを持つハリーの構図は、単なるアクションとしてではなく、ヒーロー像そのものを象徴するアイコンとして機能している。銃口を画面ぎりぎりまで寄せて強調する絵作りや、静止した時間のような間合いは、観ているだけでワクワクする。ハリーが放つ
「Do you feel lucky, punk?」
の一言とともに、映画史に残る“姿勢そのものが語るシーン”になっている。
4K UHDの高精細映像によって、これらの構図の意味がさらに際立つ。光の反射、銃身の質感、ハリーの表情の硬さ——すべてが鮮明になったことで、映画の“キメ”の強度が当時以上に伝わってくるのが驚きだ。
娯楽映画としての爽快さと、警察という職業の孤独や倫理を背負った陰影。その両方を持ち合わせた『ダーティ・ハリー』は、ただのアクション古典では終わらない。半世紀の時を越え、今観てもなお胸を撃ち抜いてくる“原点の衝撃”が、見事に甦った。

2025/11/09

80点

選択しない 


「殺して悪いですか」

ネタバレ

市長「君は去年も町で人を殺している。許さんぞ」
キャラハン「男が女を追い詰めて強姦しかけていた」
市長「強姦未遂と証明できるのか?」
キャラハン「裸の男がナイフを手に女を追っかけてりゃ—まさか共同募金じゃないでしょ」

2025/10/19

2025/10/19

59点

選択しない 
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現代版西部劇として観るのが正解

ネタバレ

巨匠、クリント・イーストウッドの出世作。50年以上経ったいま、観ると、典型的な「西部劇」であることがわかる。

 法律などなかった時代に、信じられるのは自らの拳銃と運。サンフランシスコ市警察のキャラハン刑事は保安官。法律が機能しないのであれば、自らの腕を信じる。

 勧善懲悪。必ず最後に正義は勝つ。まさにアメリカ的なマッチョ志向が「正義」の代名詞だった。

 しかし、21世紀のいま、そんな牧歌的な風潮はどこにもない。というのも正義が多様化して、アメリカの正義なるものは、アメリカ偏重的であることを、誰もが知っているから。

 「MAGA」をうたうトランプ大統領の支持者たちは、そういう意味では、こうしたマッチョ志向の再興を願っているのだろう。

 うーむ。時代が変わると、その映画が持つ意味もまた変わってくる、ということなんでしょうね。

2025/08/27

2025/08/27

55点

購入/DVD 
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特典映像どころか予告編も有りませんでした。BluRayは違いのかな?

2025/08/25

2025/08/25

60点

テレビ/有料放送/ムービープラス 
吹替


吹替はお馴染みの声

悪役がブレークしてないのが残念。スクールバスジャックや学校の爆破とか、映画では取り上げて欲しくない。