生まれながらの悪女

にこらすれいけっさくせんうまれながらのあくじょ|Born to be bad|Born to be bad

生まれながらの悪女

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レビューの数

10

平均評点

74.2(22人)

観たひと

30

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1950
公開年月日 未公開
上映時間 94分
製作会社
配給 ブロードウェイ
レイティング
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ハリウッドの異端児、ニコラス・レイの傑作選第2弾は、名女優、ジョーン・フォンテインが、周囲を手玉に取る悪女を熱演したオフビートなドラマ。田舎で育ったことがコンプレックスのクリスタベルは、都会の豪華な暮らしに憧れていたが…。【スタッフ&キャスト】監督:ニコラス・レイ 製作:ロバート・スパークス 原作:アン・パリッシュ 脚本:ジョージ・オッペンハイマー 出演:ジョーン・フォンテイン/ロバート・ライアン/ジョーン・レスリー/メル・ファーラー

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

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2022/11/12

2022/11/12

69点

購入 
字幕


ジョーン・フォンテインの悪女ぶり

ネタバレ

2022年11月12日に鑑賞。DVDにて。1時間29分53秒。スタンダード・黒白。RKO RADIO PICTURES。

ジョーン・フォンテインの悪女ぶり。こんな美女が純情を装って(本人は装う意思はないでしょう)近づいてきたら、アウトでしょう。

ジョーン・フォンテインは、「不時着結婚」(1948・監督:H・C・ポッター、主演:ジェームズ・スチュワート)が、最高に可愛いです。

両親が亡くなり田舎サンタ・フローラで叔母に育てられたクリスタベルは、都会で出版社を経営する伯父の援助でビジネス・スクールへ通う。卒業すれば伯父の会社で働くことができる。伯父の秘書のドナの家に下宿し、ドナの婚約者の富豪カーティス、画家ガビー、新進作家ニックに出会う。

男性的な魅力に溢れるニックに強引にキスされて、ニックの肉体的な魅力の虜になる。

この映画は、SEXで男の虜になった女が、カネ目当てで友人の婚約者を奪って富豪と結婚するが、男の肉体を忘れられずにSEXに溺れて、愛人と富豪の夫の両方を失うという物語である。けっこう内容はえぐいです。

ドナが財産目当てではないかと疑うカーティスに、クリスタベル「確かめる方法があればいいのに。あなたの妙な疑念を」カーティス「疑っているとバレたら終わりだ」クリスタベル「バレないようにすればいいわ。夫婦間の契約をすれば?結婚する時に権利とかの契約するでしょ」カーティス「ドナに財産権を放棄させると?」クリスタベル「試すだけよ。実際にはしなくていいわ」カーティス「できない」クリスタベル「ドナのためにもなるわ。愛を証明するチャンスだもの。私なら試して欲しい」と、カーティスをけしかける。→試されたドナ「私を信用できないの?」と婚約を解消する。クリスタベルへドナ「あなたの意見だと分かったわ。親切そうに無力ぶって、他人の人生を奪ったのよ。泥棒猫のように。とんでもない女だわ」クリスタベル「それであなたの気が晴れるなら何とでも言って」ドナ「最後まで悪びれないのね。ダマされないわ」クリスタベル「あなたを責めないわ。良くしてくれたし、感謝するわ」→クリスタベル、ニヤリと笑う。

カーティスへクリスタベル「もしかしたら私が悪いのかも。あなたを守りたかったの。幸せにしたかった。私の幸せを犠牲にしても」カーティス「君が責任を感じるな」クリスタベル「ずっと隠してたの。知られたくなかった。いつも私に優しくしてくれたわ。帰らないと。荷造りを(伯父が田舎に帰らせる)。私のことは心配しないで。失恋で死ぬ人はいない」カーティスがクリスタベルの額にキス。「私を愛してくれているのね」→クリスタベルの笑み。富豪の妻に収まる。

作家のロバート・ライアン(作家には全く見えないが(笑)が、なかなかの箴言を吐く。ニック「君は2人いる。夢を追う女と現実の女。俺は後者が好きだ。俺から逃げたいだろ?君の一人は」「君は俺のことが好きなのさ。2人とも」「ルクレチア・ボルジアと『心のペグ Peg My Heart』の混血児だな」

ニックへ、クリスタベル「あなたが勝手に私に惚れたんでしょ。カーティスと結婚するわ」ニック「君も俺に惚れた。性的魅力でな。俺を忘れられやしない。カーティスと結婚してもな。お幸せに。孤独だろうけどな。本当は何が欲しい?」ニック去る。階段に足音がしたので、ニックが戻ったと思ったクリスタベル「ニック」だが、降りて来たのはカーティスだった。この場面良い。

クリスタベルが自分を捨てて富豪と結婚したので、一時は疎遠になっていたが作家として売り出して後に、再度クリスタベルと関係を持つ。SEXの後、クリスタベル「今までで一番幸せよ」ニック「迷いを捨てて望むもの(ニックの躰)を選んだな」クリスタベル「私のやり方でやらせて。夫から離婚を言いださせる方が(カネが手に入る)」ニック★「誠実な女なら、カネか男のどちらかを取る。どちらも取る気だな。全部嘘だ。今日俺と過ごした時間もな」クリスタベル「愛してる」ニック★「君が愛するのは君だけだ。一生愛していればいい。出ていけ(Beat it.)カーティスには同情するよ。こんなひどい仕打ちはない」

クリスタベルはカーティスに「伯母クララが病気なので会いに行く」と嘘をついて愛人ニックと会っていた。カーティスとジョン伯父が来た。クリスタベル「湖で待っていてと言ったのに」カーティス「ニックへの長距離電話代をホテルから請求されたよ」クリスタベル「向こうから電話があったので、かけ直したのよ」カーティス「クララ伯母さんは?」クリスタベル「大丈夫だったわ」ジョン「クララは亡くなったよ。お前を探したが。会いたがっていたよ」カーティス「1週間家を空ける。その間に出て行ってくれ」

画面では、監督:ニコラス・レイ Nicholas Ray、脚本:Edith Sommer、脚色:Charles Schnel、追加台詞:Robert Soderberg、George Oppenheimer、原作小説:Anne Parrish「All Kneeling」、撮影:Nicholas Musuraca、音楽:Frederich Hollander である。

出演は、Joan Fontain(クリスタベル・ケイン)、Joan Leslie(ドナ/ケイン社長秘書/カーティスの婚約者)、Robert Ryan(新進作家ニック・ブラッドリー)、Zachary Scott(大富豪カーティス・ケアリー)、Mel Ferrer(画家ガビー[ゲイブリエル]・ブルーム)、Harold Vermilyea(ジョン・ケイン出版社社長/クリスタベルの伯父)、Virginia Farmer(クララ・ケイン/クリスタベルの叔母・育ての親)、Kathleen Howard(ボルトン夫人)、Dick Ryan(執事アーサー)ほか。

カスタム・ジュエリ(模造品)

2020/01/04

2020/01/14

76点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


居場所が欲しいだけ

悪女といっても、男を誑し込んで殺しをさせるような悪女ではない。自分の惚れた男を手に入れるために友人を罠に嵌める程度。しかも友人は怒るのではなく軽蔑するだけだ。最後は男に企みを知られ、追い出され、居場所を失う。どこにでも居るような愚かで悲しい女ではないか。

2020/01/09

2020/01/10

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
字幕

『生まれながらの悪女』。冒頭の坂道の街の奥に海が見えて大きな吊り橋がある。サンフランシスコだろうか。主人公のクリスタベル(ジョーン・フォンテイン)の悪女ぶり。悪女と言っても犯罪が絡むのではなく不誠実な行動をする。ドナ(ジョーン・レスリー)の家、階段上にインターホン。台所に冷蔵庫。

2020/01/10

2020/01/10

80点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
字幕


男を手玉に取るジョーン・フォンティン

シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞。

タイトルからしてノワール映画っぽいが、めちゃくちゃ綺麗な美貌とキレる頭で、男たちを手玉に取る悪女=ジョーン・フォンティン😍💕

駆け出し作家の男(ロバート・ライアン)に惚れてキープしながらも、友人女性の婚約者(大富豪…ザカリー・スコット)を横取りする巧妙な手口が冴える!

この二人の男たちと次々にキスするシーンは笑える(^_^)
僕には何の取り柄も無いけれど、キス仲間に入れて欲しい…笑

しかし、ジョーン・フォンティンはヒッチコックの『レベッカ』&『断崖』では怯える女性を演じて、断崖ではアカデミー賞も獲ったが、こうした悪女も演じられるとは凄い!
まぁ、めちゃくちゃ美人だから…

しかし、ノワール映画特集で上映された作品だが、登場人物が一人も死なないノワール映画だった…(笑)

なかなか面白いニコラス・レイ監督作品であった(^_^)

2019/10/15

2019/10/15

78点

購入/DVD 


仮面を被った女豹ジョーン・フォンテイン!

ネタバレ

ジョーン・フォンテインとジョーン・レスリーのWジョーン対決が見られる、ニコラス・レイのメロドラマ(・・ラブコメディ?)。

純真無垢な仮面を被った肉食女子を演じるジョーン・フォンテイン(「レベッカ」や「断崖」のイメージが強いだけにハマってる!)。自分と同じ肉食系の作家、ロバート・ライアンと付き合いながらも、金と名声に惹かれ、世話になってるジョーン・レスリーの婚約者と略奪婚。が、結婚後も元カレ、ライアンが忘れられず不倫・・という展開。

「生れながらの悪女」というより、「自己中な肉食獣」くらいな感じ?(笑)
婚約者を略奪されたレスリーも、自分のプライドを優先させて婚約者と対峙せず逃げたことで大事なものを失い、いろいろ学んだのだろう。女豹の失脚により生じたチャンスを見逃さない強かさが最後に見られたのには笑ってしまった。

結局、二組とも落ち着くべきところに落ち着き、スキャンダルによって自分の作品価格が上がる画家(メル・ファーラー)もハッピーというwin-winエンド。

英国PAL版DVDにて鑑賞。画質・音質良好。字幕なし。WBの北米版には、別テイクで撮られたエンディングが収録されているそうだ(フォンテインがさらに医者や弁護士を誘惑していくらしい)。←こっちを買えばよかった!

2019/07/07

2019/07/08

70点

映画館/大阪府/プラネットプラスワン 


生まれながらの性悪。

ネタバレ

富豪との結婚間近な女性のところにやってきたブロンドの美女。金銭目当ての結婚を何より怖れる富豪に、結婚相手への疑惑を芽生えさせ、思惑通りに二人は破局し、その空いた席に見事収まることに成功する。思い通りに富豪の妻には収まったものの彼女が本当に愛しているのはちょいワルの作家。夫には満足できなくて昔の彼のことを求めている。

原題のボーン・トゥ・ビー・バッドは、邦題通りの生まれながらの悪女のことだが、悪女という言葉から受ける、計算し尽くした女のイメージからすれば、この女が結婚した後に起こす行動はかなり浅い。叔母の看病に戻るなどすぐバレる嘘をつく辺りは、生まれながらの性悪くらいの方がピッタリはまる。

こんな女の嘘に簡単に騙される旦那とよりを戻す時にはもう少し焦らしてあげても良い。