2022年11月12日に鑑賞。DVDにて。1時間29分53秒。スタンダード・黒白。RKO RADIO PICTURES。
ジョーン・フォンテインの悪女ぶり。こんな美女が純情を装って(本人は装う意思はないでしょう)近づいてきたら、アウトでしょう。
ジョーン・フォンテインは、「不時着結婚」(1948・監督:H・C・ポッター、主演:ジェームズ・スチュワート)が、最高に可愛いです。
両親が亡くなり田舎サンタ・フローラで叔母に育てられたクリスタベルは、都会で出版社を経営する伯父の援助でビジネス・スクールへ通う。卒業すれば伯父の会社で働くことができる。伯父の秘書のドナの家に下宿し、ドナの婚約者の富豪カーティス、画家ガビー、新進作家ニックに出会う。
男性的な魅力に溢れるニックに強引にキスされて、ニックの肉体的な魅力の虜になる。
この映画は、SEXで男の虜になった女が、カネ目当てで友人の婚約者を奪って富豪と結婚するが、男の肉体を忘れられずにSEXに溺れて、愛人と富豪の夫の両方を失うという物語である。けっこう内容はえぐいです。
ドナが財産目当てではないかと疑うカーティスに、クリスタベル「確かめる方法があればいいのに。あなたの妙な疑念を」カーティス「疑っているとバレたら終わりだ」クリスタベル「バレないようにすればいいわ。夫婦間の契約をすれば?結婚する時に権利とかの契約するでしょ」カーティス「ドナに財産権を放棄させると?」クリスタベル「試すだけよ。実際にはしなくていいわ」カーティス「できない」クリスタベル「ドナのためにもなるわ。愛を証明するチャンスだもの。私なら試して欲しい」と、カーティスをけしかける。→試されたドナ「私を信用できないの?」と婚約を解消する。クリスタベルへドナ「あなたの意見だと分かったわ。親切そうに無力ぶって、他人の人生を奪ったのよ。泥棒猫のように。とんでもない女だわ」クリスタベル「それであなたの気が晴れるなら何とでも言って」ドナ「最後まで悪びれないのね。ダマされないわ」クリスタベル「あなたを責めないわ。良くしてくれたし、感謝するわ」→クリスタベル、ニヤリと笑う。
カーティスへクリスタベル「もしかしたら私が悪いのかも。あなたを守りたかったの。幸せにしたかった。私の幸せを犠牲にしても」カーティス「君が責任を感じるな」クリスタベル「ずっと隠してたの。知られたくなかった。いつも私に優しくしてくれたわ。帰らないと。荷造りを(伯父が田舎に帰らせる)。私のことは心配しないで。失恋で死ぬ人はいない」カーティスがクリスタベルの額にキス。「私を愛してくれているのね」→クリスタベルの笑み。富豪の妻に収まる。
作家のロバート・ライアン(作家には全く見えないが(笑)が、なかなかの箴言を吐く。ニック「君は2人いる。夢を追う女と現実の女。俺は後者が好きだ。俺から逃げたいだろ?君の一人は」「君は俺のことが好きなのさ。2人とも」「ルクレチア・ボルジアと『心のペグ Peg My Heart』の混血児だな」
ニックへ、クリスタベル「あなたが勝手に私に惚れたんでしょ。カーティスと結婚するわ」ニック「君も俺に惚れた。性的魅力でな。俺を忘れられやしない。カーティスと結婚してもな。お幸せに。孤独だろうけどな。本当は何が欲しい?」ニック去る。階段に足音がしたので、ニックが戻ったと思ったクリスタベル「ニック」だが、降りて来たのはカーティスだった。この場面良い。
クリスタベルが自分を捨てて富豪と結婚したので、一時は疎遠になっていたが作家として売り出して後に、再度クリスタベルと関係を持つ。SEXの後、クリスタベル「今までで一番幸せよ」ニック「迷いを捨てて望むもの(ニックの躰)を選んだな」クリスタベル「私のやり方でやらせて。夫から離婚を言いださせる方が(カネが手に入る)」ニック★「誠実な女なら、カネか男のどちらかを取る。どちらも取る気だな。全部嘘だ。今日俺と過ごした時間もな」クリスタベル「愛してる」ニック★「君が愛するのは君だけだ。一生愛していればいい。出ていけ(Beat it.)カーティスには同情するよ。こんなひどい仕打ちはない」
クリスタベルはカーティスに「伯母クララが病気なので会いに行く」と嘘をついて愛人ニックと会っていた。カーティスとジョン伯父が来た。クリスタベル「湖で待っていてと言ったのに」カーティス「ニックへの長距離電話代をホテルから請求されたよ」クリスタベル「向こうから電話があったので、かけ直したのよ」カーティス「クララ伯母さんは?」クリスタベル「大丈夫だったわ」ジョン「クララは亡くなったよ。お前を探したが。会いたがっていたよ」カーティス「1週間家を空ける。その間に出て行ってくれ」
画面では、監督:ニコラス・レイ Nicholas Ray、脚本:Edith Sommer、脚色:Charles Schnel、追加台詞:Robert Soderberg、George Oppenheimer、原作小説:Anne Parrish「All Kneeling」、撮影:Nicholas Musuraca、音楽:Frederich Hollander である。
出演は、Joan Fontain(クリスタベル・ケイン)、Joan Leslie(ドナ/ケイン社長秘書/カーティスの婚約者)、Robert Ryan(新進作家ニック・ブラッドリー)、Zachary Scott(大富豪カーティス・ケアリー)、Mel Ferrer(画家ガビー[ゲイブリエル]・ブルーム)、Harold Vermilyea(ジョン・ケイン出版社社長/クリスタベルの伯父)、Virginia Farmer(クララ・ケイン/クリスタベルの叔母・育ての親)、Kathleen Howard(ボルトン夫人)、Dick Ryan(執事アーサー)ほか。
カスタム・ジュエリ(模造品)