グラン・トリノ

ぐらんとりの|Gran Torino|GRAN TORINO

グラン・トリノ

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レビューの数

199

平均評点

83.0(1663人)

観たひと

2648

観たいひと

215

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / 社会派
製作国 アメリカ
製作年 2008
公開年月日 2009/4/25
上映時間 117分
製作会社 Village Roadshow Pictures=Malpaso Productions=Media Magik Entertainment
配給 ワーナー・ブラザース映画
レイティング 不明
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/DTS/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

誰にも心を開けず、死を待つだけの生活を過ごす孤独な老人と少年とが心を通わせていくヒューマン・ストーリー。「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」でアカデミー賞の作品賞と監督賞に輝いたクリント・イーストウッドが、激しくも静かに暴力の否定を訴える。製作・監督・主演をイーストウッドが務め、自身の主演作は「ミリオンダラー・ベイビー」以来となる。脚本は、本作が映画デビュー作となるニック・シェンク。他のキャストでは、「大いなる陰謀」のクリストファー・カーレイ以外は、ほぼ無名な新人たちで固めた。テーマ曲も、イーストウッド自身が手掛けている。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

妻を亡くしたウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)は、二人の息子や孫とも疎遠になった頑固で偏屈な老人だった。朝鮮戦争の帰還兵である彼は、戦場で人を殺した重い記憶から逃れられず、愛犬のデイジー以外には心を開けなくなっていた。妻と交流の深かった神父ヤノビッチ(クリストファー・カーレイ)からの懺悔の誘いも、ひたすら拒み続ける。かつてフォード社の自動車工だった彼の宝物は、ガレージで眠る72年型の愛車グラン・トリノだった。 ひとり暮らしを続ける彼の自宅の隣に引っ越してきたのは、東洋からやって来たモン族の一家だった。その息子タオ(ビー・バン)は従兄たちの不良グループからけしかけられて、グラン・トリノを盗もうとするが、それをきっかけにウォルトと出会う。タオの姉で人懐っこいスー(アーニー・ハー)とも知り合って、孤独だったウォルトの生活にも潤いが生まれた。父親のいない気弱なタオに対して、ウォルトは男としての誇りを教えていく。祖父と孫ほど年齢の違う二人は、次第に心を通わせあっていった。 しかし、不良グループたちは執拗なまでにタオを狙った。タオが傷つけられたことを知ったウォルトは、不良グループのメンバーのひとりを暴力で威嚇する。その報復として、タオの家は銃弾を浴びせかけられ、スーは暴行を受ける。 ウォルトの怒りは爆発した。一緒に戦いに行こうと叫ぶタオを部屋に閉じ込めたウォルトは、単身で不良グループの家へと向かう。彼らを怒らせたウォルトは、銃弾によって蜂の巣にされる。そして不良グループは警察から逮捕された。ウォルトの葬儀がヤノビッチ神父によって行われ、その遺言で愛車グラン・トリノはタオに与えられた。まるで新車のように輝くグラン・トリノには、ウォルトの半生が刻み込まれていた。デイジーを助手席に乗せてタオがハンドルを握ったグラン・トリノは、今日も街を駆け抜けていく。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

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2022/04/30

2022/05/06

90点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 
字幕


ハリー・キャラハンだったらラストは44マグナムを引っこ抜いてぶっ放してただろうなぁ。イーストウッドはいつまで経ってもアウトローな役柄が似合ってるけど、演じる役に選ばせる選択肢は確実に変化している。違いを認め合う事や暴力の連鎖を断ち切る事、自己犠牲の精神、戦争の愚かさ。現代のあらゆるテーマを一本の作品に集約させつつ、一級のエンタメに仕上げるイーストウッドの手腕は最早神業としか思えない。

2022/05/05

92点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


継承と贖罪

ネタバレ

個人的にイーストウッドの監督作品で、彼自身が主役を務める作品はあまり好きではない。
が、これは別格で面白かった。面白かったがこの映画の本質は何かと問われると答えるのは難しい。
主役はイーストウッド演じる孤独な老人ウォルト。
彼は妻を亡くしたばかりだが、息子たちが彼を疎ましく感じるほどに頑固で偏屈で気が短い人間だ。
彼は朝鮮戦争に従軍した経験があり、その時に少年兵を殺してしまったことが彼の心の傷になっている。
それもあってか、彼は隣家に引っ越してきたモン族の住民に対して嫌悪感を示し、差別的な言葉を呟く。
どうやらウォルトの住む町には黄色人種の移民が多いらしい。彼自身もポーランド系の移民の出であり、彼が行きつけのイタリア系の移民の床屋の店主と口汚い応酬を繰り返す場面がある。(彼らは口汚く罵り合っていても、心の通い合った友人であることは見て取れる)
彼の妻は敬虔なクリスチャンで、教会に赴いては懺悔を繰り返していたようだ。
妻は神父のヤノヴィッチに自分が死んだら主人のことを気にかけて、懺悔に行かせて欲しいと頼んでいた。
何となくウォルトは亡くなった妻とも頻繁にコミュニケーションを交わしていたわけではないらしいことが窺い知れる。
そんな彼の妻の願いに応えるべくヤノヴィッチは何度もウォルトの元を訪れる。
第一印象ではヤノヴィッチはかなり図々しい人間に感じられる。
物語が進めば彼がとても人情味のある人間であることが分かってくるのだが、ウォルトは神学校出の27歳の童貞に懺悔することなどないと、彼の訪問を退ける。
とにかくウォルトは保守的な人間で、自分の殻に閉じ籠ってしまっている。
彼が誇りにしているのは戦争の時に貰った勲章ではなく、72年型のグラントリノだ。
ある日隣人のタオが不良仲間に脅されて、ウォルトのグラントリノを盗みに現れる。
ウォルトは銃を構えてタオを追い払う。
盗みに失敗したタオを、不良仲間は家に押し入り連れ去ろうとする。
様子を見ていたウォルトは銃を構えて不良たちを追い払う。
彼は自分の敷地から出ていくように脅しただけなのだが、タオを助けてもらったと受け取ったモン族の隣人たちは彼の元に贈り物を届けるようになる。
この瞬間からウォルトの運命は大きく動き出す。
助けてもらった恩を返すために、タオはウォルトの家を訪ね、彼の仕事を手伝うようになる。
元自動車の整備工のウォルトは、やがてタオに仕事の手解きをするようになる。
黄色人種を嫌っていたウォルトだが、次第にタオや、彼の姉であるスーに愛着を持つようになる。
ウォルトとタオとスーの交流は観ていて心が暖まるようだった。
しかしタオやスーに対して、同じモン族の不良グループたちは嫌がらせをし続ける。
色々と複雑な歴史背景があるのだろうが、見かねたウォルトは不良グループの一人を打ちのめし、二度と二人に関わるなと脅しをかける。
が、これが逆効果になってしまい、タオの住む隣家は銃を撃ち込まれ、スーは暴行を受けてしまう。
復讐をするために力を貸して欲しいと血走った目で訴えるタオを騙し、ウォルトは一人で不良グループの元へと向かう。
ウォルトがタオをまるで自分の子供のように扱ったのは、タオと彼が殺してしまった少年兵が重なって見えたからだろう。
タオを助けたのは、彼の贖罪であったとも言える。
ウォルトはヤノヴィッチの元に行って過去の自分の過ちを全て懺悔する。
そして自分は心か安らいでいる状態だと言い残して、教会を去っていく。
実ははっきりと映画の中では言明されないが、おそらくウォルトは不治の病を患っている。
ヤノヴィッチは彼が死ぬ気でいることを悟るが、彼を止めることは出来なかった。
個人的にこの映画は、イーストウッドが不屈のヒーローとしての彼自身に別れを告げた作品だと思っている。
ウォルトは何と丸腰で不良グループのアジトへ乗り込む。
今までのイーストウッド作品なら、銃で悪党どもを一網打尽にしていただろう。
しかし彼が煙草に火をつけようと懐に手を入れた瞬間、一斉に彼に向かって銃弾が撃ち込まれる。
もしウォルトが銃を所持していたなら、不良グループの罪はもっと軽くなっており、出所した彼らは再びタオたちを襲っていたかもしれない。
ウォルトは自分の命を犠牲にしてタオたちを救ったのだ。
そして彼のグラントリノはタオへと継承される。
決して後味の良い作品ではないが、いつまでも心に染み入る名作だった。
これでイーストウッドはスクリーンから離れるのかと思えば、『運び屋』と『クライマッチョ』ではしっかりと主役を務めている。
しかしそこにはもう不屈のヒーローの姿はなかった。
彼がいつまで映画を撮り続けられるのかは分からないが、これからも名作を生み続けて欲しいと切に願う。

2022/04/02

2022/04/03

90点

テレビ/有料放送/ムービープラス 
字幕


何度も繰り返し観たい名作

「クライマッチョ」を見た後、無性にこの映画が観たくなった。無駄なシーンがひとつもない完璧な映画と言えるのではないか。これからも無性に観たくなる時が来るだろうなぁ。(録画鑑賞)

2022/02/08

-点

選択しない 


渋…!!

カーアクションかと勘違いして見始めてしまったら。全く違って、とても深い渋い人間ドラマだった。
イーストウッド、偏屈頑固じいさんっぷりがものすごくハマっている。完膚なきまでにいちいち相手を貶しまくってるのにはヒヤヒヤしたけど、互いに悪態をつきながら笑い合っているジジ友?との一コマは楽しかった。きっと本質的には、ユーモアもあり陽気で、困っている人を放っておけない人情深い人なんだろうなぁと想像する。隣人たちに心を開いていく様子も見どころ。そもそも、人種差別は差別意識があるから差別なのであって、そこに信頼があれば「事実」と許せるものなのかも。さすが、酸いも甘いも噛み分けたウォルトが一枚上手だった。最後に良い事をして、世界一の奥さんの元へ。渋イイ話だった。

2022/02/06

2022/02/06

95点

レンタル 
字幕


生涯ベストテンに加えたい傑作

本作品は「許されざる者」と同じ暴力を否定する映画だと思った。

誰が言ったのか忘れたけど、ハリー・キャラハンが定年退職した後を描いているみたい、というのはそうだろうと思う。
クリント・イーストウッドのアクション映画はハリー・キャラハンのイメージでやってきた。ハリー・キャラハン刑事は凶悪犯人の人権を認めず、そういう悪党にはどんな暴力を振るっても正しいということだ。
これは「ダーティハリー」ばかりでなく、多くのポリスアクション映画はそういう正義の暴力を肯定することで、観客はカタルシスを得たのだ。

だが時代が変わってどんな極悪非道な犯人でも人権を認めないと、警察の暴走や冤罪につながりかねないとなり、暴力はいかなる理由があっても否定すべき、となった。

ハリー・キャラハンを演じたスターが、「許されざる者」で彼の当たり役を否定する形で描いたのに、感慨深い深いものを得た。

本作品の主人公ウォルト・コワルスキーは朝鮮戦争で敵の少年兵を拷問して殺したことが今でも悔やみ、時々思い出してしまう。こういう場合は戦争だから仕方ない、上官の命令だったから仕方ない、と自分を正当化して精神の安定をはかる。

だがコワルスキーは上官の命令じゃなくて、自分から積極的に残虐行為を犯したことが、心の傷になってしまった。これが一生治ることができない傷だ。

コワルスキーは隣の家に住むモン族の少年と仲良くなる。彼にいろいろ教えることで精神的な安らぎを得ようとする。

だが少年にからんでくる少年の親戚の不良どもをボコボコにする。だが、それが少年の姉に対する暴行につながってしまったことに大いに後悔する。

それで姉の復讐をしようとする少年を閉じ込めて、ひとり復讐に行く。少年の手を汚すまいとする行為だが、しかし暴力の空虚さを痛感したコワルスキーはどうやって不良たちに復讐するのか、胸がドキドキした。

そして・・なるほど、こうきたか。勧善懲悪の悪党どもをぶっ殺してすっきりする映画じゃないので、観終わったらいろいろモヤモヤしたものが出来る。しかし暴力で解決しようとしてはいけないということがこちらの胸に響く。

私情になるが、この映画を封切り時に観た時は、それなりに映画を観続けて、少し疲れが出ていた頃だった。ある程度の本数をこなしたら、もう映画に見飽きたような感じになっていた。ストーリー展開もおおよそ予想できるから、若い頃のように衝撃とか深い感動を得ることはもうこれからはないだろうな、と思った。映画に見慣れたというか、マンネリになったというか。しかし、本作は若い頃に観た映画のような感動と衝撃を受けた。

映画に感動するのに、鑑賞歴と鑑賞本数は関係ない、と思った。どんな映画を数多く観ても、感動する、刺激になるなどというのはある、とこの作品で感じた。

そしてこれからも映画を観続けることに意欲が湧いてきた。淀川長治さんが感動できる映画を観ている途中で死んだら本望だとおっしゃっていたが、私も一生映画を観続けたい。

その時は映画館でやると映画館におおいに迷惑なので、自室でDVDかブルーレイ、あるいはネットフリックスかアマゾンプライムで観ている途中で死ねたら、一番望ましい死に方だな。

2021/12/22

2021/12/22

88点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


また観た

やっぱりクリント・イーストウッドはどの年代の役を演じても格好いいなあ。