グラン・トリノ

ぐらんとりの|Gran Torino|GRAN TORINO

グラン・トリノ

amazon
レビューの数

135

平均評点

83.4(1173人)

観たひと

1987

観たいひと

177

  • VODで観る

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / 社会派
製作国 アメリカ
製作年 2008
公開年月日 2009/4/25
上映時間 117分
製作会社 Village Roadshow Pictures=Malpaso Productions=Media Magik Entertainment
配給 ワーナー・ブラザース映画
レイティング 不明
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/DTS/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

誰にも心を開けず、死を待つだけの生活を過ごす孤独な老人と少年とが心を通わせていくヒューマン・ストーリー。「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」でアカデミー賞の作品賞と監督賞に輝いたクリント・イーストウッドが、激しくも静かに暴力の否定を訴える。製作・監督・主演をイーストウッドが務め、自身の主演作は「ミリオンダラー・ベイビー」以来となる。脚本は、本作が映画デビュー作となるニック・シェンク。他のキャストでは、「大いなる陰謀」のクリストファー・カーレイ以外は、ほぼ無名な新人たちで固めた。テーマ曲も、イーストウッド自身が手掛けている。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

妻を亡くしたウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)は、二人の息子や孫とも疎遠になった頑固で偏屈な老人だった。朝鮮戦争の帰還兵である彼は、戦場で人を殺した重い記憶から逃れられず、愛犬のデイジー以外には心を開けなくなっていた。妻と交流の深かった神父ヤノビッチ(クリストファー・カーレイ)からの懺悔の誘いも、ひたすら拒み続ける。かつてフォード社の自動車工だった彼の宝物は、ガレージで眠る72年型の愛車グラン・トリノだった。 ひとり暮らしを続ける彼の自宅の隣に引っ越してきたのは、東洋からやって来たモン族の一家だった。その息子タオ(ビー・バン)は従兄たちの不良グループからけしかけられて、グラン・トリノを盗もうとするが、それをきっかけにウォルトと出会う。タオの姉で人懐っこいスー(アーニー・ハー)とも知り合って、孤独だったウォルトの生活にも潤いが生まれた。父親のいない気弱なタオに対して、ウォルトは男としての誇りを教えていく。祖父と孫ほど年齢の違う二人は、次第に心を通わせあっていった。 しかし、不良グループたちは執拗なまでにタオを狙った。タオが傷つけられたことを知ったウォルトは、不良グループのメンバーのひとりを暴力で威嚇する。その報復として、タオの家は銃弾を浴びせかけられ、スーは暴行を受ける。 ウォルトの怒りは爆発した。一緒に戦いに行こうと叫ぶタオを部屋に閉じ込めたウォルトは、単身で不良グループの家へと向かう。彼らを怒らせたウォルトは、銃弾によって蜂の巣にされる。そして不良グループは警察から逮捕された。ウォルトの葬儀がヤノビッチ神父によって行われ、その遺言で愛車グラン・トリノはタオに与えられた。まるで新車のように輝くグラン・トリノには、ウォルトの半生が刻み込まれていた。デイジーを助手席に乗せてタオがハンドルを握ったグラン・トリノは、今日も街を駆け抜けていく。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2015年4月下旬号

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ軌跡)」、その正体は果たして?:映画のキャラクターに俳優自身が重なって泣いてしまう映画 「グラン・トリノ」のイーストウッドは引退後のハリー・キャラハンだ

2009年5月下旬号

評論家発映画批評:「グラン・トリノ」

評論家発映画批評:「グラン・トリノ」

2009年5月上旬号

巻頭特集 イーストウッドは「神」じゃない 「グラン・トリノ」:クリント・イーストウッド「グラン・トリノ」を語る

巻頭特集 イーストウッドは「神」じゃない 「グラン・トリノ」:対談 小林信彦×芝山幹郎

巻頭特集 イーストウッドは「神」じゃない 「グラン・トリノ」:作品評

2009年3月下旬号

特別企画 いま、アメリカ映画は本当に面白くないのか?:短評「レイチェルの結婚」「グラン・トリノ」

2009/10/10

2017/08/13

65点

映画館/東京都/新文芸坐 
字幕


となりのモン族

ネタバレ

少年と触れ合ううちに頑迷だった老人の心がほぐれてという話だけならよくあるパターンだが、復讐に行ったと思わせて、ラストの丸腰で自分を撃たせて過剰防衛で長期刑にするという「世界で一番やさしいラスト」(外国の新聞評を予告編で使っていた文言)はインパクトがある。それまで、「暴力は暴力の連鎖を生むに過ぎない」ということが描かれているので、このラストは説得力がある。「グラン・トリノ」とはどういう意味かと思っていたが1972年製のフォードの車名だった。フォード車はアメリカが輝いていた時代の象徴であり、その対比としてトヨタ・ランドクルーザーが出てくる。この車は、未来を担うモン族の少年に譲られるということだろうか。映画の途中ではWASP至上主義の外国人蔑視のようなイーストウッドの発言が目立つが、ラストは「人類皆兄弟」のようになっている。ラストはちょっと涙は出た。ただし、息子が父親の死をモン族の人々に何も言わないのは、納得がいかなかった。

2017/08/05

2017/08/05

88点

選択しない 


グラン・トリノ

頑固しじじい。その言葉を絵に表したような男が、ウォルト。ウォルトは、妻を亡くし息子達とはソリが合わず。そんなウォルトが持っている唯一のものは、フォードグラン・トリノ。隣に住む中国系の少年タオか、とある理由から盗みに入る。その少年タオのいざこざに巻き込まれ、ストーリーは進んでいく。

2017/07/10

2017/07/12

85点

映画館/東京都/新文芸坐 
字幕


ハリーのけじめ

 クリント・イーストウッドの特集上映で本作を観た。併映は「ミスティック・リバー」。
 本作は、妻を亡くしたばかりのウォルト・コワルスキーを主人公とした物語である。
 クリント・イーストウッド主演のヒューマン・ストーリー。だが、これまでの役柄のせいか、いつ銃を持ち出して乱射するのかという緊迫感がある。また朝鮮戦争の帰還兵というのも似合う。
 孤独で偏屈な老人と少年とが心を通わせるというありがちなドラマもクリント・イーストウッド主演となれば格別な感慨がある。特に最期のシーンは監督としてというより役者人生にけじめをつけたような印象だ。銃を否定しているわけではない。ただ、銃で解決できない問題もあり銃で撃たれて死ぬこともあるという当然のことを体現する人物を演じる必要があったというこである。

2015/04/04

2017/06/15

91点

テレビ/無料放送/BS-TBS 
吹替


グラン・トリノが乗せるもの

退役軍人で元フォード工員の老人が、隣に越してきたモン族一家との交流と彼らにまとわりつく不良たちとの対決を描く。
クリント・イーストウッド製作、監督、主演で、モン族の姉弟との交流を自然に描いた、ラストのある場面までは、お世辞抜きに心温まる映画である。
驚き、心揺さぶられるのはラストの主人公ウォルトと不良たちとの対決であろう。

結末を知った後、再見すると、ウォルトの人生観、あるいは死生観と言えるものが、揺れ動いていたことに気づいた。
冒頭がウォルトの妻の葬儀である。ウォルトは、息子や孫たちの言動に、我慢ならないという表情を隠さない。彼らを含め、周囲の大多数の人間たちとは、教会の神父さえとも、関わらなくてよいと思っている。
退役軍人である自身と同じ身の上の者と退役軍人クラブで飲むことと、床屋のイタリア系の親父等、昔からの知り合いとしか会話を弾ませることもしない。
デトロイト郊外の外国人が目立ってきた住宅街で隠遁生活で十分と腹をくくっている。これは、ほとんど「死んだような」生活である。

ところが、隣家の少年タオと知り合い、その世話をやくうちに、ウォルトの表情に生気がでてくる。普通の生活を取り戻す。これは、タオが外国人であり、異文化故に何事も言葉に出さないとコミュニケーションができないことも、タオ自身の誠実で優しい性格も、それぞれ大きな要因となっている。

だが、モン族の不良たちにタオが狙われたことが、ウォルトの生き方を変えてゆく。同時に、ウォルト自身に起こる出来事もその心境変化を後押しする。
おおむねは、以前の心境に近いものだが、もっと「積極的な死んだような」生活。とでもいうべきものに向きはじめる。
そして、ウォルトの反撃と、それに対する不良たちの報復が、最後のトリガとなって、ウォルトは「そこ」に突き進む。

さて、ラストの対決は後世に残る名シーンとなっている。そして、これは主演イーストウッドだからこそ、の名シーンでもある。
やはり、再度見ても、じん、とくるものがある。

だが、ウォルトがタオに対して、あれこれ世話をやく中盤のシーンが、今回は心に残った。気恥ずかしさと優しさと思いやりにあふれた二人の表情を見るだけで、心が温かくなる。こんなシーンは、めったに見られるものではない。私は、これだけでも、いい映画だと思う。

ところで、題名のグラン・トリノをウォルトが運転する姿は示されない。タオが運転する様は、ある時点以降に現れる。これは、冒頭からグラン・トリノはウォルトの手を離れていたこと示唆している。そう、このグラン・トリノは。ウォルトと彼の妻の「二人」の人生を乗せていたのである。
その意味で、ウォルトがグラン・トリノを見るまなざしは優しく。彼の妻に対する思いをくみ取ることができる。
だからこそ、ウォルトは、タオにデートするならグラントリノを貸すという。ウォルトにとって、グラン・トリノはそういう車なのである。

2017/05/21

2017/05/24

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


アメリカ車の代名詞でありかつて勤務していたフォードのグラン・トリノをこよなく愛するコワルスキー(クリント・イーストウッド)
今や日本の車の生産とともに東洋人が幅を利かせるようになったデトロイトで、妻の死とともにひっそりと暮らしている。
そこで繰り広げられる東洋人との友情そして敵対をかつて出兵していた朝鮮戦争の殺戮を心のバックボーンに描いた無情に悲しいストーリー。
妻の遺言である「教会に懺悔してください・・・」が、最終的にこんな形を向かえるとは。

2017/04/30

2017/04/30

94点

VOD/PlayStation Video/購入 
字幕


静かだがいい映画だ。