トウキョウソナタ

とうきょうそなた|Tokyo Sonata|TOKYO SONATA

トウキョウソナタ

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レビューの数

52

平均評点

75.8(359人)

観たひと

612

観たいひと

75

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本 オランダ 香港
製作年 2008
公開年月日 2008/9/27
上映時間 119分
製作会社 「TOKYO SONATA」製作委員会(ENTERTAINMENT=FORTISSIMO FILMS=博報堂DYメディアパートナーズ=ピックス)
配給 ピックス
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声 ドルビーSR

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督黒沢清 
脚本マックス・マニックス 
黒沢清 
田中幸子 
エグゼクティブプロデューサー小谷靖 
マイケル・J・ワーナー 
プロデューサー木藤幸江 
バウター・バレンドレクト 
共同プロデューサー椋樹弘尚 
撮影芦澤明子 
美術丸尾知行 
松本知恵 
音楽橋本和昌 
音楽プロデューサー和田亨 
録音岩倉雅之 
音響効果渡部健一 
照明市川徳充 
編集高橋幸一 
衣装デザイン宮本まさ江 
キャスティング杉野剛 
アソシエイト・プロデューサーRaymond Phathanavirangoon 
ライン・プロデューサー武石宏登 
助監督西山太郎 
スクリプター/記録松澤一美 
SFX/VFXスーパーバイザー浅野秀二 
製作担当山本礼二 
俳優担当楠本直樹 
プロダクション担当福田豊治 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演香川照之 佐々木竜平
小泉今日子 佐々木恵
小柳友 佐々木貴
井之脇海 佐々木健二
井川遥 金子先生
津田寛治 黒須
役所広司 泥棒
児嶋一哉(アンジャッシュ)小林先生

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ばらばらになってしまった平凡な4人家族が、ある事件をきっかけに再び向かい合おうとする姿を描く。「アカルイミライ」の黒沢清が、自身のキャリアで初めて親と子のドラマに挑んだ意欲作。出演は、「ゆれる」の香川照之、「空中庭園」の小泉今日子、「シルク」の役所広司。2008年カンヌ映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

トウキョウの、線路沿いの小さなマイホームで暮らす4人家族の佐々木家は、ごく平凡な家庭である。しかし小学6年生の次男・健二(井之脇海)には、家族に内緒にしている秘密があった。それは、父親に反対されたピアノを隠れて習っていることだった。父・竜平(香川照之)は厳格な父親で、健二の話にまったく耳を傾けようとしない。母・恵(小泉今日子)はおやつにドーナツを作ってくれるような優しい母親だが、いつもつまらなそうにしている。大学生の長男・貴(小柳友)はアルバイトに明け暮れていて、何を考えているのかわからない。それでも、夕食は家族で一緒に食べるような、普通の家族であった。しかし、秘密を抱えているのは健二だけではなかった。実は、竜平は会社からリストラされていた。しかし、それを家族に打ち明けられずに、父親としての威厳と、自分の弱さの間で揺れ動いていた。一方、貴は日本を出て、アメリカ軍に入隊しようとしていた。そんなある日、佐々木家に異変が起こる。健二が帰宅すると、家の中は荒らされており、誰もいなくなっていた……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2009年2月下旬決算特別号

特別カラー・グラビア 個人賞受賞者インタビュー:主演女優賞 小泉今日子

特別カラー・グラビア 個人賞受賞者インタビュー:新人男優賞 井之脇海

2008年12月上旬号

評論家発映画批評:「トウキョウソナタ」

2008年10月下旬号

REVIEW 2008:「トウキョウソナタ」

2008年10月上旬号

第二特集 「トウキョウソナタ」黒沢清が「家族映画」に出した回答:黒沢清×宮台真司 対談

第二特集 「トウキョウソナタ」黒沢清が「家族映画」に出した回答:香川照之 インタビュー

第二特集 「トウキョウソナタ」黒沢清が「家族映画」に出した回答:「トウキョウソナタ」における境界線

第二特集 「トウキョウソナタ」黒沢清が「家族映画」に出した回答:現代の出征

2024/02/28

2024/02/28

62点

VOD/U-NEXT 

・かなり豪華な出演陣 主役夫婦の香川、小泉に始まり、泥棒役の役所、ピアノ先生の井川、友人娘での無名の土屋太鳳 若い土屋太鳳が見れたのは収穫
・真実を見せない家族(父のリストラ、息子のピアノ)、徐々に家族のベクトルまでずれていく 一番まともな母親まで心が蝕まれ、泥棒の役所ち同行することに 黒沢監督らしい奇妙な展開

・群像劇であるが、いろいろな話が中途半端 父の仕事や母の役所との関係、息子の喘息の友人の家出の結末、担任先生児島など、描かれてはいるものの投げっぱなしの印象
・最終的に息子が音楽中学の入試に臨みピアノでソナタを引き映画が終わる なんともカタルシスが足らないラスト
 

2021/01/10

2021/01/10

73点

レンタル/東京都/ゲオ 


珍しくホラーでない話

ネタバレ

 観終わっての印象は薄いが、良かった。

 黒沢清にしては珍しく、ホラーでなく、ホームドラマ的な展開。しかし、竜平(香川照之)の仕事がなくなる、というのはやはりホラーだろうと思った。

 最後の“月光”の場面は試験なのに観客が多くなるのは如何にも過剰で、もう少し抑えて欲しかったが、いい場面だった。

 ホラーの中では“CURE”のように話になっているものがいいけれど、こういうのもいいかもしれない。

 敢えて出さないようにしているのだろうけれど、キャラクターの心情がもう少し強調される方が自分の好みだとは思った。 

2020/11/10

2020/11/14

80点

その他/レンタル 


タイトルがカタカナなのが作風にピッタリです

ネタバレ

家族みんなで一緒に居るのに
みんなひとりぼっち
お互いに関心を持つ余裕が無く毎日毎日の生活に追われてイッパイイッパイになっているのでしょう?
コミニケーションの術を知らずに苦しんでいるのか?
ただの同居人のようです

リーマンショックの前の製作です
味わいは内容が濃厚な割にはさっぱり味の塩ラーメンのような印象を残します
監督はタイトルの東京と云う文字の出現に小津さんがらみの質問を覚悟していたようです

白い背景が人工的です
病院みたい?
リストラされる会社の窓の白い光と影がとにかく目を引きます
面白い発想です

「やり直したい」と叫ぶ
ひき逃げされて朝 起き上がる香川さんが可笑しいです
頑張れば頑張るほど滑稽な様子も窺え可笑し味を漂わせています
「アバウト・シュミット」のジャック・ニコルソンを思い出しました
リアリティがまるで無い役所広司さんの役柄とのマッチングも擦り合わせてあるかのようです
津田寛治さんもそれらしいですね

[家の立地の面白さ]
線路脇
坂の下
[外観の面白さ]
外に張り付くような細い階段は何処につながるのか?
[室内の作りの面白さ]
階段

対面キッチン風の棚
そこらじゅうに視線を遮るものが有ります
室内はセットを組んだようです

3時間前のテロップが出る
ナニナニ何が始まるの?
期待が膨らみました
映画的ファンタジーのはじまりです

ラストは絶大な音楽のチカラに魅せられます
ピアノ演奏
だんだんみんなが食い入るように前に出てくる
拍手は無い
家族三人で静かに外に出て行く
会場を片付ける効果音のみのクールなエンドロール
全体的に音楽が少なめなのが納得できました
ここの場面も真っ白な外光です
「映像特典より」
演奏の指の動きなどはCG合成の特殊効果だそうです

表面に現れるものだけにとどめて
涼しげなタッチなのが気持ち良い距離感を保っています

不謹慎かもしれませんが深刻な話の割に戯画化されたコメディのようで笑えました

今回の監督は作詞はしない作曲家のイメージです
プロデューサーをはじめスタッフの意見を取り入れる心の柔らかさとスピルバーグのように作品の収支を計算に入れる現実的な職人のバランス感覚が長期間にわたって活躍する秘訣ですかね

最初から最後までやっぱり風が大好きですよね

家族はみんな誰も交わらない
平行線のままにみえますがこれから試行錯誤で再生しそうな希望が見えます
小泉今日子さんの配役からおおらかな深刻過ぎない雰囲気になると思っていました
女優さんの活かし方がうまいです

人間は一人で生きて
 一人で死んでいく
  で、どうする?
         北野武

2020/07/14

2020/07/14

80点

レンタル/東京都/TSUTAYA/TSUTAYA 恵比寿ガーデンプレイス店/DVD 


バラバラな家族のバラバラな再生

ネタバレ

バラバラになった家族の再生物語・・・だが・・・黒沢監督の提示する家族の在り方は、ある意味残酷だ。

線路沿いのマイホームで暮らす佐々木家は、ごくごく平凡な中流家庭。しかしそれぞれが秘密を抱えている。リストラにあった父親、アメリカの軍隊に入隊しようとしている長男、父親に反対されたピアノをこっそり習っている次男、孤独感を抱える母。厳格であるべき父親像を演じようとして空回りする父、理想論を掲げて家族から脱出する長男、ピアノに天才的才能がありながら理解を得られない次男、そして彼らの変化を気遣いながら見守るしかない母・・・。徐々に家族がバラバラになってゆく過程が哀しい。

本来なら「1つの事件」をきっかけにバラバラになった家族が絆を取り戻すのがセオリーだが、本作はそれぞれ「個々に起きる事件」によって、崩壊する家族をかろうじてつなぎとめる展開が衝撃的だった。米軍入隊後戦地に送られた長男のエピソードは描かれないのでそれを除き、次男は家出して無賃乗車のため留置場に入れられる(小学生なのに)。父は清掃の仕事中、大金の入った封筒を拾い、思わずネコババし逃走、その途中車にひき逃げされ、道端にゴミのように転がる。母は家に入った強盗に人質にされ、一緒に逃避行、最終的にその犯人に身体を許してしまう。同じ日に3人が、人生を変えるほどの大きな出来事に遭遇しているのに、3人がそれぞれのことを全く知らないという恐ろしさ!特に、父と母は、その日偶然顔を合わせているのだ。しかしお互いの事情を知らない2人は、顔を合わせたことによってさらなる悪いベクトルへと牽引されてしまう。夫は清掃員として働いていることと、ネコババしようとしていることを知られたくなくて、妻の顔を見るなり走り去ってしまう。その時妻は、人質にとられていて、夫に助けて貰いたかったに違いない。しかし全速力で走り去る夫の姿を見て彼女の中で、何かがキレた。彼女はその時良き母、良き妻であることの無意味さを痛感したのだ。

そうしてこの3人は翌日「家に帰って来る」。黙秘して釈放になった次男、強盗に置き去りにされた母、奇跡的に大きな怪我がなかった父は封筒を拾得物BOXに入れて・・・。

私が最も残酷だと感じたのは、その朝3人がそれぞれ何か異変があったことに気付きながら何も聞かずに普通に朝ごはんを食べるところ。それぞれがものすごい一夜を過ごしたのにそれを語り合えない家族の形・・・。あまりにも哀しすぎる現代家族の姿がここにある。この家族はお互いを理解しあって繋がったのではなく、それぞれ個人的に「何か」を得て繋がったのだ(戦地でボランティア活動を続けると決めた長男も含めて)。

それでもこの家族はある種の「再生」を果たす。ラストシーンで次男の弾くドビュッシー『月の光』。スローテンポの導入部分から徐々に高まる旋律は、彼の感情の爆発だ。その調べが美しく感動的であるだけに、今後のこの家族の幸福を願いたい。

2020/07/01

2020/07/01

-点

選択しない 


2008年・日本 / オランダ / 香港・119分/ピックス<カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞>
TOKYO SONATA
■監督:黒沢清●
■脚本:マックス・マニックス,黒沢清,田中幸子たなかさちこ
■撮影:芦澤明子あしざわあきこ
■音楽:橋本和昌はしもとかずまさ
■アスペクト比:アメリカンビスタ(1:1.85)
■ナレーション:
■出演:
香川照之:佐々木竜平
小泉今日子:佐々木恵
小柳友こやなぎゆう:佐々木貴
井之脇海いのわきかい:佐々木健二
井川遥:金子先生
津田寛治:黒須
児嶋一哉:小林先生
役所広司:泥棒

2008年

2019/08/12

65点

映画館/広島県 


現実

佐々木竜平(香川照之)のリストラから始まる。家族の危機の物語。

香川照之はあいかわらず、いい演技をしていた。竜平の妻・恵役のキョンキョンは悪くないんだけど、お母さんには見えず。途中までは、まぁ、ありそうな・・・あるかな?話だったのだけれど。キョンキョンの老けぶりにショック。リアリティを見せたかったのかな。津田寛治もコミカルさがよかった。

役所広司が出てきたあたりから、だんだんありえない話に。

印象に残ったセリフ。恵の「誰か私をひっぱって」確か、劇場予告でも観た記憶が。

ラストの・・・には痺れた。ありえない光景がここでも見られたけど、あまり気にならなかった。「リリイ・シュシュのすべて」を思い出す。