ミリオンダラー・ベイビー

みりおんだらーべいびー|Million Dollar Baby|Million Dollar Baby

ミリオンダラー・ベイビー

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レビューの数

127

平均評点

78.9(1217人)

観たひと

2090

観たいひと

169

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2004
公開年月日 2005/5/28
上映時間 133分
製作会社 マルパソ・プロダクション=ラディ・モーガン・プロダクション
配給 ムービーアイ、松竹
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

実の娘に縁を断たれた初老のトレーナーと、苛酷な境遇の女性ボクサーの間に生まれた絆を描くヒューマン・ドラマ。監督・製作・音楽・主演は「ミスティック・リバー」のクリント・イーストウッド(主演も兼ねた前作は「ブラッド・ワーク」)。製作・脚本はこれが映画デビューとなるポール・ハギス。原作はF・X・トゥールの短編小説。撮影は「ミスティック・リバー」のトム・スターン。美術も「ミスティック・リバー」のヘンリー・バムステッド。編集も「ミスティック・リバー」のジョエル・コックス。共演は「ザ・コア」のヒラリー・スワンク、「ブルース・オールマイティ」のモーガン・フリーマンほか。2005年アカデミー賞4部門(作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞)、同年ゴールデン・グローブ賞2部門(監督賞、ドラマ部門主演女優賞)など多数受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

トレーラー育ちの不遇な人生から抜け出そうと、自分のボクシングの才能を頼りにロサンゼルスにやってきた31歳のマギー(ヒラリー・スワンク)。彼女は、小さなボクシング・ジムを経営する名トレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)に弟子入りを志願するが、女性ボクサーは取らないと主張するフランキーにすげなく追い返される。だがこれが最後のチャンスだと知るマギーは、ウェイトレスの仕事をかけもちしながら、残りの時間をすべて練習に費やしていた。そんな彼女の真剣さに打たれ、ついにトレーナーを引き受けるフランキー。彼の指導のもと、めきめきと腕を上げたマギーは、試合で連覇を重ね、瞬く間にチャンピオンの座を狙うまでに成長。同時に、実娘に何通手紙を出しても送り返されてしまうフランキーと、家族の愛に恵まれないマギーの間には、師弟関係を超えた深い絆が芽生えていく。そしていよいよ、百万ドルのファイトマネーを賭けたタイトル・マッチの日がやってきた。対戦相手は、汚い手を使うことで知られるドイツ人ボクサーの”青い熊“ビリー(ルシア・ライカー)。試合はマギーの優勢で進んだが、ビリーの不意の反則攻撃により倒され、マギーは全身麻痺になってしまう。寝たきりの生活になり、やがて死を願うようになった彼女。フランキーは悩みながらも、マギーの呼吸器を外して安楽死させてやる。それから彼は、長年の友人である雑用係のスクラップ(モーガン・フリーマン)らを残し、自分のジムから姿を消してしまうのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

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巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第7弾 2000年代外国映画ベスト・テン:ベスト16

臨時増刊2月21日号 KINEJUN next vol.01

特集 拳闘×映画 ボクシング映画の魅力:「えびボクサー」「ミリオンダラー・ベイビー」

2005年11月上旬号

DVDコレクション:第219回 「ミリオンダラー・ベイビー」

2005年8月下旬特別号

日本映画紹介/外国映画紹介:ミリオンダラー・ベイビー

2005年6月下旬号

巻頭特集 「ミリオンダラー・ベイビー」:グラビア

巻頭特集 「ミリオンダラー・ベイビー」:クリント・イーストウッド インタビュー

巻頭特集 「ミリオンダラー・ベイビー」:イーストウッドと娘たち

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巻頭特集 「ミリオンダラー・ベイビー」:作品評

巻頭特集 「ミリオンダラー・ベイビー」:イーストウッドの新作

2025/09/24

2025/09/23

75点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


クリント•イーストウッド監督作品

音楽もクリントイーストウッド、何処かで聴いた様な。植物人間ではない、キチンと意識が有る。医者でも無いのに注射を打つ。立派な犯罪だ。華族の何と残酷なこと。もう十分生きたんだ!

2024/01/20

2024/01/22

87点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


過酷な人生に救いはあるのか。。。

トレーナーのフランキーと女子ボクサーマギーの物語。二人とも今の生活に何かしらの問題を抱えている。フランキーは娘との関係だったり育てているボクサーの事だったり。マギーも子供の頃から金銭的に厳しい生活を続けており何とか抜け出したいともがいている。マギーはボクシングで何とか成功するため名トレーナーフランキーにコーチになってもらうよう粘り強くアプローチし、ついに念願叶うが。。。前述の通り二人の生活環境は決して良くなく全体的に暗い雰囲気が漂い、そんな中二人はボクシングを通じて成功への道のりを進み始めるように見えるのにやっぱり問題が見え隠れする。全編を通じて明るい物語ではなく、人生の厳しさをこれでもかという程突きつけてくる。マギーはいじらしく純粋にフランキーを慕い、フランキーもマギーを懸命に育てていく中ボクシングで結果が出てきて二人の心が通い合うのは、作中唯一の心の拠り所のように見える。しかしこの作品の結末は残酷なリアルさをもって迫る。フランキーは作品の前半では教会に通いながらもその態度に真摯さはなかったように見えたが、終盤教会に一人でいる姿、牧師と真剣に語り合う姿は本当に痛々しい。一方マギーに対する家族の態度も悪魔のように冷たい。そして物語の結末を迎えた時、観ている人たちはこの作品をどのように処理して良いのか、苦しさすら感じる。しかしいつでも現実はうまくいくわけではないし、何かしらの判断や行動が求められる。雑用係のスクラップが話す最後の言葉は、それでも人生の中に希望がある事を伝えている。とても物悲しい雰囲気の中、彼の言葉は本当に小さい一筋の光なのだろう。心を強く打たれ引き込まれた。傑作であることに疑いはない。

2023/03/30

84点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


敗者の物語

ネタバレ

ジムの経営は赤字続き、唯一の身内である娘からは縁を切られてしまっている孤独なトレーナーのフランキー。
彼のジムで住み込みの雑用係をしている元ボクサーのスクラップ。
スクラップは有能なボクサーだったが、タイトルに挑戦するのにはまだ早すぎたのか、タイトルマッチで敗れて片眼を失明してしまい、ボクサー人生にピリオドを打たれてしまう。
それでもスクラップは挑戦させてもらったことに感謝していると答える。
その姿を間近で見ていたフランキーは、才能ある選手の挑戦にはとても慎重になっていた。
彼のジムの看板ボクサーでもあるウィリーも実力は申し分ないのだが、フランキーはなかなか彼のタイトル挑戦を承諾しない。
そしてついにタイトルマッチが決まった時に、ウィリーは自分の将来、そして愛する家族を守るためにフランキーの下を去る決意をする。
実はとても愛情深く、選手の将来を考えているのに、言葉足らずで不器用なために損をしてしまうフランキー。
これはハートは熱いが、器用に生きられない者たちの物語。
家族と反りが合わず、ウェイトレスの仕事で客の食べ残しをこっそり包んで持って帰るような貧乏生活を送るマギーは、ある日フランキーを訪ねボクシングの指導を願い出る。
しかし女は教えないとフランキーは彼女の願いを退ける。
それでも諦めない彼女は、彼のジムに入り、誰にも教えられないままサンドバッグを打ち続ける。
ジムの退館時間になっても帰らず練習を続ける彼女を見かねて、スクラップはこっそりフランキーの道具を貸して彼女にアドバイスを送る。
スクラップはフランキーにマギーが会費の半年分を納めていると言うシーンがあるがそれは嘘だろう。
そしてウィリーが去った直後の喪失感を抱えるフランキーも、ついに彼女を受け入れる決心をする。
何だかんだでハートの熱さを持った人間をフランキーは好きなのだろう。
やがてマギーとフランキーの名コンビは華々しい活躍を見せる。
対戦選手が恐れをなして試合を避けるほどの実力を身につけたマギーは、出る試合のほとんどを1ラウンドで決めてしまう。
しかしそれでもフランキーは王者への挑戦に対しては慎重だった。
マギーは手にした賞金で、疎遠になった母親のために家をプレゼントする。
自分はトレーラー暮らしのままなのに。
フランキーは孝行娘だとマギーを褒める。しかし彼女の母親は、生活保護を打ちきられるなどの理由をつけてマギーの行為を責める。
マギーは母親の喜ぶ顔が見られると思ったのに。
家族を見返すためにボクシングを始めた彼女だが、やはり家族に認めてもらいたいという想いが強かったのだろう。
フランキーはマギーの落胆を見て、ついに王者からのオファーを受ける。
背中に「モ・クシュラ」と書かれたガウンをマギーに送るフランキー。
その意味は後半に明かされる。
対戦相手のビリーは卑怯な手を使うことで知られていた。
試合が始まり、正々堂々と戦うマギーに対して、反則技を繰り出すビリー。
それでも試合はマギーに優勢だった。
自分の劣勢にカッとなったビリーは、ゴングが鳴った後なのにも関わらず、背後からマギーにパンチを浴びせる。
受け身を取れないまま倒れたマギーは、病院に搬送され全身麻痺となってしまう。
フランキーは自分がオファーを受けたことで、マギーを絶望の淵に追いやってしまったことを悔やみ、スクラップに八つ当たりをしてしまう。
マギーの母親はなかなか彼女の見舞いにも訪れず、ついに現れたと思ったら財産をすべて自分に預けるように弁護士を連れて彼女に要求する。
もちろんマギーの試合のことなどまったく眼中にない。
マギーは反則を受けたわけで、試合に負けたのではない。
しかし母親にとってマギーは敗者と同じなのだ。
マギーはその場で母親との縁を切る。
そしてフランキーに自分に取り付けられた呼吸器を取り外してくれるように頼む。
フランキーはそれは出来ないと答えるが、苦しむ彼女を見て葛藤する。
教会の神父は決して彼女の要望を答えて、人の道を踏み外してはならないとフランキーを諭す。
スクラップはここで死んでも、マギーは良い人生だったと答えるだろうとフランキーに言う。
そしてついにフランキーは、「モ・クシュラ」に込められた意味を彼女に告げ、彼女への愛のために呼吸器を取り外す。
そしてフランキー自身も姿を消してしまう。
とても後味が悪く、悲しい結末だ。
最初にこの映画をスクリーンで観た時は、ただただ後味の悪さしか感じなかった。
その印象は今も同じだが、この映画に込められたメッセージを色々と考えてみた。
この映画は不器用な者たちの、そして敗者の物語だ。
敗者の美学というものもあるのだろうが、とにかくラストは観ていて辛い。
栄光と絶望は紙一重だ。
ストーリーには大きく絡まないように思えるデンジャーというボクサーの存在が印象的だった。
彼は口だけは達者だが、実力はまったくない。しかしハートは熱い。
フランキーは彼を無視しているが、スクラップは彼を目にかけていた。
そんなある日デンジャーはジムの連中にボコボコにされる。
誰だって人生一度は負ける、そう声をかけるスクラップだが、デンジャーはその日から姿を消してしまう。
しかし最後にまたデンジャーはジムに戻ってくる。
それがこの映画の唯一の希望だが、新たな絶望の始まりかもしれない。
そしてこの映画はスクラップのモノローグに始まり、スクラップのモノローグに終わる。
彼が語りかける相手は最後に分かるのだが、このスクラップという語り手の存在がとても大きな意味を持っているように感じた。
マギーの母親がマギーの試合も見ずに敗者だと決めつけてしまったように、おそらく誰も敗者の物語など知りたくもないだろう。
しかし敗者にも立派な物語がある。
フランキーが、マギーがどのように生きたか、それを観客にしっかりと伝えるのがスクラップの役目だ。
そして実際に世の中には熱いハートを持ち、愛情に溢れていながら、辛い人生を送っている人たちがいる。
そして卑怯な手を使ってのうのうと生きている者も。
フランキーの心がいつか救われる日が来ることを願わずにはいられない。
そしてマギーの魂があの世で救われることも。

2023/03/27

2023/03/28

83点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 
字幕


老トレーナーと女子ボクサーの信頼

どうしてもこのトレーナーに教えを乞いたい女子ボクサーが、彼のジムを訪れる。偏屈な爺さんが、次第に心を開き、なところはよくある話。
中盤から後にかけて、2人の抱えているものや、ジムの友人、周りの人々など気になることが増えていき、後はラストに向かって。
2人の考えを支持したくなった。

2023/01/27

2023/01/27

85点

その他/BShi録画 
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やっぱり モ・クシュラ

1月25日放送のNHK「世界サブカルチャー史 欲望の系譜(14)」を見て、本作品が取り上げられていたので、BSHの録画をまた見てしまった。
マギー(ヒラリー・スワンク)の生まれた世界はサブカルチャー。
彼女自身は二度もアカデミー賞を受賞しているが、マギーと同様に幼いころはトレーラー・ハウスに住んでいたとか。
精一杯に生きた人生でした。
何度見てもいいですね。

2022/12/04

2022/12/05

-点

選択しない 


前半のテーマ:ボクシングを通じた成長
後半のテーマ:尊厳死

前半で出てきたセリフが後半で違う意味を持ってまた出てきたりする。めちゃくちゃ良くできたストーリー。