風が鳴る.雨の音が聞こえている.ヘリの音も聞こえ,金属が絡んだ不快な音がどこかで鳴っている.見えているものといえば,パソコンのモニターを映した画像がノイズがかって挿入され,テレビ放送にもノイズが入っている.そのノイズや音が「幽霊」かと聞かれるとよく分からなくなってしまう.
「何かが起こっている」と言う.ガラス張りの温室のような建物が見えている.新宿のビルの光景も目にされる.ぶつぶつ言いながらパソコンをインターネットに繋げようとしている男,川島(加藤晴彦)がおり,モデムからは回線に繋げようとという音が聞こえ,モニターに幾つかの孤独な生活が映し出されている.他にも見ている者がいて,ミチ(麻生久美子)という女である.バスに乗ると団地へ着く.そのバスは黄色だっただろうか.地下鉄が男女をどこかに連れて行く.黄色い車にはミチと川島が乗り,ミチが運転をしている.黄色いボートまで走らせて,ラストでは客船に女と男が乗っている.
まず,田口君(水橋研二) がビニールカーテンの向こうに影のように立って見えている.誰もが暗い顔をしているようにも感じる.田口の影はまだそこにある.続いて矢部君(松尾政寿)が巻き込まれ,順子(有坂来瞳)も連れられていき,「助けて」と言っている .白いカーテンが風に揺れている.埃のように影が欠片になって舞っている.玄関ドアを始め扉には赤い養生テープで目張りがされるがそれは血がどこからか溢れ出したような効果もあるのだろうか.
「幽霊に会いたいですか」と問われる.曇りガラスは開かれており,ミチの母(風吹ジュン)が部屋の中に見えている.繋がらない,何もしない,捕まえる,そして連絡先には繋がらないし,望まない先から画像や音声が送られてくる.また,図書館では迷う.吉崎(武田真治)が単純な装置により回路が開かれるなどと解説をしている. 唐沢(小雪)という女性も現れ,消えていこうとする.ゲームセンターでは光が明滅もし,影も濃く,無機的な音も聞こえてくる.音の間から悲鳴も聞こえる.
潰れた工場でドラム缶からポリタンクへガソリンが移し替えられる.人気のない街路に黒い煙が見えている.黄色い車の窓からはさざなみが立っているのが見えている.