昭和刑事物語 俺にまかせろ

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昭和刑事物語 俺にまかせろ

レビューの数

6

平均評点

58.5(21人)

観たひと

31

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0

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1958
公開年月日 1958/6/8
上映時間 64分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督日高繁明 
脚色須崎勝弥 
原作樫原一郎 
製作宇佐美仁 
撮影小泉福造 
美術小川一夫 
音楽池野成 
録音西川善男 
照明大沼正喜 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演宮口精二 栗原刑事
佐藤允 栗原英一部長刑事
山田彰 市村刑事
土屋詩朗 北村署長
岡部正 立石主任
伊藤久哉 浦上常一
熊谷二良 黒崎
松本光男 中島
大友伸 香三春
高木弘 ビショップの謙
桐野洋雄 ボテ安
宇野晃司 パレ辰
浅田美恵子 マリ
園田あゆみ 由加利
中丸忠雄 玉井五郎
有島一郎 弥助
立花暎子 おすみ
音羽久米子 栗原まさ代
若林映子 栗原潤子
山本廉 
野口ふみえ 百合子
中山豊 タクシーの運ちゃん
上野明美 女店員A
香川悠子 女店員B

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

小説公園連載、樫原一郎の『昭和刑事物語』から、「一丁目一番地」の須崎勝弥が脚色、「恐怖の弾痕」の日高繁明が監督、小泉福造が撮影したサスペンスドラマ。佐藤允、宮口精二、伊藤久弥、有島一郎の異色キャストに、新人浅田美恵子らが出演している。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

銀座裏の小ビルの四階にある銀星商事で事件が起きた。社員の中島がビル荒しの男を格闘の末殴り殺してしまったというのだ。殺された男の身許は全く判らなかった。手首に黒アザがあり、上着には女の髪の毛が一本附着していた。その所持品は拍来ものばかりで、密航者らしくも思われた。銀星商事の社長黒崎は正当防衛で釈放される中島を引きとりに来たが、北村署長はかねてからクサイ黒崎の芝居ではないかと考えた。栗原刑事の息子英一が栄転してきて彼の顔を知られていないのを幸い、密かに彼に事件担当を命じた。英一は大学のときの親友玉井の店で与太者ふうに化け、街へ消えた。ベアーと名乗ることにした。黒崎一味は英一の顔を知ろうと手を尽し、ついに英一は父と偶然に会って話している場面を写真にとられた。署長は英一の調査を打ち切らせようとしたが、英一は危険を承知で続けた。ある夜、英一は五郎と共にその馴染み由加利のいるナイトクラブへ行き、由加利の友マリと知り合った。偶然、マリは手首にアザのある男のことを言った。彼女の髪を調べると、例の髪の毛と同一だった。英一はマリに惚れたふりをして近づき、もっと男のことを知ろうとした。柳という外国人らしいのだが。マリは英一にだんだん惹かれ、やっとすべてを打ち明ける。英一の見込どおり黒崎一味が麻薬密売のいざこざから柳を殺したのだ。彼女は五月十五日の早朝、横浜沖で船から密輸品が落されると告げ、二人で一仕事しようと持ちかけた。その当日英一の活躍で、密輸団は全員検挙された。栗原刑事から英一は伜で部長刑事だと聞かされ、マリは裏切られたと泣きくずれた。意気揚々と引き挙げてきた英一は、マリがアパートで自殺したと聞いて悄然とした。“それでも私はベアーが好き”とマリはルージュで三面鏡に書き残していた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1958年9月上旬号

日本映画批評:昭和刑事物語 俺にまかせろ

2019/10/27

2019/10/31

50点

映画館/東京都/新文芸坐 


ベテラン刑事・宮口精二の息子が佐藤允

樫原一郎の「昭和刑事物語」の映画化なので副題がついているが、映画では「俺に任せろ」のタイトルしか出ない。ベテラン刑事宮口精二の息子佐藤允が部長刑事として同じ警察署に着任し、反目しながらも麻薬組織の撲滅を果たすという、昭和の時代のベタな刑事映画。佐藤允の妹役に若林映子。【昭和の刑事(デカ)が見た風景:併映「闇を裂く一発」→佐藤允の2本立て】

2019/10/22

2019/10/23

-点

映画館/東京都/新文芸坐 

『俺にまかせろ』。タイトルの出し方が抜群にカッコいい。掴みはOK。前半は渋谷付近が舞台。渋谷警察署から見た駅前の様子や道玄坂小路の上り階段(現・台湾料理麗郷の角)が写る。中丸忠雄のカメラ屋から見える高架のホームは何駅だろうか。30年のベテラン刑事(宮口精二)のトロさに笑っちゃう。

2019/01/25

2019/06/27

45点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


主演第1作である佐藤允のイキイキした魅力

シネマヴェーラ渋谷のニッポンノワール特集「俺にまかせろ」は、ラピュタ阿佐ヶ谷で2013年8月に観たことがある映画ながら、ほとんど覚えていませんでしたが、正当防衛で釈放された男が怪しいと佐藤允が潜入捜査する話が、いつの間にか麻薬団の摘発の話に刷り代わり、その麻薬団の何を掴もうとするのかも良くわからぬ変な脚本です。
「俺にまかせろ」は、殺された男・山本廉の恋人だった浅田美恵子に刑事としての素性を隠した佐藤允が接近し、山本の背後を探るうちに浅田と佐藤が恋仲になる話や、新任部長刑事の佐藤允と古いタイプの刑事である佐藤の父親・宮口精二との対比などが、捜査の話以上に映画の中心を構成しますが、バランスが悪いので、取り散らかって見えてしまうという欠点を持っています。
原作のせいなのか、脚本の須崎勝弥のせいなのか、監督日高繁明のせいなのか、とにかくお話のまとまりを欠いていますが、これが主演第1作である佐藤允のイキイキした魅力が映画をなんとか救っており、彼の芝居を観ているだけで画面を追うモティヴェーションは保てるのでした。

2019/01/19

2019/01/21

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『俺にまかせろ』。プロローグで刑事(宮口精二)が電話で「何っ、現場は触っちゃいかん」→タイトル「俺にまかせろ」。カッコいいぞ。宮口精二は刑事なのに人がいい。雑誌記者(伊藤久哉)に何でも話しちゃう。中丸忠雄のカメラ店近くの高架駅はどこだろう。東急5000系っぽい車両が写る。

2016/02/19

2016/02/19

60点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


おやこ刑事

ネタバレ

スカパーで放映されたものをヴィデオ録画して観た。

血気はやる息子の佐藤允刑事を父親の宮口清二がベテランの腕でサポートするという話かと思ったら、宮口は敵の一味と知らずに息子の情報を教えたりすると失敗をする。

かえって息子の捜査の足を引っ張るということをしてしまうし、更生した元スリに命を助けられるで、いいところなしというのは古い映画ながら、新鮮な感じ。だけど、良いところがないんじゃ、宮口清二は気の毒。

結局、血気はやる佐藤の捜査で密輸団を一網打尽。だが、捜査していく段階で、密輸団の事情に詳しい浅田恵美子が、佐藤を刑事と知って前の男同様に裏切られた衝撃を受けるが、彼を愛したがゆえに自殺をするというアンハッピーエンドは、意外にも余韻を残すものとなった。

2013/08/19

2014/07/09

35点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


画面作りは悪くないが…

ラピュタの佐藤允追悼特集で観た佐藤の初主演作「俺にまかせろ」は、友人が“父親の万年ベテラン刑事宮口精二がいる署に配属になったエリート新人デカ長の佐藤允が、密輸団の命を受けて殺人を犯した男の偽装正当防衛を暴く話。息子は父の古いやり方に批判的で、父は昔ながらのやり方で足を引っ張る構図。短い尺なので解決までの展開は簡単な流れ。この時代のアクション物に共通するものがあるけど、ノワール物として夜間シーンやロケーションは良いけど、アクション描写がイマイチな気がする。”とツイッターで呟いている通り。
わたくしも“日高繁明の映画は3作目に過ぎないので偉そうなことは言えませんが、この中篇に関する限りは、室内やナイトシーンにおける光線処理など、画面作りには確かな腕前を感じさせるものの、物語を整然と簡潔に語る腕前や、アクションをきちんと画面にする腕前には、疑問符が付くといったところでしょうか”と呟き。