七人の侍

しちにんのさむらい|Seven Samurai|Seven Samurai

七人の侍

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レビューの数

265

平均評点

85.9(1751人)

観たひと

2354

観たいひと

355

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇 / アクション
製作国 日本
製作年 1954
公開年月日 1954/4/26
上映時間 207分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督黒澤明 
脚本黒澤明 
橋本忍 
小国英雄 
製作本木莊二郎 
撮影中井朝一 
撮影助手斎藤孝雄 
美術松山崇 
美術助手村木与四郎 
美術監修前田青邨 
江崎孝坪 
美術小道具浜村幸一 
音楽早坂文雄 
録音矢野口文雄 
録音助手上原正直 
音響効果三縄一郎 
照明森茂 
照明助手金子光男 
編集岩下広一 
衣裳山口美江子(京都衣裳) 
結髪中条みどり 
粧髪山田順次郎 
演技事務中根敏雄 
製作担当根津博 
製作係島田武治 
監督助手チーフ堀川弘通 
助監督清水勝弥 
広沢栄 
田実泰良 
金子敏 
記録野上照代 
スチル副田正男 
剣術指導杉野嘉男(日本古武道振興会) 
流鏑馬指導金子家教(二本弓馬会範士) 
遠藤茂(二本弓馬会範士) 
経理浜田祐示 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演志村喬 勘兵衛
稲葉義男 五郎兵衛
宮口精二 久蔵
千秋実 平八
加東大介 七郎次
木村功 勝四郎
三船敏郎 菊千代
高堂国典 儀作
左卜全 与作
小杉義男 茂助
藤原釜足 万造
土屋嘉男 利吉
島崎雪子 利吉女房
榊田敬治 伍作
津島恵子 志乃
三好栄子 久右衛門の妻
熊谷二良 儀作の息子
登山晴子 儀作の息子の嫁
清水元 蹴飛ばす浪人
多々良純 人足
渡辺篤 饅頭売
上山草人 琵琶法師
小川虎之助 祖父
安芸津融 亭主
千石規子 女房
千葉一郎 僧侶
東野英治郎 盗人
田崎潤 大兵の侍
上田吉二郎 斥候A
谷晃 斥候B
高原駿雄 鉄砲の野武士
山形勲 鉄扇の浪人
大村千吉 逃亡する野武士
成田孝 逃亡する野武士
仲代達矢 街を歩く浪人(クレジット無し)

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「生きる」に次ぐ黒澤明監督作品。本木莊二郎の製作になり、「生きる」のトリオ橋本忍(「花と龍 第一部」)、小国英雄(「美しき鷹」)、黒澤明(「吹けよ春風」)が協力してシナリオを書き、「プーサン」の中井朝一が撮影を担当している。音楽は「広場の孤独」の早坂文雄である。出演者は「太平洋の鷲」の三船敏郎、志村喬、「美しき鷹」の津島恵子、田崎潤「日の果て」の木村功、「求婚三人娘」の多々良純、「花と竜 第一部」「花と竜 第二部」の島崎雪子、千石規子、「秩父水滸伝」の高堂国典などのほか、俳優座の東野栄治郎、土屋嘉男など新劇人が出演している。前半107分・(休憩5分)・後半95分。後に海外向けに短縮版も黒澤監督本人により作られた。ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞、1954年度キネマ旬報ベスト・テン3位。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

麦の刈入れが終る頃、野伏せりがやって来る。去年襲われた村人は恐怖におののいた。闘っても勝目はないし、負ければ村中皆殺しだ。村を守るには侍を傭うことだ、長老儀作の決断によって茂助、利吉等は侍探しに出発した。智勇を備えた歴戦の古豪勘兵衛の協力で五郎兵衛、久蔵、平八、七郎次、勝四郎が選ばれた。菊千代は家族を野武士に皆殺しにされた百姓の孤児で野性そのままの男である。村人は特に不安を感じていたが、菊千代の行動によってだんだん理解が生れていった。村の防衛体勢は整えられ戦闘訓練が始った。刈入れが終ると野武士の襲撃が始り、物見の三人を久蔵、菊千代が倒した。利吉の案内で久蔵、菊千代、平八が夜討を決行し火をかけた。山塞には野武士に奪われた利吉の恋女房が居た。彼女は利吉の顔を見ると泣声をあげて燃える火の中に身を投じた。この夜敵十人を斬ったが、平八は種カ島に倒れた。夜が明けると野武士は村を襲って来た。侍を中心に百姓も鍬や丸太を持って村を死守した。美しい村の娘志乃は男装をさせられていたが、勝四郎にその秘密を知られ二人の間には恋が芽生えた。決戦の前夜、志乃は勝四郎を納屋に誘い二人の体はもつれ合って藁の中へ倒れた。翌朝、十三騎に減った野武士の一団が雨の中を村になだれこんだ。斬り込んだ侍達と百姓達は死物狂いで闘い、久蔵、五郎兵衛が倒れた。怒りに燃えた菊千代は最後の一人を屋根に追いつめたが、敵の弾をうけ、差しちがえて討死した。野武士は全滅した。しかし百姓も数人倒れ、七人の侍の中四人が死んだ。新しい土鰻頭の前に立った勘兵衛、七郎次、勝四郎は、六月の爽やかな風の中で働いている百姓達を静かに眺めた。志乃も何かを振り捨てるように大声で田植唄をうたっていた。「勝ったのはあの百姓達だ。わし達ではない。」田の面をみながら勘兵衛がつぶやいた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2016年10月下旬号

製作レポート「七人の侍」4Kデジタルリマスター版:

2000年4月下旬号

企画特集 華麗なるフィギュアの世界へ!:「七人の侍」がフィギュアで登場!

1998年臨時増刊 黒澤明と木下惠介

文献再現・若き日の黒澤明、木下恵介:志村喬x三船敏郎x加東大介x木村功x千秋実x宮口精二x稲葉義男x黒澤明 馬と暗闇と鮒「七人の侍」伊豆の一日

1997年臨時増刊 天晴れ!時代劇

時代劇探究:さいとう・たかをインタビュー あくまでも「七人の侍」と「用心棒」の黒澤ファンなのです

1997年臨時増刊 宮崎駿と「もののけ姫」とスタジオジブリ

評論 宮崎駿と黒澤明:「もののけ姫」は「七人の侍」を越えられたのか

1991年11月上旬号

グラビア《Coming Attractions》(新作紹介):七人の侍

特集 七人の侍:対談 かわぐちかいじ×西脇英夫

特集 七人の侍:作品評

特集 七人の侍:公開当時の批評を読む

特集 七人の侍:サントラ・ガイド

1983年11月上旬号

特別企画 [黒澤明の全貌]によせて 第1回 私の黒澤映画:「七人の侍」

1978年11月下旬号

新譜紹介「七人の侍」「羅生門」:早坂文雄の世界を純粋に知覚できる新しいレコード

1975年10月上旬秋の特別号

グラビア:還ってきた名作 黒澤明監督 「七人の侍」

特集 「七人の侍」:1 時代劇映画の系譜にみる「七人の侍」の特異性

特集 「七人の侍」:2 「七人の侍」の黒澤明の映像主義を支えるもの

特集 「七人の侍」:3 黒澤映画は私の青春に差し込んだ陽差し

特集 「七人の侍」:4 「七人の侍」が我々に残した教訓とは?

特集 「七人の侍」:シナリオ

1971年5月上旬号

DISK 新譜紹介:七人の侍

1961年5月下旬号

「荒野の七人」と「七人の侍」:西部劇と東洋哲学について

1960年6月上旬号

旬報万年筆:「七人の侍」のアメリカ版

1954年6月下旬号

日本映画批評:七人の侍

1954年5月下旬号

黒沢明の意図と「七人の侍」の矛盾:

「七人の侍」と「君の名は・第3部」決戦記:

1954年4月下旬号

“七人の侍”最後の撮影を見る:

1954年4月上旬春の特別号

新作グラフィック:七人の侍

1954年3月上旬号

日本映画紹介:七人の侍

1954年新年特別号

日本映画スチール・コンクール参加作品:七人の侍

1953年8月下旬号

グラフィック:七人の侍

1953年8月上旬号

撮影所訪問:心頭を滅して、火なお涼しからず(七人の侍)

撮影所訪問:心頭を滅して、火なお涼しからず(七人の侍)

2024/06/04

2024/06/04

100点

その他/CATV録画分 


世界のトップ1

久しぶりに観ると、ストーリーは意外とシンプルに見える。
考えれば考えるほどさらっとしたような軽さを覚えるが、そこに白黒、古さ、音楽、雨、菊千代の暴れ馬、広大な村の計画図、馬、などなどが巧みに操られ、大作感が溢れ出る。尺3時間半の長さでも、全てが十分に整えられていて必要な要素の数々であった。カットは誰もしなかった。そのような裏側を感じ取る。

2024/02/22

2024/02/24

90点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


言うことなし。でも、言いたいことはたくさん

どの役者さんも演出もいいですね。志村喬のような大人になりたかったな。

2024/02/05

2024/02/05

100点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


また観た

もう何度目だろう。機会があれば観ている。七人の侍、百姓たちのキャラがしっかり描かれていて飽きない。ラストの雨の中の戦いは目を離せない。

2024/02/04

2024/02/04

70点

選択しない 


この飯、おろそかには喰わぬぞ

恥ずかしながら本作は未見だったのでした。

「荒野の七人」を先に観ており、そちらが大好きなのでちょっと不安だったのですが、3時間半楽しめたのでよかったです。

カムイ伝の実写版だと思って見ても結構違和感無かったです。本作(戦国時代)もカムイ伝(江戸時代)も農民は酷い目にあっていたのだな、と嘆息。

ラストで百姓の娘が侍に未練を残さずさっさと田植えに戻るところがカッコよくて切ない。「荒野の七人」の類似エピソードとのコントラストが光ります。

2024/02/03

2024/02/04

100点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


いつ観ても、何度観ても素晴らしい。あまりにも有名な黒澤映画というよりも日本映画を代表する傑作の一本。海外の監督への影響も多大なものがあり、ハリウッドでリメイクされた「荒野の七人」も西部劇の名作になったオリジナル。
主役である七人の武士の人物設定、描写もさることながら、百姓の面々も細かく描いているところはさすが。そしてラストのこれも伝説的な雨中での戦闘シーンの迫力といい、現在のようにCGも特撮もない時代に役者、スタッフはさぞ大変だったろうと思うが、本物の凄味というのはこういう映像を言うのだろう。
スピルバーグ監督が自分の映画を撮る前に必ずこの映画を観るというのも頷ける。

2023/11/25

100点

選択しない 


今回の発見 赤子をさらった立て籠もりが後の黄門様か

世界的にも評価の高い超名作。 日本人としてとても誇らしいです。 とにかく見るたびに新しい発見があります。 

黒澤明の完璧主義には、背景が書割りやハリボテでも良い映画になればイイじゃねえか、なぁんて思ってた時期がありましたが、本作を見直すとやっぱり厚みが桁違いですね。 
勘兵衛が地図を片手に見て回る農村の道々や橋はどう見ても生活道だし、侍探しでの町家の家々などもおそらく実際通りに建てたものでしょう。 例えカメラが裏手に回ってもやっぱり古びた木造家が映るはず。 実は単管パイプが入ってました、なんてアラは映らない。 強固な画創りでどんなに役者の個性が出ても演者が百姓や侍に見えないシーンは一切ありません。

粒ぞろいの出演陣は、これを背景に充実の芝居を魅せます。 
どこかで三舩敏郎の演技が下手なんて書かれているのを見かけましたが、とんでもない話です。 粗暴、だけど性根に良さが伺える、百姓の孤児だった出自故に勘兵衛に求めたものがある。
余人をもって代え難いキャスティングです。 
宮口精二も凄いですね。 時代劇の出演歴が無い上での起用ですが、前半の果し合いの場面では、正眼に構えた刀は微動もせず、次に脇構えへ持っていく静かな一連の動作。 
殺陣の修練とかじゃなく演技力で達人を表現しています。 

勝四郎の木村功は三十路を超えていたそうですが、この人も若輩や稚気を演技で表現して役に血肉を与えています。 今ならそのまんま20代の役者を起用することでしょう。 
彼は志乃に握り飯を食べろと差し出します。 
百姓の様に粟や稗を食べようとしたが無理だった、だから同じものを食べて欲しい、同じ価値観を持ち合いたい。 これは立派なデートなのだ。 
これを受けて志乃は婆さまに食べさせてやりたいと言う。 
もうね、なんて清い交際なんだろうと思いましたね。 

二人は一夜の契りをするので、そのまま結ばれて一緒に帰郷したら良いのに、とも思いますが、当時も映画が作られた頃でも息子は跡取り、と言う風潮でしたし、まして身分が違う。 
黒沢監督もそんな事はいちいち説明しない。 
志乃は早々と百姓の娘に戻り、勝四郎はまだ引きずっている。 
勘兵衛が負け戦だったと言うのもむべなるかな、です。
サブストーリーだけ追っても一級品でした。