山崎努(佐八)のエピソードの部分、セリフが聞き取れないので・・・
ネタバレ
養生所の病棟に入院していた佐八(山崎努)が倒れる。佐八は何度赤ひげ(三船敏郎)に注意されても、無理をして金を稼ぎ、その金を貧困層の仲間のために使っていた。みんなは佐八を神か仏の生まれ変わりのような奴だと慕っており、佐八の容体を心配する。佐八は自分の死期を悟り、死ぬ前に住まいの長屋へ連れて行って欲しいと保本(加山雄三)に頼む。
その夜はひどい雨で、長屋の裏山が崩れる。すると泥の中から骸骨が出てくる。佐八は集まった長屋の住人や保本に、“あれは私が埋めた私の女房だ”と言って、自分の過去を語り始める。
昔、佐八はおなか(桑野みゆき)という奉公女中と恋に落ち、彼女を口説き落として結婚した。おなかは自分の家族に佐八を会わせようとはしなかったが、2人の結婚生活は夢のように幸せだった。ところが、江戸に巨大地震が起こり、おなかが行方不明になってしまう。佐八は方々を訪ね歩いておなかを捜すが、おなかの行方はわからなかった。
2年が過ぎた頃、佐八は浅草で、赤ん坊をおぶったおなかと再会する。佐八は深い事情は聞かず、胸をえぐられるような気持ちでおなかと別れる。しかしそれからしばらくして、おなかの方から佐八を訪ねてくる。おなかには故郷に親の決めた許婚がいたが、佐八と結婚するために親に歯向かってその男と別れていた。佐八と結ばれ、おなかもバチが当たるのではないかと恐怖を感じるほど幸せだった。だからあの地震を天のお告げと考えてしまう。おなかは故郷の許嫁と一緒になり、腑抜けのようになっていたが、佐八と再会して本当の自分を取り戻す。そしておなかは、佐八に抱かれて自害してしまう。佐八は長屋の裏におなかを埋め、おなかの供養と償いのため、人に尽くしてきた。
過去を話し終えた佐八は、“おなか、綺麗だよ”と言って両手を高々と広げ、そのまま息を引き取る。