赤ひげ

あかひげ|Red Beard|Red Beard

赤ひげ

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レビューの数

114

平均評点

84.8(583人)

観たひと

891

観たいひと

96

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 文芸 / 時代劇
製作国 日本
製作年 1965
公開年月日 1965/4/3
上映時間 185分
製作会社 東宝=黒沢プロダクション
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 4chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督黒澤明 
脚色井手雅人 
小国英雄 
菊島隆三 
黒澤明 
原作山本周五郎 
製作田中友幸 
菊島隆三 
撮影中井朝一 
斎藤孝雄 
美術村木与四郎 
小道具野島秋雄 
音楽佐藤勝 
録音渡会伸 
整音下永尚 
音響効果三縄一郎 
照明森弘充 
編集黒澤明 
衣裳鮫島喜子 
製作担当者根津博 
助監督森谷司郎 
記録野上照代 
スチル副田正男 
撮影助手原一民 
編集助手兼子玲子 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演三船敏郎 新出去定(赤ひげ)
加山雄三 保本登
土屋嘉男 森半太夫
江原達怡 津川玄三
三戸部スエ おたけ
七尾伶子 おとく
野村昭子 おふく
辻伊万里 おかち
小川安三 竹造
団令子 お杉
香川京子 狂女
藤原釜足 六助
根岸明美 おくに
山崎努 佐八
桑野みゆき おなか
東野英治郎 五平次
中村美代子 おこと
三井弘次 平吉
千葉信男 松平壱岐
西村晃 家老
志村喬 和泉家徳兵衛
大木正司 地廻り
広瀬正一 地廻り
常田富士男 地廻り
山口博義 地廻り
古諸州 地廻り
荒木道子 娼家の女主人
杉村春子 娼家の女主人
深井聰子 娼婦
柳下悠紀子 娼婦
青木千里 娼婦
栗栖京子 娼婦
二木てるみ おとよ
頭師佳孝 長次
大久保正信 長次の父
菅井きん 長次の母
柳永二郎 利兵衛
藤山陽子 ちぐさ
内藤洋子 まさえ
三津田健 まさえの父
風見章子 まさえの母
笠智衆 登の父
田中絹代 登の母
富田恵子 道の女
沢村いき雄 むじな長屋の住人
佐田豊 むじな長屋の住人
小林十九二 むじな長屋の住人
本間文子 むじな長屋の住人
出雲八重子 むじな長屋の住人
宮田芳子 むじな長屋の住人
堤康久 むじな長屋の住人
左卜全 入所患者
渡辺篤 入所患者
池田生二 入所患者
宇野晃司 入所患者
鈴木和夫 入所患者

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

山本周五郎原作“赤ひげ診療譚”より「天国と地獄」でコンビの井手雅人、小国英雄、菊島隆三、黒澤明が共同で脚色、黒澤明が監督した文芸もの。撮影もコンビの中井朝一と斎藤孝雄。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

医員見習として小石川養生所へ住み込んだ保本登は、出世を夢みて、長崎に遊学したその志が、古びて、貧乏の匂いがたちこめるこの養生所で、ついえていくのを、不満やるかたない思いで、過していた。赤っぽいひげが荒々しく生えた所長新出去定が精悍で厳しい面持で、「お前は今日からここに詰める」といった一言で、登の運命が決まった。人の心を見抜くような赤ひげの目に反撥する登はこの養生所の禁をすべて破って、養生所を出されることを頼みとしていた。薬草園の中にある座敷牢にいる美しい狂女は、赤ひげのみたてで先天性狂的躰質ということであった。登は、赤ひげのみたてが誤診であることを指摘したが、禁を侵して足しげく通った結果登は、赤ひげのみたてが正しかったことを知った。毎日、貧乏人と接し、黙々と医術をほどこす赤ひげは、和蘭陀医学を学ばなければ解る筈のない大機里爾という言葉を使って、登に目をみはらせた。赤ひげは「病気の原因は社会の貧困と無知から来るものでこれに治療法はない」といつも口にしていた。こんな中で登は、貧しく死んでゆく人々の平凡な顔の中に、人生の不幸を耐えた美しさを見るようになった。登が赤ひげに共鳴して初めてお仕着せを着た日赤ひげは登を連れて岡場所に来た。そして幼い身体で客商売を強いられるおとよを助けた。人を信じることを知らない薄幸なおとよが登の最初の患者であった。長崎帰りをひけらかし、遊学中に裏切ったちぐさを責めた自分に嫌悪を感じた登は、おとよの看病に必死となった。やがておとよは、登に対しても他人に対してもあふれる愛情を示し始めた。そしてふとした盗みでおとよに救け出された長次とおとよの間に、幼い恋が芽生えた頃、登はちぐさの妹まさえと結婚の約束を取り交した。そして、名誉にも金にも縁遠くなっても、一生この養生所で、医術にいそしむことを誓った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年1月上旬特別号

野上照代に訊く黒澤映画「赤ひげ」後篇:インタビュー 野上照代

2018年12月下旬号

野上照代に訊く黒澤映画「赤ひげ」前篇:インタビュー 野上照代

1983年11月上旬号

特別企画 [黒澤明の全貌]によせて 第1回 私の黒澤映画:「赤ひげ」

1965年6月下旬号

日本映画批評:赤ひげ

1965年5月上旬号

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:激烈から温和へ・黒沢芸術の転換

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:圧倒する黒沢「映画表現」の重量

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:黒沢明における巨匠の条件

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:不退転・黒沢明の気魄に快哉

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:「赤ひげ」の構成と黒沢の精神構造

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:黒沢-青年アレルギー症の決算

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:「赤ひげ」撮影日誌抄

1965年4月下旬号

巻頭グラビア 「赤ひげ」完成:

日本映画紹介:赤ひげ

原作寸描:「赤ひげ」

2024/03/16

100点

選択しない 


井戸のシーン

誰か教えて。
井戸のシーンってどうやって撮ったの?
井戸の上から下へとカメラが写していくんだけど井戸の水面に映った女性たちのところまでワンショット。
当然カメラが映り込むはずなのに。
編集の技術なの?

ちなみに映画は黒澤作品の最高傑作の一つ。
だったら最高じゃねーじゃんとか言わないでね。
「七人の侍」「生きる」「用心棒」「椿三十郎」「赤ひげ」全部最高傑作です。

2023/12/29

2023/12/29

95点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


流石黒澤明作品

3時間、中身が濃い。BSの録り貯を連日黒澤明作品をノーマル速度で鑑賞(大半早送り、でなければ大量の録り貯めを消化出来ない)それに相応しい映画でした。もう見ることはないかもしれない。高校時代、この映画をちゃんと見れたのだろうか?リアルタイムで小津や黒澤の晩年の作品を見れたことは幸せでした‼️

2022/10/18

2022/10/19

95点

VOD/U-NEXT 


20年弱振りに再見。初見時より響く。こんなにも笑えたかという、絶妙なユーモアバランスと佐藤勝の音楽に快哉を叫ぶ。しかし名優陣の使い方の贅沢なこと!藤原釜足など寝て唸ってるだけだが強烈な印象。そりゃヴェネチアも赤ひげ三船には再び賞をあげるよな。いつまでも余韻に浸っていたい。

2000年代

2022/05/10

100点

その他 


山崎努(佐八)のエピソードの部分、セリフが聞き取れないので・・・

ネタバレ

養生所の病棟に入院していた佐八(山崎努)が倒れる。佐八は何度赤ひげ(三船敏郎)に注意されても、無理をして金を稼ぎ、その金を貧困層の仲間のために使っていた。みんなは佐八を神か仏の生まれ変わりのような奴だと慕っており、佐八の容体を心配する。佐八は自分の死期を悟り、死ぬ前に住まいの長屋へ連れて行って欲しいと保本(加山雄三)に頼む。

その夜はひどい雨で、長屋の裏山が崩れる。すると泥の中から骸骨が出てくる。佐八は集まった長屋の住人や保本に、“あれは私が埋めた私の女房だ”と言って、自分の過去を語り始める。

昔、佐八はおなか(桑野みゆき)という奉公女中と恋に落ち、彼女を口説き落として結婚した。おなかは自分の家族に佐八を会わせようとはしなかったが、2人の結婚生活は夢のように幸せだった。ところが、江戸に巨大地震が起こり、おなかが行方不明になってしまう。佐八は方々を訪ね歩いておなかを捜すが、おなかの行方はわからなかった。

2年が過ぎた頃、佐八は浅草で、赤ん坊をおぶったおなかと再会する。佐八は深い事情は聞かず、胸をえぐられるような気持ちでおなかと別れる。しかしそれからしばらくして、おなかの方から佐八を訪ねてくる。おなかには故郷に親の決めた許婚がいたが、佐八と結婚するために親に歯向かってその男と別れていた。佐八と結ばれ、おなかもバチが当たるのではないかと恐怖を感じるほど幸せだった。だからあの地震を天のお告げと考えてしまう。おなかは故郷の許嫁と一緒になり、腑抜けのようになっていたが、佐八と再会して本当の自分を取り戻す。そしておなかは、佐八に抱かれて自害してしまう。佐八は長屋の裏におなかを埋め、おなかの供養と償いのため、人に尽くしてきた。

過去を話し終えた佐八は、“おなか、綺麗だよ”と言って両手を高々と広げ、そのまま息を引き取る。

2022/03/15

2022/03/20

85点

選択しない 


堂々たる作品

三時間の長尺だが、見応えがあり一気に観れるのが良い。
とにかくセット、美術、撮影、キャストなど全てが一級品で堂々たる作品。
ドラマも爽やかな好編で人間愛に溢れている。観終わった後味の良さも魅力だ。ただ、その分かり易い紋切り型のヒューマニズムに浅さを感じたりもするのだが。
 赤ひげの三船敏郎の演技も良かったが、彼に次第に心酔していく加山雄三が好演だったと思う。

2022/02/17

2022/02/18

100点

レンタル/愛媛県/ゲオ/ゲオ今治鳥生店/DVD 


黒澤明版のブラックジャック

忘れたころに観たくなる作品の一つ。それぞれの患者が抱える物語には日本人の心に突き刺さる道徳感や愛情がここにある。無知と貧困が全ての病のもとという。病が病せしめているのは何も体だけでなく心の奥にもある。それを観ていかなければ、観られる側も、観る側も救われない。人と人とが向き合うことの大切さを考えさせられる良作なので、好き嫌い抜きで一生に一度は鑑賞してもらいたい作品の一つである。