赤ひげ

あかひげ|Red Beard|Red Beard

赤ひげ

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レビューの数

117

平均評点

84.8(617人)

観たひと

923

観たいひと

95

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇 / 文芸
製作国 日本
製作年 1965
公開年月日 1965/4/3
上映時間 185分
製作会社 東宝=黒沢プロダクション
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 4chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督黒澤明 
脚色井手雅人 
小国英雄 
菊島隆三 
黒澤明 
原作山本周五郎 
製作田中友幸 
菊島隆三 
撮影中井朝一 
斎藤孝雄 
美術村木与四郎 
小道具野島秋雄 
音楽佐藤勝 
録音渡会伸 
整音下永尚 
音響効果三縄一郎 
照明森弘充 
編集黒澤明 
衣裳鮫島喜子 
製作担当者根津博 
助監督森谷司郎 
記録野上照代 
スチル副田正男 
撮影助手原一民 
編集助手兼子玲子 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演三船敏郎 新出去定(赤ひげ)
加山雄三 保本登
土屋嘉男 森半太夫
江原達怡 津川玄三
三戸部スエ おたけ
七尾伶子 おとく
野村昭子 おふく
辻伊万里 おかち
小川安三 竹造
団令子 お杉
香川京子 狂女
藤原釜足 六助
根岸明美 おくに
山崎努 佐八
桑野みゆき おなか
東野英治郎 五平次
中村美代子 おこと
三井弘次 平吉
千葉信男 松平壱岐
西村晃 家老
志村喬 和泉家徳兵衛
大木正司 地廻り
広瀬正一 地廻り
常田富士男 地廻り
山口博義 地廻り
古諸州 地廻り
荒木道子 娼家の女主人
杉村春子 娼家の女主人
深井聰子 娼婦
柳下悠紀子 娼婦
青木千里 娼婦
栗栖京子 娼婦
二木てるみ おとよ
頭師佳孝 長次
大久保正信 長次の父
菅井きん 長次の母
柳永二郎 利兵衛
藤山陽子 ちぐさ
内藤洋子 まさえ
三津田健 まさえの父
風見章子 まさえの母
笠智衆 登の父
田中絹代 登の母
富田恵子 道の女
沢村いき雄 むじな長屋の住人
佐田豊 むじな長屋の住人
小林十九二 むじな長屋の住人
本間文子 むじな長屋の住人
出雲八重子 むじな長屋の住人
宮田芳子 むじな長屋の住人
堤康久 むじな長屋の住人
左卜全 入所患者
渡辺篤 入所患者
池田生二 入所患者
宇野晃司 入所患者
鈴木和夫 入所患者

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

山本周五郎原作“赤ひげ診療譚”より「天国と地獄」でコンビの井手雅人、小国英雄、菊島隆三、黒澤明が共同で脚色、黒澤明が監督した文芸もの。撮影もコンビの中井朝一と斎藤孝雄。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

医員見習として小石川養生所へ住み込んだ保本登は、出世を夢みて長崎に遊学したその志が、古びて貧乏の匂いがたちこめるこの養生所でついえていくのを、不満やるかたない思いで過していた。赤っぽいひげが荒々しく生えた所長新出去定が精悍で厳しい面持で、「お前は今日からここに詰める」といった一言で、登の運命が決まった。人の心を見抜くような赤ひげの目に反撥する登はこの養生所の禁をすべて破って、養生所を出されることを頼みとしていた。薬草園の中にある座敷牢にいる美しい狂女は、赤ひげのみたてで先天性狂的躰質ということであった。登は、赤ひげのみたてが誤診であることを指摘したが、禁を侵して足しげく通った結果登は、赤ひげのみたてが正しかったことを知った。毎日、貧乏人と接し、黙々と医術をほどこす赤ひげは、和蘭陀医学を学ばなければ解る筈のない大機里爾という言葉を使って、登に目をみはらせた。赤ひげは「病気の原因は社会の貧困と無知から来るものでこれに治療法はない」といつも口にしていた。こんな中で登は、貧しく死んでゆく人々の平凡な顔の中に、人生の不幸を耐えた美しさを見るようになった。登が赤ひげに共鳴して初めてお仕着せを着た日、赤ひげは登を連れて岡場所に来た。そして幼い身体で客商売を強いられるおとよを助けた。人を信じることを知らない薄幸なおとよが登の最初の患者であった。長崎帰りをひけらかし、遊学中に裏切ったちぐさを責めた自分に嫌悪を感じた登は、おとよの看病に必死となった。やがておとよは、登に対しても他人に対してもあふれる愛情を示し始めた。そしてふとした盗みでおとよに救け出された長次とおとよの間に、幼い恋が芽生えた頃、登はちぐさの妹まさえと結婚の約束を取り交した。そして、名誉にも金にも縁遠くなっても、一生この養生所で医術にいそしむことを誓った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年1月上旬特別号

野上照代に訊く黒澤映画「赤ひげ」後篇:インタビュー 野上照代

2018年12月下旬号

野上照代に訊く黒澤映画「赤ひげ」前篇:インタビュー 野上照代

1983年11月上旬号

特別企画 [黒澤明の全貌]によせて 第1回 私の黒澤映画:「赤ひげ」

1965年6月下旬号

日本映画批評:赤ひげ

1965年5月上旬号

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:激烈から温和へ・黒沢芸術の転換

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:圧倒する黒沢「映画表現」の重量

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:黒沢明における巨匠の条件

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:不退転・黒沢明の気魄に快哉

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:「赤ひげ」の構成と黒沢の精神構造

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:黒沢-青年アレルギー症の決算

「赤ひげ」-黒沢明論特集 -「赤ひげ」を中心に黒沢芸術の本質をつく:「赤ひげ」撮影日誌抄

1965年4月下旬号

巻頭グラビア 「赤ひげ」完成:

日本映画紹介:赤ひげ

原作寸描:「赤ひげ」

2014/12/06

2025/06/21

90点

映画館/大阪府/シネヌーヴォ 


顔を覆うひげと無骨な物言い、医師とは思えない逸脱した行動、そんな赤ひげ演じる三船敏郎がさすがの迫力と存在感。と同時に描かれるのは、貧しい人々の小さいけれど大きなドラマと、医師に持っていてほしいと思える理想と信念。こんな風に書くと真面目すぎる映画に思えてしまうけれど、悪い赤ひげのキャラクターがあまりに面白く、シリアスさとコミカルさの緩急の付け具合が絶妙。そして、柱となる三大エピソードでは、おとよのパートが特にお気に入り。彼女が徐々に心を開いていく姿は可愛く、長坊のために井戸に向かって必死に叫ぶ姿に思わずホロリとした。逆に、佐八のパートはおくにの自分勝手さに呆れてしまい、佐八が気の毒でならなかった。それにしても、保本の両親が笠智衆と田中絹代の二人ですこぶる豪華!色情狂を演じた香川京子も意外性があって良い感じ。が、何よりも、大根でブッ叩かれる杉村春子が忘れられない(笑)。

2025/03/18

2025/03/19

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


病巣と幻想

小石川養生所が主な舞台である.時にはキャメラはこの「臭い」とも言われる舞台を飛び出して界隈に入ることもあるが,そこもまた臭いような場所でもある.
ところで,そのキャメラに人物たちは,ひとりでおさまるということはない.つまり会話であってもシンプルな切り返しなどはなく,妙にフォトジェニックな人物配置や立体性が見えてきている.療養所では医師や患者だけでなく,賄いや入所者の家族など関係者も出入りし,心身の病気が核となってその周辺が見えてくる.
養生所には,臨終と荘厳がある.赤ひげ(三船敏郎)はこうした死の臭いと尊厳に見せられた者として,市井に身をおいて,その魅力を余すところ貪る存在であるとも言える.死に際にある六助(藤原釜足)だけでなく,外科手術の様子を保本(加山雄三)に見せ,保本は不意に狂女(香川京子)から往診を求められ,襲われ,その危機から保本は赤ひげに救い出される.この時,赤ひげには企みがあったのだろうか.狂女は語り出す.六助の娘(根岸明美)も語り出し,病床にある佐八(山﨑努)も虫の息で,おなか(桑野みゆき)とのいきさつを語り出したかと思うと,そのおなかも佐八の回想の中で,さらに回想を重ねるという重層的な語り口が示される.
思えば,前半は音楽がほどんどなく,効果音なども排除されている.しかし,こうした語りの中にメロディが奏でられ始める.ムジナ長屋には大雨が降り続けている.酔っ払っている平吉(三井弘次)も現れる.揺れる.崖崩れで骸骨が出てくると,障子を閉めてその災害は消される.しかし,地震が回想され,焼け野原の風と煙が見え,風鈴が一斉に鳴り出す.赤子が泣き出す.この養生所(に集まる人々の想像の中)には幻想が広がっていく.ここに導いたのは津川(江原達怡)で,保本は彼に案内されている.また,先輩医師の森半太夫(土屋嘉男)とお杉(団令子)というカップルもあり,お仕着せを着ているかどうかもポイントとなる.
外には,家老(西村晃)や松平壱岐(千葉信男)といった武士たちの世界もあり,また岡場所などとして女主人(荒木道子)が現れ,櫻屋のきん(杉村春子)が個性を発揮する.きんはのちに大根で殴られる.そこには折檻をされすぎて固まっているおとよ(二木てるみ)がいる.彼女は,まじまじと見つめてきて,彼女の目元に不自然なぐらいのスポットの光が当てられている.彼女は雑巾がけをして,お盆を拭いているのも異様に見える.そして保本のナレーションが入ってくる.それは日記を読んでいるようでもある.風が吹き,外は雪が降っている.梅の花が見え,ウグイスの声が聞こえ春にはったかと思うと,また雪が降ってくる.こうした背景の中で,保本の母(田中絹代)と父(笠智衆)が並んで見え,保本はまさえ(内藤洋子)は祝言をあげている.養生所には,衣類のほかに,布団が干してある場所がある.「小ねずみ」の長坊(頭師佳孝)は「馬になりてえ」というぐらい貧困と飢餓に喘いでいる.彼も布団に寝て,やばい顔をしている.彼には彼なりの幻想がある.

2025/03/03

2025/03/03

85点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


リアルタイムで鑑賞。

2025/03/02

2025/03/02

82点

テレビ/無料放送/NHK 


さすが黒澤明監督

久しぶりに再度見たが、こんな映画だったか思い出せない。さすが黒澤明監督の演出は、隅々まで行き届き素晴らしい。笑い有り、お涙あり、人生って素晴らしいと思うし、映画も素晴らしいと再認識した。

2024/03/16

100点

選択しない 


井戸のシーン

誰か教えて。
井戸のシーンってどうやって撮ったの?
井戸の上から下へとカメラが写していくんだけど井戸の水面に映った女性たちのところまでワンショット。
当然カメラが映り込むはずなのに。
編集の技術なの?

ちなみに映画は黒澤作品の最高傑作の一つ。
だったら最高じゃねーじゃんとか言わないでね。
「七人の侍」「生きる」「用心棒」「椿三十郎」「赤ひげ」全部最高傑作です。

2023/12/29

2023/12/29

95点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


流石黒澤明作品

3時間、中身が濃い。BSの録り貯を連日黒澤明作品をノーマル速度で鑑賞(大半早送り、でなければ大量の録り貯めを消化出来ない)それに相応しい映画でした。もう見ることはないかもしれない。高校時代、この映画をちゃんと見れたのだろうか?リアルタイムで小津や黒澤の晩年の作品を見れたことは幸せでした‼️