早乙女家の娘たち

さおとめけのむすめたち|----|----

早乙女家の娘たち

レビューの数

12

平均評点

69.6(32人)

観たひと

46

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/9/8
上映時間 99分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督久松静児 
脚色堀江史朗 
樫村三平 
原作壷井栄 
製作藤本真澄 
宇佐美仁 
撮影飯村正 
美術清水喜代志 
音楽斎藤一郎 
録音小沼渡 
下永尚 
照明金子光男 
スチル山崎淳 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演香川京子 早乙女松子
白川由美 早乙女梅子
田村奈巳 早乙女竹子
大沢健三郎 早乙女鶴亀
小泉博 吉村辰郎
津島恵子 吉村初子
中島善行 吉村誠
金子民雄 吉村民雄
小林桂樹 田口義郎
佐原健二 森川忠義
船戸順 中原健吉
松村達雄 駐在巡査
中島助男 橋田
宮川満矢 宮田
どんぐり三太 日下啓彦
横山道代 戸部恵子
石田茂樹 稲取正勝
織田政雄 刑事
馬野都留子 少女の母
三井紳平 刑事A
加藤春哉 八百屋の留さん
沢村いき雄 花売りの爺さん
児玉清 児島忠

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

壷井栄原作『どこかでなにかが』を、「愛のうず潮」の堀江史朗と「女性自身」の樫村三平が共同で脚色、「愛のうず潮」の久松静児が監督する女性ドラマ。撮影もコンビの飯村正。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

都心から離れた郊外の早乙女家。両親はすでになく、長女初子が他家にかたづいたあと、次女松子が一家の柱として内職で生計をたてているが、タイピストの三女梅子、末娘で幼稚園の保母見習の竹子は、ともすればゆがんだ方向に走りがちな中学生の弟鶴亀に心を痛めている。弟の行動に同情的で明朗な竹子は、鶴亀がネリカン出の日下少年とつき合っているのが気がかりだ。松子も弟の身を案じればこそ、婚期を犠牲にしてまで内職にはげむのだった。家庭の事情で同じ会社の森川と結婚できない梅子は、失意のあげく酔って帰り、松子や竹子といい争った。姉たちの内輪もめを耳にした鶴亀は、新聞配達をやりたいといい出した。松子や梅子が結婚できずにいるのは、自分というお荷物のためだ……。そんなとき、吉村家に嫁いだ長姉の初子が早乙女家を訪れた。松子に縁談の口をもってきたのだが、ただならぬ気配を察し、鶴亀を預かることにきめた。鶴亀がいなくなると、松子は森川を自宅によんで梅子との縁談をまとめてやった。一方、鶴亀にとって、姉の家は幸福ではなかった。初子の夫辰郎は、松子を先輩稲取の後妻にと考えて鶴亀を引き取ったのである。ある日、中学校の田口先生がきて、松子に鶴亀を預けないかと申し出た。鶴亀が悪友と喫茶店に入って、補導員につかまったからだ。鶴亀が戻ると、みんなは早速家族会議を開いた。まもなく、愚連隊にそそのかされた鶴亀が、盗品を古道具屋へ売りに行ったことがバレて大さわぎになるが、田口先生や松子のとりなしで無事に済んだ。森川と結婚する梅子がアパートへ移ったあと、田口先生が早乙女家へ下宿することになった。近いうち、松子は田口先生の奥さんになるらしい……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1962年7月下旬号

日本映画紹介:早乙女家の娘たち

1962年6月下旬号

新作グラビア:早乙女家の娘たち

2019/06/04

2021/01/15

62点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


そおとめ

四人姉弟の早乙女家。
ゆるめのホームドラマだがキャラクター其々の性格が描き込まれ、この時代の空気が理解しやすい。
両親が早死にして長女初子は嫁ぎ、次女松子以下、梅子、竹子と末っ子でマシュマロ好きの中学生つるき(鶴亀)。
姉たちの結婚や非行少年との関りが姉弟に波風を立てる。
しっとりと戦後の日本人が置かれた状況を捉えていく。

2019/10/09

50点

選択しない 


ネリカン、愚連隊…1960年代の東京近郊の風景が甦る

 壷井栄の小説『どこかでなにかが』が原作。
 両親を亡くして次女が母親代わりに弟妹の面倒を見ている、サオトメ家ではなくソウトメ家の物語。
 中学生の長男が不良仲間に誘われてオカアサンがヤキモキするという話を軸に、三女の恋愛話と行かず後家のオカアサンの縁談が絡む。
 ネリカン、愚連隊、歌声喫茶と懐かしい言葉が並び、当時の東京近郊の庶民生活の風景がまざまざと甦る。所作や会話、表情などの細かい演技までを丹念に演出する、久松静児らしいリアリズムが大きな見どころ。チョイ役の松村達雄の巡査、ネリカン少年、トラックの青年、汁粉屋の小母さんも当時の空気を呼び覚ます。
 美人姉妹の次女を香川京子、三女を白川由美、四女を田村奈巳、長女を津島恵子が演じるが、誠実だが不器用な次女役の香川京子と、おきゃんで可愛い四女役の田村奈巳がいい。
 質素な生活の中で両親を失った姉妹が互いに支え合いながらもそれぞれの幸せを願う姿が今から見ると羨ましいほどに清々しく、そうした懐かしき良き時代への郷愁を感じさせてくれる作品で、弟の担任教師(小林桂樹)が早乙女家に寄宿して、弟の更生と次女との結婚を予感させる予定調和のラストシーンも、むしろ心が和むハッピーエンドとなっている。

2019/08/16

2019/08/16

65点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


小津作品をコミカルに仕立てたような作品。
両親亡き家族における、母親像を追い求める次女のセリフはいつも本心とは対極にある様が丁寧に描かれている。
タバコを「喫む」という表現の豊かさ。
いつからこんなにタバコがダメな世の中になったんだよ、まったく。
長女から四女までそれぞれのキャラと役割がちゃんとしていて、まとまりが良い。
田口先生ホモ説爆誕からの軌道修正が見どころ。
HDD内整理のための消化作品。
「驚き、桃の木、山椒の木〜」

2019/07/04

2019/07/04

73点

その他/ユーチューブ、テレビで。 


壺井栄原作とのことだが・・・。

こういうホームドラマの延長みたいな映画を見せられると、どうにも乗りきれない。

白川由美の結婚話も、香川京子の見合いも、そして結局は映画の核をなす大沢健三郎の非行問題も面白みに欠ける。
三女の田村奈巳はムードメーカーの役だが、プライベートは一番描写が浅い。
結婚して出てった津島恵子までいるので姉さんは、実は4人だ。
男の子も、やりにくかろう。

渋谷までのバスが通る近郊住宅街。
畑も、そしてガスタンクもある、ノンビリした風景だ。
近所の駅は「旭ヶ丘」とある。

小林桂樹の終盤の展開も、実に意外性のないもので平凡。
香川京子さんで、山本富士子や若尾文子みたいな企画は立てられなかったのだろうか。
魅力を出したとは言い難い役に、軽く失望。

ユーチューブで画質はいい方。
動き、若干、悪い箇所あり。
モノクロ・シネマスコープ、 98分。

2019/06/04

2019/06/09

55点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


助け合う兄弟姉妹

今は核家族でこういうことはもうないだろう。皆んなその日その日が精一杯、そんな暮らしを脱した筈なのに、こども食堂かが騒がれるのは不思議だ!

2019/06/04

2019/06/04

56点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


予定調和過ぎてそんなに面白くはないのだが

1962年の雰囲気はいいし香川京子達を見ているだけで幸せになれる。1962年というと《グリーンブック》の舞台となった時代である。《秋刀魚の味》もだ!
長女初子 津島恵子はちょっとヤな役柄、旦那の小泉博はもっと嫌な奴。妻を女を見下している。
次女松子 香川京子が一家を切り盛りして、反抗期真っ盛りの中学生の末っ子 鶴亀ツルキ 大沢健三郎の事を気にかけている。三女梅子 白川由美はこの映画ではあまり美しく撮られていない。薹がたっている感じで、恋人 佐原健二との結婚で悩んでいる。四女竹子 田村奈巳がすごくいい。キャラクターも演技も素晴らしく映画の推進力となっている。残念なのは彼女が働いている幼稚園の描写がまったくない事。
鶴亀の担任 小林桂樹が早乙女家に下宿するラストで香川京子と小林桂樹の結婚が暗示されるが、なんという安直な結末だろうか!?
鶴亀の同級生?ネリカン帰り(何十年ぶりかに聞いた言葉)の少年がすごい顔つきで、いかにも当時の悪ガキ感たっぷり。印象的だった。
竹子がマシュマロ好物の鶴亀に『そんなもの食ってるからヘナチョコなんだ。男なら塩煎餅をバリバリ齧れ!』というようなセリフがある。面白い!
家にはTVはないようだが『ぶたぶたこぶた』の即席ラーメンの歌を鶴亀がいつも歌っている。
沢村いき雄が大八車に花を積んで売り歩くおじさん。月3万円の収入でいつも花を買う余裕のある早乙女家。令和元年のニッポンより豊かだったのかも。