愛のうず潮

あいのうずしお|----|----

愛のうず潮

レビューの数

2

平均評点

69.7(7人)

観たひと

19

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/5/22
上映時間 99分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督久松静児 
脚色堀江史朗 
原作梶山季之 
製作宇佐美仁 
堀江史朗 
撮影飯村正 
美術加東安英 
音楽広瀬健次郎 
録音刀根紀雄 
照明金子光男 
スチル山崎淳 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演新珠三千代 毛利綾子
平田昭彦 毛利武彦
三橋達也 香川英二
草笛光子 浅見夏江
若林映子 毛利幸子
船戸順 的野均
上原謙 岩崎清一郎
中村伸郎 相川専務
児玉清 武彦の同僚A
加藤春哉 武彦の同僚B
坂本晴哉 武彦の同僚C
佐原健二 三島
岩崎加根子 佐伯敏子
塩沢とき 夫人A
北川町子 夫人B
宮田芳子 夫人C
森今日子 夫人D
飛鳥みさ子 夫人E
江島和子 夫人F
藤森和子 夫人G
遠藤辰雄 良夫(綾子の兄)
音羽久米子 君子(良夫の妻)
樋口年子 式沢悦子
近藤征矢 岩崎家の女中
太刀川寛 野上弘
横山道代 野上よし子
園佳也子 みどり
松尾和子 歌手

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

梶山季之原作・テレビの連続放送劇「愛のうず潮」から堀江史朗が脚色、「喜劇 駅前弁当」の久松静児が監督したメロドラマ。撮影は「アワモリ君西へ行く」の飯村正。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

綾子は女学校を出てすぐ毛利武彦と結婚した。それから五年、子供もなく東京郊外の団地アパートに二人は生活していた。夫の武彦は日の丸物産の営業課長に出世していたが、ニューヨーク支店長の椅子を狙って専務秘書の浅見夏江と関係をもっていた。夏江は社長の姪である。綾子はその淋しさをローケツ染めに気をまぎらわせていた。或る日、綾子は、ローケツ染の先生のアトリエに、グラビアを撮りに来た写真家の香川英二と知り合った。香川は綾子の孤独な影と、その美しさに強くひかれた。香川は綾子に写真のモデルを頼みこんだ。綾子は夫の許しを得て承諾した。和服に着かえた綾子は見違えるほど美しかった。香川は厳しい表情で写真を撮った。武彦は専務と一緒に名古屋へ出張すると偽って、夏江と熱海へ旅行した。その留守中、香川と綾子はよく逢った。綾子の心に香川の姿が大きく入りこんできた。それから数日後、ニューヨーク支店長に武彦が決った。しかし、会社では武彦と夏江の関係が噂になっていた。課長の三島が熱海で二人の道行を見たのである。三島と香川は大学の友人である。綾子はそれを知って愕然とした。しかし、綾子は逆に香川とのことを罵倒された。悲しみの綾子は、女学校時代の友人、京都のみどりの旅館に逃げた。そのあと、武彦は自動車事故で重傷を負った。そんなことを知らない綾子は、京都で偶然香川と逢った。香川は綾子に愛情をうちあけた、綾子は人妻として悩んだ。香川はそんな綾子を優しくいたわった。思い悩んだ綾子は香川を残して旅館を立った。空はどんより曇っていた。綾子はどこゆくあてもなく歩きつづけるのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1962年7月下旬号

日本映画批評:愛のうず潮

1962年3月下旬号

日本映画紹介:愛のうず潮

2019/06/26

2020/02/05

65点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


メロドラマのドラマトゥルギー

シネマヴェーラ渋谷の“欲望のディスクール”特集で初めて観た「愛のうず潮」は、浮気性というより己の出世のために社長の姪の想いを利用するような下衆野郎の夫にひたすら耐え、自分に想いを寄せてくれる誠実な写真家がいるのに、下衆夫を思い切る事ができずにグズグズと思い悩む新珠三千代に心底苛々する映画でした。
「愛のうず潮」の苛立たしい展開を観ながら、これがTVの連続メロドラマの映画化だったことを思い出し、なるほど昔のTVメロドラマはこんなふうに観る者を苛つかせながら、次の回次の回へと視聴者を引っ張る作りだったと納得したのであり、これほど苛つくのは、逆に堀江史朗脚本・久松静児演出が巧いからだと思いました。
脚本を書きプロデューサーとしてもクレジットされている堀江史朗は、NHKでラジオドラマ制作に携わったのち脚本部長を務め、東宝に転じて文芸部長の座に就いたのちには博報堂でテレビ・ラジオ局長~副社長まで務めたラジオやTVドラマのエキスパートだった人であり、メロドラマのドラマトゥルギーを知り尽くしていた人だったのでしょう。監督の久松静児は、どんな題材も誠実に撮る人で、この映画でも丁寧に細部を組み立てています。
「愛のうず潮」のヒロイン像は、観ている誰もが“こんな奴とはさっさと別れてしまえ”と画面に向かって叫んでやりたくなる人物ですが、一度結婚した夫にはとことん尽くして添い遂げるという古風な考え方が、60年代初頭にはまだギリギリ成立していたのでしょう。60年代半ば以降は通用しないと思いますけどね。

2019/06/27

2019/06/28

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『愛のうず潮』。退色フィルムで状態がすこぶる悪い。毛利夫婦(平田昭彦、新珠三千代)のお話。百合ケ丘団地住まい。冷蔵庫、ミキサーなど家電製品はあるが電話がない。平田昭彦は「女房は空気のようなもの」と豪語。人に厳しく自分に甘い男。終盤のお寺さんはどこだろう。横山道代はお喋りさん。