三味線とオートバイ

しゃみせんとおーとばい|----|----

三味線とオートバイ

レビューの数

4

平均評点

72.2(16人)

観たひと

32

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961/10/11
上映時間 82分
製作会社 松竹大船
配給 松竹
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督篠田正浩 
脚色柳井隆雄 
原作川口松太郎 
製作長島豊次郎 
撮影小杉正雄 
美術浜田辰雄 
音楽池田正義 
録音小尾幸魚 
照明高下享三 
編集浜村義康 
スチール長谷川宗平 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演桑野みゆき 初子
月丘夢路 とよ枝
森雅之 畔柳
川津祐介 房雄
富永ユキ 徳子
柴田葉子 岸子
林洋介 辰雄
小瀬朗 一郎
国景子 深雪
田中晋二 三木雄
菅原文太 健二
瞳麗子 朝子
平山芙美子 綾子
水木涼子 とみ子
日向三平 ボーイ
池月秋雄 運転手
斎藤知子 房雄の家の女中

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

川口松太郎の同名小説を「「青衣の人」より 離愁」の柳井隆雄が脚色、「わが恋の旅路」の篠田正浩が監督した青春篇。撮影も「わが恋の旅路」の小杉正雄。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

房雄と初子は友人達とオートバイの遠乗りに出かけ、帰途、トラックにはねられてしまった。初子の母親とよ枝は、かけつけた病院で医師の畔柳と二十年振りで再会した。二人はかつて、親の反対をおし切って一緒になったが、とよ枝は実家に連れ戻され、畔柳は戦争に駆り出された。その時、お腹には初子が宿っていた。二年後とよ枝は理解のある宮崎と再婚した。そして宮崎が死んでからは小唄の師匠をして初子を女手一つで育てて来たのだ。初子は母の過去を知らなかった。退院した初子は、畔柳の世話でS・K出版社に勤めた。房雄の父はある会社の重役で、家柄の違いを理由に初子との交際を禁じていたが、房雄は取りあわなかった。その後、畔柳は小唄を習いに家にやって来た。母も浮々とした態度だった。それを不潔に思う初子は家を出る決心をした。同じ会社に勤める朝子も母親の再婚でショックを受けてアパートで一人暮しをしていたので彼女はそこに移った。とよ枝は初子に総てを打ち明けようとしたが、畔柳が九州の病院に行くことになり事情が変った。畔柳は初子をアパートへ訪ねてきて、「ママの家へ帰ってくれたまえ、僕は九州に行く。正直いうと僕はママが好きだ、結婚しようと思えば出来ないことでない。でも初子のママに対する理想像に疵をつけないことにする……ママと仲良くやってくれ」と頼んだ。初子は家に帰り平和な日日が流れた。初子は見習い社員から正社員になった。その夜、家ではとよ枝が御馳走をこしらえて待っていた。その食卓には三人分の食事が並んでおり、不思議がる初子にとよ枝は畔柳にも祝ってもらうのだと答えた。そしてとよ枝は畔柳が九州で死んだことを告げ、これまでの過去をすべて話した。初子はそれを聞くといきなりビールを一息に飲んだ。そして畔柳が好きだった小唄を唄い、畔柳の写真の前にビールを注ぐのだった。その小唄をとよ枝も泣きながら唄った。たまらなくなって初子は表へ飛びだし、房雄とオートバイを飛ばした。房雄は初子に結婚を申込んだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1961年10月上旬秋の特別号

日本映画紹介:三味線とオートバイ

2019/02/02

2019/08/02

70点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


へんにインテリぶらずに素直に撮る篠田

シネマヴェーラ渋谷の日本ヌーヴェルヴァーグ特集「三味線とオートバイ」は、高校時代に一度観たあと10年近く前にも観ましたが、真鍋博のタイトルデザインにヌーヴェルヴァーグらしさが出ていたものの、川口松太郎原作を柳井隆雄が脚色した題材は、番匠義彰あたりが撮るのに相応しいような大船調母娘ドラマでした。
「三味線とオートバイ」は、何やら前衛調を狙った時にはことごとく滑ってしまうくせに、ごく普通のメロドラマだと素直な作劇で上々の成果を挙げる篠田正浩の、その後者のほうに当たる映画で、桑野みゆきと月丘夢路の母娘それぞれが抱えた事情を、所々に才気を覗かせながら組み立ててみせています。
2010年にフィルムセンターでこの映画を観た時、わたくしはメモに“こういう通俗的な題材を、へんにインテリぶらずに素直に撮ると、篠田は決して悪くありません。大島「青春残酷物語」などと比べると、実に浅い話ですが、それくらいが篠田にはお似合いなのです”と書いていますが、まあ今も同じような感想です。

2019/02/05

2019/02/06

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『三味線とオートバイ』。オープニングクレジットは遊び心たくさんで楽しい。しかし人名文字がいろいろ動くので読みにくいのが最大の欠点。タイトルは母と娘のことを言っているのだろう。森雅之と月丘夢路を見てると「浮雲」を思い出す。桑野みゆきの勤務先はお茶の水辺りかも。菅原文太に気付かず。

2019/02/04

2019/02/04

65点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


子供なんていずれはいなくなるのに…

若者の無軌道ぶりを描いた青春物語かと思わせる出だしでしたが、主演である初子が相乗りしたオートバイが接触事故をして入院したことからガラッと転調し、親子関係を描いた人間ドラマになります。

物語の展開の中心になるのは初子の母で小唄師匠のとよ枝になります。
伴侶の死後、初子を育て上げたとよ枝は、初子が入院した病院で、深く愛しあいながらも20年前に親の反対や戦争の影響で別れざるを得なかった医師の畔栁と再会し、交際を再開しますが、初子の手前もあってその付き合いは非常に抑制的なのが特徴的です。
初子は女としての母の畔栁に対する思いを頭では理解できますが、口をついて出る言葉や態度は非難めいていて、畔柳は身を引く決断をします。

ストーリーの流れ的にはハッピーエンドにしても違和感のないエンディングにできたのではないかと思いますが、時代的にはまだまだ再婚に対するネガティブな印象が世間には背景としてあったので、悲劇的結末を選択したのではと思わされました。

2013/01/24

-点

選択しない 


入院先が山手病院、周辺の元町公園、セント・ジョセフ・カレッジが写る。ビヤザケ通りを下る。後年「コルトがワイにゃ旅券(1967)」でほほ同じカットが見られる。