宇宙の大河ドラマで、追いかけるだけでガス欠。
ネタバレ
前年に「銀河鉄道999」がヒットしたので、竹宮恵子のコミック原作が東映アニメーション映画に採用された
のかな。かなり複雑な世界観で、思いっきりペシミスティック。地球は人口増大、環境汚染などで滅亡寸前。
人類は人工惑星アタラクシアで再生産される。スーパーコンピュターの管理の下、人工授精で生まれた
子供たちは養父母に育ててもらい、満14歳に「目覚めの時」となり、「成人検査」を受け、合格すれば
地球へ帰還する。つまりこれがタイトルの「地球(テラ)へ…」の由縁だ。
しかしこの苛酷なシステムは突然変異の「ミュウ」を生み出した。人間としては欠落したところと、優れた
超能力を持っていた。彼らは管理側から厳しく弾圧される。みゅうたちはアタラクシア社会の地下に潜り、
やはり地球への帰還を目指す。
主人公ジョミーは成人検査を迎え、超能力のあるミュウの夢を見る。彼はミュウの地下社会に入る。長老
はミュウ社会のリーダーにジョミーを選ぶ。ジョミーはミュウたちを率いて地球へ帰還することが使命となる。
成人検査をパスした少年たちは教育惑星に移る。そこで最終チェックが行われるのだ。そこでは、コン
ピューター「マザーイライザ」によって作られたアンドロイドのキースが全権を握っていた。彼には母も
故郷もない。アイデンティティーの空隙をミュウへの憎悪で埋める。
ジョミーが引き連れたミュウたちは辺境の惑星ナスカに一時の拠点を置く。そこでジョミーはカリナと恋に
落ちる。人工授精だけの世界だったが、ついに自然分娩の試みが行われる。生まれてきたのがトォニイ。
月日が流れ、コンピューター・グランドマザーの子飼いのキースは絶対的な権力者として君臨する。
ナスカのミュウたちも自立した世界で充実してきた。軋轢はついに戦争へ拡大する。
戦線は地球にも及ぶ。地球防衛軍とミュウとの戦い。グランドマザーが支配する地だが、ジョミーがついに
マザーを破壊するが…。
宇宙の大河ドラマで、追いかけるだけでもたいへんな世界。コミック連載のリアルタイムで読んだ人は
ハマるのではないか。私の好きなジャンルではあるが、勉強不足が祟った。