密約 外務省機密漏洩事件

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密約 外務省機密漏洩事件

レビューの数

2

平均評点

66.6(19人)

観たひと

35

観たいひと

5

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 社会派
製作国 日本
製作年 1988
公開年月日 1988/6/11
上映時間 100分
製作会社 S・H・P=テレビ朝日
配給 オフィス・ヘンミ
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督千野皓司 
脚本長谷川公之 
原作澤地久枝 
プロデューサー荻野隆史 
福富哲 
中村和則 
天野恒幸 
撮影斎藤孝雄 
美術佐谷晃能 
音楽菅野光亮 
録音八木多木之助 
照明佐藤幸郎 
編集神谷信武 
助監督新城卓 
スチール吉崎松雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演北村和夫 石山太一
吉行和子 筈見絹子
大空真弓 澤井久代
磯部勉 久我原和孝
永井智雄 馬場
滝田裕介 松川
堺左千夫 筈見辰郎
岩田安生 浜田事務官
可知靖之 佐々木安夫
近松敏夫 徳田外務大臣
河村弘二 愛川外務大臣
袋正 横地衆議院議員
本郷淳 立川弁護士
信欣三 東京地裁裁判長
斎藤英雄 東京高裁裁判長
入江正徳 通信社論説委員
稲葉義男 中田
辻伊万里 中田弁士夫人

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1978年にテレビ朝日開局20周年記念番組として制作されたTVドラマの劇場公開版。72年に実際に起こった外務省機密漏洩事件を描く。澤地久枝原作の同名ルポルタージュの映画化で、脚本は「警視庁物語 十九号埋立地」など“警視庁物語”シリーズの長谷川公之が執筆。監督は「ある兵士の賭け」の千野皓司、撮影は「幻の湖」の斎藤孝雄がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

昭和46年2月、東日新聞の記者・石山太一は、近く行われる沖縄返還交渉担当のキャップとして外務省へ送られた。日本政府は地主など個人に対する損害補賞をアメリカに請求したが、アメリカ側は基地の撤去費などを日本に負担させようとしていた。そこで考えられたのが、政府が請求権を全面的に肩代わりするという密約である。石山は確実な情報を手に入れたいがために、外務省の女性事務官・筈見絹子に接近。私鉄ストの日、石山は絹子を食事に誘った後、ダンスホールへ連れていった。6月9日、外相と国務長官の会談で、沖縄に関する交渉は終わり、表向きアメリカが自発的に支払うことで決着がついた。石山は絹子から外務省の極秘書類のコピーを譲り受け、日米間の密約をスクープした。翌47年4月、石山と筈見の二人は国家公務員法違反容疑で逮捕された。この頃には二人の関係も冷めきっていた。この事件に深い関心を抱いた作家の澤井久代は裁判を傍聴していて、石山の部下の久我原記者と知り合った。澤井は裁判が密約を行った政府の政治責任を問わず、二人の倫理性だけを裁こうとしているのに疑問を持った。49年1月東京地裁は絹子に懲役6か月、執行猶予1年、石山に無罪の判決を下した。検事側は控訴し、50年7月、東京高裁は石山に懲役4か月を言い渡した。石山は最高裁に上告したが、これは棄却された。絹子は有罪判決を受けたが、その後週刊誌に手記を発表するなど時の人となった。絹子の不可解な言動に、澤井は会ってみようと考えたが、仲介の中田弁護士は執拗に拒み続けた。事件の真相はうやむやなまま裁判は終わった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1988年8月下旬号 '88年上半期決算特別号

日本映画紹介:密約

1988年6月上旬号

グラビア:密約 外務省機密漏洩事件

密約 外務省機密漏洩事件:評論

密約 外務省機密漏洩事件:評論

2010/08/27

2016/09/09

70点

映画館/東京都/三軒茶屋中央劇場 


特定機密とは権力側都合で決まる

毎日新聞の西山記者が外務省女性事務官から入手した情報をもとにスクープした沖縄返還に伴う日米の密約を、存在なしとして起訴し、男女関係に矮小化した判断で、最高裁で1978年有罪が確定する。
その後、アメリカでの情報開示があって、密約の存在が明らかになるも、西山記者の名誉の回復には至っていない。
本作品は最高裁の判断の出るタイミングに合わせたような公開がなされ、ドキュメンタリータッチで、権力におもねることなく、疑問をしっかりとぶつけてはいるが、検察、裁判所の司法機関と外務省のなりふり構わない隠蔽操作と、その方針を是認した大部分のマスコミの体質に有効打とはなり得ず、その結果に慄然とさせられる。
この体質は、事件が明かされた1972年当時から相当年経過した今でも大きく変わったとはとても思えない。むしろ退化しているとさえ思えてくるのが恐ろしい。

2010/05/29

2015/09/13

75点

映画館/群馬県/シネマテーク高崎 


一つの事実に真剣に向き合って…

いろんな会話を交わして、自分なりの考えを持って行動していたんだな…
そんな風に思います。

今でも真剣な人はいるのかもしれませんけど…
その絶対数は少なくなっているんだろうな。

こうやって一つの出来事の真実を追いかけるようなジャーナリストやその集団が
今の世の中にいるのかなぁ…
そういう人たちが世間を教育していけば、もっともっといろんな事を議論出来るのでしょうけど…

劇中に出てくる人々のように、きちんと事実と向き合い、より良い方向とは!?
と考える事が、今の日本には必要なのかもしれません。
こんな国をどうしたいのか!?
どんな国にしたいのか!?

好景気のときには“政府にはヘタに手を出すな”と言い
不況のときには“対策を! 成長戦略を!”と言う
馬鹿なジャーナリストには、振り回されたくないですね。


今の時代だからこそ、こういう作品を観る必要があるのかも…