第三の男

だいさんのおとこ|The Third Man|The Third Man

第三の男

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レビューの数

108

平均評点

78.7(574人)

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897

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62

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ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 イギリス
製作年 1949
公開年月日 1952/9/16
上映時間 104分
製作会社 ロンドン・フィルム
配給 東和=東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「ホフマン物語」のアレクサンダー・コルダと、「白昼の決闘」のデイヴィッド・O・セルズニックが協同で提供する一九四九年作品で、カンヌ国際映画祭グラン・プリを受賞した。戦後イギリス文壇で代表的な位置に立つカソリック作家グラハム・グリーンが映画のために原作を書卸し、自ら脚色、これを「邪魔者は殺せ」のキャロル・リードが監督、同時に製作も担当している。撮影は「邪魔者は殺せ」のロバート・クラスカー、装置は「バグダッドの盗賊(1940)」のヴィンセント・コルダ他の担当である。なお音楽はこの映画のためにウィーンのジッタア演奏家アントン・カラスが作曲、自ら演奏したものが唯一の伴奏となっている。主演は「旅愁」のジョゼフ・コットン、「白銀の嶺」のヴァリ、「黒ばら」のオーソン・ウェルズ、「黄金の龍」のトレヴァー・ハワードで、以下「会議は踊る」のパウル・ヘルビガー、バーナード・リー、エルンスト・ドイッチ、エリッヒ・ポントらが助演する。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

米国の西部作家ホリイ・マーティンス(ジョゼフ・コットン)は、旧友ハリー・ライムに呼ばれて、四国管理下にある戦後のウィーンにやって来たが、ハリーは自動車事故で死亡し、まさにその葬式が行われていた。マーティンスは墓場で英国のMPキャロウェー少佐(トレヴァー・ハワード)と連れになり、ハリーが闇屋であったときかされたが、信ずる気になれなかった。ハリーは生前女優のアンナ(アリダ・ヴァリ)と恋仲であったが、彼女と知り合ったマーティンスは、彼女に対する関心も手伝ってハリーの死の真相を探ろうと決意、ハリーの宿の門衛(パウル・ヘルビガー)などに訊ねた結果、彼の死を目撃した男が三人いることをつきとめた。そのうち二人はようやく判ったが、“第三の男”だけはどうしても判明しないまま、マーティンスは何者かに脅かされはじめ、門衛も殺されてしまった。一方アンナは偽の旅券を所持する廉でソ連MPに粒致されることになり、それとも知らずに彼女の家から出て来たマーティンスは、街の物蔭に死んだ筈のハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)をみつけた。ハリーがペニシリンの大闇で多数の人々を害した悪漢であることを聞かされていたマーティンスはこれをMPに急報し、アンナの釈放と引きかえに彼の逮捕の助力をするようキャロウェイから要請された。マーティンスはハリーとメリイゴウラウンドの上で逢い、改めて彼の兇悪振りを悟って、親友を売るもやむを得ずと決意したが、釈放されたアンナはマーティンスを烈しく罵った。しかし病院を視察してハリーの流した害毒を目のあたり見たマーティンスは結局ハリー狩りに参加、囮となって彼をカフェに侍った。現れたハリーは警戒を知るや下水道に飛込み、ここに地下の拳銃戦が開始され、追いつめられた彼はついにマーティンスの一弾に倒れた。かくて改めてこの“第三男”の埋葬が行われた日、マーティンスは墓地でアンナを待ったが、彼女は表情をかたくしたまま彼の前を歩み去って行った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2010年7月下旬号

午前十時の映画祭:「カサブランカ」「第三の男」

1952年11月上旬号

外国映画批評:第三の男

1952年増刊 名作シナリオ選集

コンティニュイティ 第三の男:THE THIRD MAN

1952年8月下旬号

“第三の男”合評 新しい分野の發見:田坂具隆×五所平之助×成瀬巳喜男×木下惠介

1952年7月上旬夏季特別号

研究 キャロル・リード:「第三の男」におけるキャロル・リードの技法

外国映画紹介:第三の男

1952年5月上旬特別号

グラヴィア:第三の男

2021/02/11

2021/02/12

90点

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36年振りに鑑賞

2021年2月11日に鑑賞。DVDにて。1時間44分11秒。スタンダード・黒白。London Film Production。一部、ドイツ語。最初の画面、ジョゼフ・コットンの次にアリダ・ヴァッリは「VALLI」とだけ出る。

助監督に、ガイ・ハミルトンの名前がある。

リバイバルで映画館で観て以来、36年振りに鑑賞する。

戦後間もなくのウィーンのアメリカ・英国・フランス・ソ連の管理地区。まだ街中にはガレキが散らばっている場所がある。4か国の警官が同じジープに乗って現場へ。警察は同じ建物にある。「国際警察です」と言う。アンナの部屋のドアは二重になっている。アンナはチェコスロバキア人の女優である、ハリーが作った偽のオーストリアのパスポートを持っている。アンナは何度もホリー・マーチンを「ハリー」と呼び間違える。

追われたマーチンとアンナが入る映画館で上映中は、ドイツ映画「Maresi 」(1948・監督:Hans Thimig 、出演:マリア・シェル、Attila Horbiger )である。

ロバート・クラスカーの白黒撮影が冴え渡る。登場人物たちの顔のアップが多い。白眉のシーンは2つある。1つ目は暗闇の中で佇むハリー・ライク(オーソン・ウェルズ)。その前にアンナ・シュミット(アリダ・ヴァッリ)の部屋で、猫がホリー・マーチン(ジョゼフ・コットン)にアンナ「その猫はハリーだけに懐いてた」と言う伏線がある。マーチンに触られるのを嫌がった猫は窓から外へ出る。猫が石畳の上を歩き壁際の暗闇に佇む男の靴に猫がすり寄る。暗闇で男(ハリー・ライム)の顔は見えない。外へ出たマーチン「スパイごっこか?なぜ私をつける?誰か知らんが、出て来い!」周囲の建物の窓に明かりが「うるさい」と言う声。ハリーの斜め左上の窓の明かりがつく。窓から顔を出した女が叫ぶ。明かりが暗闇の中のハリーの顔を照らす。気づいたマーチン。ハリーの顔にカメラがズームする。窓の明かりが消えてハリーの顔はまた暗闇の中に。ハリー消える。追うマーチン。ここでカメラが「斜めの構図」になる。10カットある。これはマーチンの動揺を表しているのだろう。石畳に光る光線。黒白撮影が冴え渡る。

もう1つは、ラストの10分間以上続く地下の下水道のシーンである。風船売りのヒゲの杖老人が張り込み中の米軍のキャロウェイ少佐とペイン軍曹に近づく。遠景のガレキの山にハリーが現れる。俯瞰のカメラが囮のマーチンがいるカフェに少しズームで近づく。

ハリー地下の下水道に逃げる。マーチンに撃たれたハリーが地上への螺旋階段を登る。入口には鉄格子がある。両手の指をハリーが鉄格子の穴から出す(地上から撮ったカット)ここで、疑問なのは、ハリーは右手に拳銃を持っている。右手に拳銃を掴んだままで格子の隙間から右手の指を5本出すことが出来るのか?観念したハリーがうなづく。マーチンの銃声。

螺旋階段は講演会場からポペスコ(ルーマニア人)に追われたマーチンが逃げる場面でも登場する。階段を上がるマーチンをカメラが下から追う。

2020/12/05

2020/12/06

70点

購入/DVD 
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やっぱり、私には名作性が理解できなかった

ジョセフ・コットンが交通事故による親友オーソン・ウェルズの死を暴いていくサスペンス、親友が警察から追われている悪事を働いているという真実、またこの親友から救われ彼を慕っているアリタ・ヴァリの存在など、ストーリーはそれなりに楽しめます。

 音楽は心地よく、映像の光と影のコントラストも素晴らしいと思いますが、時間の淘汰から過去の名作という感が否めません。

 トレバー・ハワードの警察官の落ち着き払った態度が、今回観て、印象に残りました。

2020/07/09

2020/07/10

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
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カンヌ映画祭 サスペンス

ウィーンの街の光と影、正義と悪、神とサタン、キリストとユダ、強者と弱者 ハリーとホリー。

2007年

2020/06/17

90点

選択しない 

1949年イギリスの作品で日本公開が1952年(昭和27年)ですから
もう随分昔の古典と言ってもいいぐらいなんですが、いまだに根強い人気を
誇っていて、あるアンケートによれば、ミステリー・サスペンス映画NO1にも
なっています。本作が時代を超えて支持をされるのは、そのストーリーの面白さは
当然のことですけど、やはりチターのテーマ曲とラストシーンにあるんじゃないでしょうか。

第二次大戦後のウイーンという舞台設定。連合国4ヶ国統治下にある
ウイーンが異空間として浮かび上がってきます。これを浮遊感覚と言う人もいますが
どこにでもあるようでいて、どこにでもない空間で、不可思議な事件が発生して
そこに異国の人間が交錯していくという虚構性を超えた現実感覚を呼び起こさせる
空間・時間設定が支柱となっているんだと思います。

旧友ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)に呼び出されてわざわざアメリカからやってきた
作家ホリイ・マーティンス(ジョゼフ・コットン)なんですが、肝心のハリーは自動車事故で
死亡してしまい、いきなり葬式に出席することになります。事態がうまく飲み込めない
ホリイだったんですが、同席していたイギリスのMPキャロウェー少佐(トレヴァー・ハワード)が
ハリーは粗悪なペニシリンの密売人だと告げられ、更に状況の把握ができなくなります。
同じく葬式で見かけたハリーの恋人アンナ(アリダ・ヴァリ)と親しくなったホリイは、アンナへの
思いからか、ハリーの死の真相を探ろうと決意します。
情報を集めていくと、ハリーの死を目撃した男が三人いたんですが、何とか、二人は判明
するのですけど、“第三の男"だけはどうしてもわかりません。ここからこの自動車事故は
事件性を持って意外な方向へ展開していきます。

「ハリーとホリイの大観覧車での遭遇」「暗闇に浮かぶハリーの顔」「地下道での銃撃戦」
数多くの名シーンが繰り広げられますけど、ラスト、アンナに思いを寄せるホリイが並木道で
彼女を待つのですが、その前を無表情に無言のままでアンナは通り過ぎていきます。
グレアム・グリーンの原作ではハッピーエンドだったわけですが、それを一転、失恋物語と
したことがミステリーを超えて、愛の物語としての余韻を残し、傑作にまで仕上がったのだと
思います。

本作は、キャロル・リード監督の手腕が大きいのは勿論のこと、登場シーンが少ないにも
関わらず抜群の存在感を魅せたオーソン・ウェルズ。細やかな感情のやり取りを巧みに
演じたジョゼフ・コットンとアリダ・ヴァリ。すべてがうまく機能し、調和がとれています。
作品中にアップされるハリーの微笑。この意味を解きほぐしながら鑑賞していくのも
楽しいかと。

2020/05/10

2020/05/10

-点

選択しない 


オーソン・ウェルズの顔がいい

2020/04/04

2020/04/05

100点

レンタル/新潟県 
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「第三の男公園」

◎ 昨年の暮れに初めてウィーンを訪れた。2泊しただけだが乗り放題チケットを使って街のあちこちを観て回った。そして、オペラ座のすぐ近くに「第三の男公園」を見つけた。小さな空き地といった風情で、一面に草が生い茂っている。その間をくねくねと迷路のように歩道が伸びていて、歩道のわきに20数枚のパネルが立っている。パネルには『第三の男』の各シーンとその説明が書かれている。つまりこの歩道を入口から歩いていくと、わずか数分で『第三の男』のストーリーを結末までたどることが出来るという趣向だ。
◎ 映画を観るのは今回が5回目だ。制作からすでに70年が過ぎて、どの場面がどこで撮影されたのかは観ていてもほとんど分からない。ただ歩きづらい石畳のごつごつした感触だけは今も変わっていなかった。