さらば友よ

さらばともよ|Adieu L'ami|----

さらば友よ

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レビューの数

62

平均評点

72.4(240人)

観たひと

343

観たいひと

22

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アクション
製作国 フランス
製作年 1968
公開年月日 1968/10/20
上映時間 115分
製作会社 セルジュ・シルベルマン・プロ
配給 日本ヘラルド映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「シンデレラの罠」の原作者として知られるセバスチャン・ジャプリゾとジャン・エルマンの脚本を、日本ではこれが初登場の新鋭ジャン・エルマンが監督したアクションもの。撮影はジャン・ジャック・タルベス、音楽は、「サムライ」のフランソワ・ド・ルーベ。出演は「サムライ」のアラン・ドロン、「特攻大作戦」のチャールズ・ブロンソン、オルガ・ジョルジュ・ピコ、「禁じられた遊び」の名子役ブリジット・フォッセーが十六年ぶりにスクリーンに登場。製作はセルジュ・シルベルマン。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

戦争も末期のある寒い朝アルジェリア帰りの兵士たちを乗せた船が、マイセイユについた。その中に、軍医のディノ・バラン(A・ドロン)もいた。そのバランに「モツアルトの友人のバランさんでしょ?」といきなり若い女が話しかけてきた。バランは表情もかえず無視して歩き続けた。同じ船からアメリカ人軍曹で、戦争を商売にしてきたフランツ・プロップ(C・ブロンソン)もおりた。彼は部下をかきあつめ、次はコンゴに出かけ一稼ぎしようと企んでおり、それには軍医が必要と、バランをくどいていた。そのプロップを殴り倒し、バランは彼を追ってきた若い女の車に乗った。女はイザベルといい、彼女はモツアルトに頼んでおいた約束を、バランに代行して欲しいと頼んだ。その仕事というのは、イサベルはパリの広告会社に働いているが、会社の債券をひそかに持ちだし利用していた。年末の決算も近づいたので、それを金庫に返さなければならない。地下室のもとモツアルトのいた医務室の隣りに金庫がありクリスマスの連休の間に、それを返してほしいというのだ。バランはその仕事をひきうけ、医務室にハイスピード分解写真装置のついたカメラを持ち込み、金庫室の見通せる小窓にそれをセットした。金庫の七つのダイヤルの組合せ番号を盗み出そうというのである。金曜日は会計簿をしまうために金庫が開けられることになっていたがその日は社員のボーナス、月給を含めて二億フランの現金がしまわれるのを知って、バランの目的はかわった。債券を返して同時に、中身をいただこう。だが、カメラは七つのダイヤルのうち、三つしか写してなかった。組合せは無数にあり、時間は三日三晩しかない。バランが作業を開始したとき、ふらりとプロップがあらわれた。いまさら彼を追いかえすわけにもいかず二人は一緒に、仕事をはじめた。が、ふとしたことから金庫室の中に二人はとじこめらわてしまった。男二人の間に奇妙な友情が生じた。そこでディノはかつてアルジェリアで、親友モツアルトとの関係も語りだした。そして長い苦闘の末、遂に金庫は開いた。しかし中はからっぽだった。壁をしゃにむにくずし、通風孔をとおり、医務室に脱出したが部屋には、警備員の死体がころがっていた。バランは罠にかけられたことを知った。恐らくバランが作業にかかる前に、誰かが金を盗み出し、警備員を射殺し、罪をきせようとしたのだ。バランとプロップは別々に逃げた。二億フランの金庫破りと、警備員殺しのニュースは派手にかきたてられ、非常線がはられた。プロップは空港でその非常線に引っかかったバランを救うため、自分が捕えられた。一方バランは、イザベルの行方を探して、医務室の助手をしているドミニクのところを訪ねた。そこでバランは、おぼろげながらではあるが真相をつかみかけた。盗聴されることを計算にいれバランは、警察に捕えられているプロップに電話した。その後、ドミニクを連れて、医務室に行き、イザベルのカルテをさがさせた。バランの背中に銃がつきつけられた。イザベルだった。金をとり警備員を射殺したのは、イザベルとドミニクの共犯だったのだ。だが、ビルには警察官たちもひそんでいた。それに気づいて逃げるイザベルとドミニク。同性愛の関係にある二人を警官は射殺してしまった。ディノの制止も聞かず……。事件は終った。他の事件で再び刑事に連行されるプロップの煙草に、バランは無言で火をつけてやった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024年5月号

COMING Old Pictures 旧作紹介:「さらば友よ」

1968年11月下旬号

外国映画批評:さらば友よ

1968年11月上旬号

新作グラビア:さらば友よ

旬報試写室:さらば友よ

外国映画紹介:さらば友よ

2011/06/22

2024/09/15

75点

選択しない 


暗号はワーテルローの戦ひ

ネタバレ

 1968年製作公開の「さらば友よ」。今変換したら「さらば知世」が第一候補に出ました。どうでもいいけど。監督はジャン・エルマン、脚本はジャン・エルマン自身と原作者セバスチアン・ジャプリゾが担当。音楽はフランソワ・ド・ルーベであります。

 今回のドロンはアルジェリア帰りの軍医・バラン。バランといつてもバラダギ様の怪獣とは無関係。彼に戦争を商売にするプロップ(チャールズ・ブロンソン)が何かと絡みます。次の儲け仕事の為にバランの力が欲しいらしい。しかし無視するバラン。

 そしてイザベル(オルガ・ジョルジュ・ピコ)と云ふ若い女性もバランに近付き、モーツアルトと云ふ男を知つてゐるだらうと訪ねます。知らんと答へるバラン。イザベルは自分が勤める会社から無断で持ち出した債券を、クリスマス休暇の間にこつそり戻して欲しいと依頼します。

 バランは何故かこれを引き受け、社員の健康診断を担当する医者として会社に潜入、重役の娘で医学生のドミニク(ブリジット・フォッセー)が助手につきます。そして高性能カメラを金庫のダイヤルが見える場所に設置、数字を読み取らうと云ふ訳です。しかし七桁の数字の内三つしか分かりませんでした。休暇が明けるまでの三日間で、全てのパタンを試す事にしました。

 そこへ現れたのがプロップ。カネ儲けの匂ひを嗅ぎつけ、バランに絡みます。丁度社員の賞与が金庫に収納される事も知り、これも頂かうと、バランは仕方なくプロップと協力して番号を探ります。時間が無いので交代で三日三晩虱潰しでダイヤルを回します。当時は三回間違へたらロックされる仕組みはないんですかね。遂に金庫は空きますが、中は空つぽで、しかも二人は金庫室に閉ぢ込められてしまふ。

 当初はいがみ合ふ二人ですが、バランが実はモーツアルトの友人で、彼を敵と見誤り射殺した事への贖罪からこの依頼を引き受けた事を語ると、二人の間には友情めいたものが芽生えます。そして遂に壁を破壊して脱出しますが、其処には警備員の死体が......

 ドロンとブロンソン、今で云ふバディものでせうか。ドロンは既に大スタアですが、ブロンソンは本作でブレイクした模様です。日本ではマンダムで有名。両者同格での扱ひですが、やはり美味しい場面はブロンソンが多い。いくらカネ儲けの為とはいへ、ドロンに絡むのがしつこすぎる気はしますが。液体をコップ一杯に注いだ中に、五枚のコインを入れて溢れさせない遊びが好きなやうで、いつも成功させてゐるのに、最後の最後、肝心の場面で失敗します。

 ドロンとしては迷惑千万な男で、金庫室に閉ぢ込められる羽目になります。しかもこの佐藤允、ぢやないブロンソンは「電気のある所には電線がある筈」と、壁を開けますが見事に感電、お陰で空調まで止まりドロンの足を引張ること夥しい。しかしその後、壁の一部だけ冷たい事に気付き、通風孔を発見し脱出の糸口を掴むファインプレイを見せます。

 金庫破りと警備員殺しの濡れ衣を着せられたドロンを助けるためにワザと捕まり、ドロンは知り合ひではないと突ぱねる。同様にドロンもブロンソンを知らないとシラを切り、まるで友情以上の何かを持ち合せたかの二人でした。イエイ。迫るメローティス警部(ベルナール・フレッソン)には、もう少しで真相が分りさうだと、夜の12時まで猶予を申し出ます。この警部、基本的に優秀だと思ふけれど、最後に焦つたか、フライング気味に事を起こしてしまふ。「発見次第、警告後射殺せよ」なんて指示も飛ばしてゐました。治安の悪い国では当り前なのでせうか。

 ヒロインはブリジット・フォッセー、「禁じられた遊び」の子役が美しく成長しました。ドロンが、自分を助けられるのは彼女だけだと信じて協力を依頼しますが、彼女こそがワルのイザベルと釣るんでドロンに罪を着せやうとしたのであります。ファーストネームが「アウステルリッツ」である事から、ダイヤルの番号はワーテルローの日付1815618の七桁。

 サスペンスものとしては首肯出来かねる点もちらほら。横領した債券を戻す為に男に依頼する方もする方なら、受諾する方も大概であります。モーツアルトを誤つて殺した事への罪滅ぼしといふのも弱い。そもそもイザベルも「正直に話して自分で返さうか」と言つてゐるので、さうさせれば好いと思ひます。警備陣の警戒感の無さといふか、ザルのやうな布陣も気になります。

 さはさりながら、さう云ふ点もドロン&ブロンソンの好演にかき消された感があり、寧ろ面白い映画として後味が良い印象を残しました。改めて大スタアのカリスマ性に感服するところであります。それだけに細部にも配慮が欲しかつた喃。

2024/04/27

2024/04/28

77点

映画館/東京都/K’S CINEMA 
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フレンチノワール特集にてスクリーン鑑賞。ようやく!

中学生のときに本作の存在を知ってからずっと見たかったが鑑賞の機会がなく今に至り、ようやく。前半はブロンソンのウザ絡みにイライラしっぱなし、で途中から一気に面白くなる。
正直脚本は粗が目立つし、編集も雑なのだがブロンソンの「イエー」がどうにも耳に残る。ドロンもブロンソンもすごい引き締まった体で、トレーニングすごいやってた訳でもないと思うのだが確かに女はメロメロになる訳だw

2024/01/15

2024/01/15

70点

レンタル/沖縄県/ゲオ/ゲオ与那原店/DVD 
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あのCMの物まねはよくやったよ。子供だからラストの物まねは出来なかったけど。

いまどき男らしさとか女らしさなんてものは、ジェンダーレスの時代にアナクロなもの。
私も男尊女卑なんかいかんよ、とはいうものの昭和生まれのおじいとしてはこういう男くさい映画は好みなんだよねえ。普段は軟派ないくじなしのくせに、この男同士の友情にはぐぐっとくるのである。
警察に追い詰められても、アラン・ドロンもチャールズ・ブロンソンも相手の名前を言わない、仲間を売らない。これが男ぞ、というわけ。

チャールズ・ブロンソンはこの映画が撮られた時はまだアメリカ本国での人気はなかった。こうしてフランス映画でアラン・ドロンと同格の主演で迎え入れられたのは、本国より先にブロンソン人気が出ていたからだ。そしてこれがきっかけで日本でも人気が出てきた。そこで60代以上なら「う~ん、マンダム」というCMを知っている。日本での人気に目をつけての起用だった。その頃でもまだアメリカでもブロンソン人気はそれほどでもなかった。アメリカのエージェントから「なんでブロンソンを起用するんだ?他にも良い役者がいるぞ」と言われたとCMの演出を担当した大林宣彦監督は語っていた。

ともあれ、平均的な普通の男子はイケメンに反発もあってか、私もアラン・ドロンよりもブロンソンであった。ぶちゃむくれのしわしわの顔だけど、アクション映画のヒーローはハンサムでなくていい。

ブロンソンの口癖イヱ~イをドロンが大声で返す、そこで余韻を残さず、ばっさり切ってしまうラストもかっこいいなあ。今みたいに長々とエンドクレジットしない潔さも抜群だ。もっともこれは映画に関わった人は全員タイトルに載せるのが決まりになった以前の映画なのでこうなるのは当然だろう。いまだったら、このラストから延々とスタッフの名前が出てくるよねえ。

2024/01/06

2024/01/06

74点

映画館/東京都/文芸坐 
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男気溢れる犯罪ドラマ

すれ違いざまドロンがブロンソンの煙草に火をつけるラストシーンがすべてと言っていい。まさに映画史上に残る名場面。とてもカッコいい。共にアルジェリアからの復員兵だが、戦友だったわけではない。軍医だったドロンは「金庫破り」を請負う破目になり、それに押し掛けてきたのがブロンソン。当初二人は反目しいがみ合う。二人は立派な人物ではないし、優れた「仕事師」でもない。小娘二人の罠にまんま引っ掛かるのだから、むしろ間が抜けている。でも、それがいいのかも知れない。「一寸にも五分の魂」というか、そんな奴らの、友を庇う姿が心を打つのだろう。

2023/08/01

2023/08/01

78点

レンタル/大阪府/TSUTAYA 
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また観た

直訳だが邦題の響きが、アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンの二人にぴったりで、ストーリーの荒っぽさが気にならない。あのブリジット・フォッセーがこんな大人の女性になっていたというのが見られる。ラストシーンは何度観てもいい。

2023/07/16

2023/07/17

65点

選択しない 


長く感じました

もどかしい展開が続く前半に少し飽きてきました。金庫室に閉じ込められるまでが長くもう少しコンパクト&スピーディーが私の好みです。ラストであっという間の急展開でちょっと驚きました。