気狂いピエロ

きちがいぴえろきぐるいぴえろ|Pierrot Le Fou|Pierrot the Madman

気狂いピエロ

レビューの数

46

平均評点

74.1(260人)

観たひと

516

観たいひと

94

  • KINENOTE Selection映画館で観る

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 フランス
製作年 1965
公開年月日 2016/7/23
上映時間 111分
製作会社 フェリックス・フィルム
配給 日本ヘラルド映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

アメリカの小説家ライオネル・ホワイトの『十一時の悪魔』をもとに「軽蔑」のジャン・リュック・ゴダールが監督した。撮影は「二人の殺し屋」のラウール・クタール、音楽はアントワーヌ・デュアメルが担当。出演は「カトマンズの男」のジャン・ポール・ベルモンド、「スタンダールの恋愛論」のアンナ・カリーナのほかグラジェラ・ガルバーニ、レイモン・ドボスなど。日本初公開1967年7月7日。デジタルリマスター版2016年7月23日公開。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

フェルディナン(J・P・ベルモンド)は通称“気狂いピエロ”と呼ばれるカッコいい、愛すべき、反面また憂愁にみちた男である。彼は金持の妻に退屈し、無為な都会生活を逃げだしたい衝動にかられていた。そんなある夜彼はパーティで昔馴染の女性マリアンヌ(A・カリーナ)に出会い、一夜をともにした。翌朝、目覚めた彼は彼女の部屋に、首に鋏を突きたてられて死んでいる見知らぬ男の死体を見つけ驚いた。だがマリアンヌは一向に気にする様子がなく、口笛を吹きながら朝食をつくるのだった。面倒な事件であることは確かである。「わけはあとで話すから」と、彼女に手をとられた時フェルディナンはごく自然に彼女と行動を共にし、パリを逃げ出す決心をした。彼は昔よりも一層魅力的になったマリアンヌを愛しはじめていたし、愚劣な生活から抜け出せるチャンスと考えたのだ。フェルディナンはマンガ“ピエ・ニクレ”を持ち、マリアンヌは銃を持ち、着のみ着のままに彼女の兄がいるという南仏へ向けて、出発した。それは金のない、やぶれかぶれの強盗行脚で、ギャング団の争いに捲き込まれたりしたが、ふたりにとっては素晴らしい旅であった。フェルディナンの顔は底抜けに明るく、飄々とおどけてさえしていた。ある海岸ではロビンソン・クルーソーのような自給自足の生活を送っていたが、深い充実感を味わうフェルディナンと違って、マリアンヌは嫌気がさして来た。そして街に来た時、彼女は奇妙な小人を鋏で刺し殺すと、煙のように消えた。するとフェルディナンはその小人の仲間と思われるギャングに捕われ彼女の居所を言えと拷問された。マリアンヌが殺人を犯し五万ドル持ち逃げしたというのだ。居所を知らない彼は解放されて、マリアンヌを探し歩いた。やっと探しあててみると彼女は密輸団のボスと関係を結んでいた。この彼女の裏切りはフェルディナンを深い絶望に突き落した。彼はふたりのいる島へ行くと拳銃で撃ち殺してしまった。間もなく青い海をのぞむ岩壁から、フェルディナンがダイナマイト自殺をとげた白い煙が見えた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

キネマ旬報増刊 大人のシネマ・ライフ 2016Summer→Autumn

スクリーンの中の女優とともに:「気狂いピエロ」移り気な、天衣無縫の魅力―アンナ・カリーナ

1998年10月上旬号

COMING SOON【新作紹介】:気狂いピエロ

1967年7月下旬号

特集 ゴダール映画の真実:にせもの《気狂いピエロ》

外国映画批評:気狂いピエロ

1967年3月下旬号

新作グラビア:気狂いピエロ

外国映画紹介:気狂いピエロ

2016/07/23

2016/09/16

95点

映画館/東京都/K’S CINEMA 
字幕


劇映画との格闘の到達点

「気狂いピエロ」を小屋で観たのは高校生の時以来40数年ぶりでした。元シュガーベイブの寺尾次郎氏による新訳は、旧訳を覚えていないので偉そうな事を言えないものの、冒頭、保存ネガの褪色やサウンドトラックの損傷が多かった事、ディジタル修復によって今回の色にまで漕ぎ着けた事が字幕で説明されており、そうした修復に当たった方々の苦労に頭が下がりました。お陰様で、ラストの海の青さも、主人公フェルディナンが顔に塗りたくる原色のペンキの鮮烈さも、初めて観た時の色が見事に甦っていました。
「勝手にしやがれ」が米のB級アクション映画専門のスタジオだったモノグラムに捧げられていた事から窺えるように、ゴダールもアクション映画としての構えを徹底させていたのに対して、6年後に作られた「気狂いピエロ」は、内省的で思索的なゴダールが相当程度に顔を覗かせているのですが、まだ別れたばかりのカリーナへの愛が感じられる所が、映画として愛らしく、「中国女」や「東風」などの政治的プロパガンダ映画の無味乾燥とした色気のなさとは違い、映画としての艶がある点が「気狂いピエロ」の魅力です。
映画の後半、海辺でアンナ・カリーナが歌う“私の運命線”でのミュージカル的な作り(ベルモンドも時折合いの手を入れます)は、「女は女である」の頃のラヴラヴさが甦るような楽しさで、こうした楽しさをわたくしは映画としての艶と呼んだのです。中盤の室内場面でも歌が出てきた事は、今回観直すまで忘れていました。
「気狂いピエロ」は、やはりゴダール映画の中で個人的に一番好きな映画ですし、彼の才気が劇映画・商業映画と格闘していた頃の一つの到達点ではあったでしょう。

2016/09/12

70点

選択しない 


再見してえ

2014/02/03

2016/09/04

80点

映画館/東京都/ユーロスペース 
字幕


破滅に向かうピエロ

時速100キロで破滅に向かうその男を、女はピエロと呼び続けた。その呼び名に抵抗し続けた男はしかし、最期にピエロになる。
はるか昔にレンタルで知り、今回初めて映画館で観ることができた。たくさんの引用には解らないものもあるし、正直意識が遠のく部分もあるけど何か好きな映画。フェルディナンを振り回すマリアンヌを演じたアンナ・カリーナが魅力的。(子犬のポーチ、可愛い。)

1980年代

2016/08/31

70点

映画館 
字幕


「勝手にしやがれ」のカラー版といった作品。こちらもセバーグほどではないが、アンナ・カリーナの美しさが印象に残っている。ベルモンドといったら、最後に死ぬ役がハマっているね。

2016/08/13

2016/08/16

80点

映画館/東京都/K’S CINEMA 
字幕


男は女の前ではピエロでしかない

どちらかというと私の苦手なタイプの作品でしたが、それほどの嫌悪感はなかったです。
赤や青、緑等、原色の映像やファッション、小物にこだわりを感じます。
また、女は現実主義で、男はロマンチストと感じさせるラブストーリーでした。

美しい女に踊らされる男は、ただのピエロ。
殺人や窃盗を繰り返しての男と女の逃避行。
男は「破滅に向かう」と言い、
女は「破滅に向かう男を愛す」と言う。
そんな女は男のことを名前で呼ばず、ピエロと呼ぶ。
そして「彼は私の言いなり」と、男の想いが届かない切なさがありました。

ラストシーンは、まさに男が思い描いたものではなく、ただのピエロでしかなかったと思います。


今回、特集により「勝手にしやがれ」と同時期に観賞いたしました。
2作品とも、男の愛する女のためなら、殺しまでも厭わない純な愛を感じます。
その結末は破滅でしかなく、男の愛情を刹那的に描いている。
その男の生き方はバカなようにも思えますが、男の愛に対する美学も感じます。
また、画面の細部にまでこだわりを感じ、センスの良さを感じました。

1984/07/22

2016/08/14

85点

映画館/東京都/テアトル新宿 
字幕


初めての啓示

強烈な色彩が狂気、官能とシンクロして一筋縄ではいかない登場人物たちとライブにシンクロしていく。映画を見ることは物語を追うことではなく描かれている世界を体験することであると初めて啓示してくれた作品(当時のレビューより)