離愁(1973)

りしゅう|Le Train|The Train

離愁(1973)

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レビューの数

21

平均評点

79.1(101人)

観たひと

119

観たいひと

17

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス
製作国 フランス
製作年 1973
公開年月日 1975/2/22
上映時間 95分
製作会社 リラ・フィルム
配給 20世紀フォックス
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

第二次世界大戦中のフランスを舞台に、妻子ある中年男とドイツ生まれのユダヤ女の愛と別れを描く。製作総指揮はラルフ・ボーム、製作・監督は「個人生活」のピエール・グラニエ・ドフェール、脚本はドフェールとパスカル・ジャルダン、原作はジョルジュ・シムノン、台詞はパスカル・ジャルダン、撮影はワルター・ウォティッツ、音楽はフィリップ・サルド、編集はジャン・ラウェルが各々担当。出演はロミー・シュナイダー、ジャン・ルイ・トランティニャン、ニク・アリギ、レジーヌ、フランコ・マツィエリ、モーリス・ビローなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

一九四〇年、ドイツ軍はノルウェー、デンマークに侵入し、五月にはフランスにも侵入してきた。ジュリアン(J・L・トランティニャン)は北部フランスのある村でラジオの修理屋を営んでいたが、事態が切迫するにつれ、いよいよ住みなれた故郷を去らねばならぬ時が来たことを知った。この村に住んで四十年以上、きわめて単調で退屈な日々といってよかったがふと自分が住みなれた村を去るとき、自分の人生に一大転機がおとずれるのではないかと思った。やがて村人たちが列車で村を立ち退く日がきた。幼い娘と妊娠中の妻モニーク(N・アリギ)を客車に乗せ、自分は家畜車に乗らなければならなかった。その日は、フランスでも五十年に一度という絶好の春日和だった。列車は美しいフランスの田園を走る。駅に停まると待ち構えていた避難民が押しかけてきたのでたちまちすし詰めとなりその間、ドイツ軍の攻撃は日増しに激しさを加え、避難民の不安は日毎に募っていった。やがて、名も知れぬ駅に列車が停車したとき、ジュリアンは、列車に乗り込もうとして小走りにかけて来た若い女アンナ(R・シュナイダー)を見つけ、自分が乗っている家畜車に乗せてやった。彼女はドイツ生まれのユダヤ人だった。二人は自由に身動きできない貨車の中で、互いに寄り添うようにしながら旅を続けたが、殆んど口をきかなかった。しかし、二人の心は次第にたかまり、求めあった。ジュリアンは、それが不倫の恋と知りつつ、愛情は深まるばかりだった。アンナも、ドイツ軍に追われ続けた辛い過去を、ジュリアンを知ることでしばし忘れることが出来た。その頃、ジュリアンの妻子が乗っていた客軍は切り離され、行方が知れなかった。二人の乗った客車はやがて終着駅に到着した。そこで、妻が病院で男の子を生んだことを知ったジュリアンは病院に駆けつけ、その間、アンナは姿を消した。それから三年、ジュリアンは元の平凡な生活に戻った。そんなある日、彼はナチの秘密警察から呼び出しを受け、そこで、レジスタンスの一員として捕えられたアンナと再会した。係員は、彼女との関係を追求する。シラを切れば身の安全を期することは出来たが、ジュリアンはアンナに近より、抱きしめた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024/06/26

2024/06/26

100点

テレビ/有料放送/ムービープラス 
字幕


ロミー・シュナイダー

7年ぶり9回目の鑑賞。
1975年2月に封切られていたが、私はその9月から名画座を巡って4回見た。
 (新宿ロマン劇場2回、高田馬場パール座2回)

Blu-rayを購入して見ず終いの内に、ムービープラスで《4K修復》と銘打って放送したので、そちらを先に見てしまった。
Blu-rayと同じヴァージョンであると思われる。
Blu-rayのパッケージ(及びAmazonの記述)には、本篇103分とあるが再生してみれば、101分11秒である。
(ムービープラスと同じ)
オルスタックソフト販売なる会社も、いいかげんなもんである。

さて映画。
ラストシーンに向けてすべて伏線が打たれる。
ナチスから逃れる為にトランチニヤンは、身重の妻ニク・アリギと小さな娘を連れ南へ行く列車に乗り込む。
まず、女・子供用の客車と男用の貨物列車とに分かれ分かれにされる。
こうしてトランチニヤンとロミー・シュナイダーの不倫映画としての歯車は動き出す。
ロミー・シュナイダーの顔が初めて画面に現れる時、フィリップ・サルドの《愛のテーマ》が流れる。
若い頃には無かった、ロミー・シュナイダーの輝き。
ドロンと共演した「恋ひとすじに」も美しかったが。
本作のロミーの役どころは、ユダヤ系ドイツ人。
美しさに哀しみが塗りこめられている。
眉毛のメイクが絶妙。
髪型も・・・。

かなりネタバレになりました。
見てからお読みください。

SLが舞台の流麗なロード・ムービー。
むしろ終盤、列車から降りるとストーリーが若干、停滞する。
身重の妻をトランチニヤンとロミーは病院に会いに行く。
ロミーは彼の妻に会うつもりだったが、トランチニヤンがそれを拒否した。
それが彼女を決心させたと言える。

ここからラストについて。
これは悲劇なのだろうかと考えてしまう。
愛のドラマとしては、むしろ昇華された。
ハッピーエンドか。
しかし、何回見ても涙が溢れるのを禁じ得ない。

天国のジョルジュ・シムノンは「俺の原作を台無しに変更しやがって。」と怒っているんだろうな。

2024/06/24

2024/06/24

75点

テレビ/有料放送/ムービープラス 
字幕


ロミー・シュナイダーが魅力的。逃避行の列車の貨物車の中で繰り広げられるアレコレ。知らないふりをすれば男性は助かっただろうに…という最後のシーンが有名らしい。実際の映像と思われるモノクロの部分で歴史的な背景を感じることができた。

2024/03/30

2024/03/30

82点

テレビ/有料放送 
字幕


すべてが最後のシーンの前振り

すばらしいラストシーン
何も言わなくても伝わる気持ち
戦争という状況は極限状態
本当に生きていると感じられるのは
平和な時代なのか?
ロミーシュナイダーすばらしい

2023/01/10

2023/01/11

80点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕


名作です

ネタバレ

原作は「メグレ警部」シリーズのジョルジュ・シムノン。
ナチスが侵攻する戦時下のフランスが舞台。
砲弾降り注ぐ中、フランスを横断して列車で疎開する人々。
明日をも知れない極限状態では平時では許されない感情を抑えることが出来ないのは無理のないことだろう。
「この前の戦争(第一次大戦)で最後だと思ったのに…」狭い車両に揺られ老人が繰り返し呟く。

ユダヤ人である彼女はフランス国内であってもナチス占領下では身分を偽らざるをえない。同時に彼女は為すべきこと、人知れずレジスタンス活動に身を投じていた。そしてそれが最後に悲劇的な結末を招いてししまう。
頬を撫でる。涙を拭う。ストップモーション。
どうしようもなく切なくそして美しい。
名作です。

2022/11/30

2022/12/01

80点

その他/TSUTAYA DISCAS 
字幕


高級なロンドン製のクツの意味はそうだったのか

1940年、第二次世界大戦でナチスドイツの攻撃を受けた、フランス北部から避難する列車内での人間模様の中で生まれたラブロマンス。
筋は簡単で、ラジオ修理工の男(ジャン・ルイ・トランティニャン)が娘と出産間近の妻と避難のために列車に乗るが、女、子供は客車、その他は貨物車と乗り場を分けられる。そんな貨車のところへ一人の女アンナ(ロミー・シュナイダー)が現れる。男どもが皆振り返る美貌の女。妻子がありながら、この女といい中になってしまう。アンナは敵国ドイツの人間であるがユダヤ人と言うことで迫害を逃れ本国から逃げてきたとのこと。列車の終点で、普通のフランス人なら臨時の宿泊施設などを紹介されるが、ドイツ人の身元を明かせないアンナのために、男は自分の妻として登録する。これが本映画のキーポイントであった。
3年後、警察(フランス警察であるが、ナチスの秘密警察下)に呼び出され、アンナと面会させられる。最初は「知らない」と突っぱねていたが、アンナと顔を合わせると3年前の愛情が思い出され御用となる。
アンナは、レジスタンスの一員でロンドンとの連絡員であったと言うこと。アンアがロンドン製の高級な靴を履いていた訳はそうだったのです。
ロミー・シュナイダーが、旅の途中で水で体を洗うシーン。いい意味でエロさ満点でした。

2022/09/23

2022/10/09

80点

映画館/東京都/アップリンク吉祥寺 
字幕


記憶に残るラストシーン

原題は「The Train」。北部フランスにナチスが侵攻してくるというので、ラジオ修理屋のジャン・ルイ・トランティニャンは、妻子を連れて列車で疎開するが、女性と子供は普通車両、男性は貨物車両だったために、途中で別れ別れに。その後、ロミー・シュナイダーが途中駅から乗ってきて、その美貌から2人は徐々に親しくなり、彼女がユダヤ人であることを知るが、ついには停車中の夜に結ばれる。隣国に入り、列車の旅は終わり、2人は分かれるが、その3年後に“運命の再会”が待っていた。1975年の公開時に一度観ており、ほとんど忘れていたが、2人のラストカットがそのまま写真のようになるシーンは、記憶していた。ロミーの憂を秘めた“はかなげな”美しさが印象的。原作はジョルジュ・シムノンだった。