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Z

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レビューの数

21

平均評点

77.8(93人)

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142

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20

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー / 社会派
製作国 フランス アルジェリア
製作年 1969
公開年月日 1970/11/21
上映時間 127分
製作会社 ルガヌ・フィルム=O・N・C・I・C
配給 コロムビア
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ギリシャで実際にあった革新政党の政治家暗殺事件をモデルにしたヴァシリ・ヴァシリコスの小説の映画化。製作担当はジャック・ペランとハーメッド・ラチェディの二人。監督は「七人目にかける男」のコスタ・ガブラス、脚本は「戦争は終った」のホルヘ・センプランとコスタ・ガブラスの共作。撮影は「中国女」のラウール・クタール、音楽は「その男ゾルバ」のミキス・テオドラキスがそれぞれ担当。出演は「戦争は終った」のイヴ・モンタン、「悪い奴ほど手が白い」のイレーネ・パパス、「殺しが静かにやってくる」のジャン・ルイ・トランティニャン、「未青年」のジャック・ペラン、ほかにレナート・サルヴァトーリ、ジョルジュ・ジェレ、ジャン・ピエール・ミケル、ベルナール・フレッソン、ジャン・ブイーズ、シャルル・デネール、マルセル・ボズフィなど。七〇年アカデミー最優秀外国映画賞、六九年カンヌ映画祭審査員特別賞等受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

地中海に面した架空のある国で、反政府の勢力が日増しに大きくなっていった。その指導者はZ氏(Y・モンタン)であった。大学教授であり、医学博士であった彼は、党員ではなかったが、正義への情熱に燃える彼の行動は、政府を脅やかしていた。その為、政府は彼の日常に、さまざまに圧力を加えていた。そうしたある日、町で開かれた集会に、演説に向かった彼は、暴漢に襲われ、妻エレーヌ(I・パパス)の到着を前に、息をひきとってしまった。警察と憲兵隊では、自動車事故から起きた脳出血が、彼の死因であると発表。予審判事(J・L・トランティニャン)も事故死と判定し、訴訟を打ち切ろうとしたが、Z氏の友人たち、エール(J・P・ミケル)、マット(B・フレッソン)、ピルゥ(J・ブィーズ)、マニュエル(C・デネール)の証言から、本格的調査に乗り出した。そして、直接の死因が二度の頭部打撲と判明、さっそく運転手のヤゴ(R・サルバトーリ)が逮補された。そして家具師のニック(G・ジェレ)が、ヤゴの犯行を裏づける証言をしたが、その彼も暴漢に襲われ、入院してしまった。判事は調査を急いだ。そして、ニックを取材した新聞記者(J・ペラン)も、判事に協力。やがて、マニュエル、ピルゥ、ヤゴともう一人の運転手ガヤ(M・ボズフィ)が、警察組織の一員らしいことをつきとめた。もはや、政治的な計画殺人の容疑は濃厚であった。ついに、判事は意を決し、警察組織の要人を告訴。だが、この時、七人の重要な証人が突然行方不明になり、それとタイミングをあわせるように当局は、Z氏事件は警察組織とは無関係であると発表した。権力はその無気味な力で事件を闇の中につつみこみ、その混乱に乗じて権力増大をはかった。しかし、古代ギリシャ語の《Z》は象徴している、彼は生きていると。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1971年2月上旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:イージー・ライダー/サテリコン/Z/明日に向って撃て!/M★A★S★H(マッシュ)/テオレマ/王女メディア/冬のライオン/地獄に堕(お)ちた勇者ども/ひとりぼっちの青春

2021/11/09

2021/11/09

90点

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国民の統制に躍起となっている軍事国家。反対派の議員が集会を開く。そこで議員が殺されるが、交通事故として処理される。事件を糾明する検事が次々に反証していくあたりは小気味がいい。ところがこの話はそれでは終わらない。最後の最後まで緊迫感たっぷり見せてくれる傑作。実際の事件を基にした真実の重み、これがこの映画を支えている。

1991年

2021/10/06

95点

選択しない 


Zー彼は生きてゐる

 政治劇「Z」であります。1963年、ギリシャで起きたグリゴリス・ランブラキスといふ革新政党の指導者の怪死事件を、ヴァシリ・ヴァシリコスが小説化したものが原作となつてゐます。ヴァシリコスは自ら取材・調査し、結果これは陰謀、即ち軍政府側による暗殺と判明したのです。

 資料によると、ヴァシリコスの友人の一人にコスタ=ガヴラス監督の兄がゐた関係で、ガヴラスはこの小説に出合ひます。それで「これは是非映画にせねば!」と製作したのが本作であります。更にガヴラスと主演のイヴ・モンタン(=Z氏)の橋渡しとなつたのが、モンタンの妻・シモーヌ・シニョレださうです。想ひを同じくする人たちが偶然集まつて、かかる奇跡的な傑作が生れたのでした。

 しかしそのモンタン、反政府側のヒーローとして活躍するかと思つたら、前半で暴漢に襲はれて呆気なく死んでしまふのに驚きます。まあグリゴリス・ランブラキスがモデルなので、当然といへば当然ですが。本編の実質的な主人公は予審判事のジャン=ルイ・トランティニャンと申せませう。当初こそ大勢に従ひ、Z氏の死は事故死と認識してゐましたが、些細な証言から疑問を生じ、本格的に調査を開始します。また新聞記者(ジャック・ペラン)もZ氏の妻・エレーヌ(イレーネ・パパス)への取材を通してこの事件への疑問を膨らませていきます。

 そして遂にこれが軍政府と警察組織が仕組んだ大犯罪と確信します。圧力や恫喝にも屈せず、警察要人たちを次々と告発します。これがカッコイイのです。宣告を受けた要人たちは、退所する時に必ず出口を間違へるのが笑へます。予審判事の根拠は、七人もの重要な証人を得てゐた事です。ところが、告発後、この七人が次々と死んだり行方不明となるのでした......

 まだ事件の余波が生々しい1969年、制作陣も相当の圧力を感じたさうです。実際、舞台となつたギリシャは当然、スペインやブラジルなど軍政を敷いてゐた国は、この「Z」を公開禁止としました。またZ氏の妻を演じたイレーネ・パパスはギリシャ女優といふ事ですが、ギリシャへの入国が認められず彼女のシーンはベネズエラで撮影されたさうです。

 新聞記者を演じたジャック・ペランは、製作者としても名を連ね、この映画の実現に奔走しました。緊迫感溢れる音楽担当のミキス・テオドラキスもまた、思想犯扱ひで自宅軟禁中でした。実に骨のある人たちのお陰で、かかる傑作が生れたのでせう。

 しかしこれは遠い国の昔の話かといふと、さうとも云へません。外国に例を求めなくても、わが国にも同様の事が起きてゐるのではないでせうか。例へば前首相の統治下で起きた公文書改竄とか。「Aファイル」なるものが明るみに出て、当初存在を否定した国も認めざるを得ない状況になつても、再調査の必要はないと新首相は述べてゐます。まあ、問題はかういふ政府を許す国民ですな。わが国は例へば北朝鮮とは違ひ、民意を反映できる筈なのですがね。どうせ31日の投票日でも大勢は変りますまい。
 おつと、下らぬ事を申しました。愚者の戯言ですのでお許しを。

1982/03/06

2019/04/10

75点

映画館 
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ポリティカルサスペンスの佳編

ネタバレ

てっきり主役として活躍すると思っていたY・モンタンが早々に姿を消すドラマ展開に驚き、犯人たちを追い込む終盤のアップテンポな語り口にグイグイと引き込まれる。また、渋さ満点のJ・L・トランティニャンをはじめ、重厚な存在感を発するI・パパスや、「フレンチ・コネクション」シリーズで馴染みの深いM・ボズフィ、B・フレッソンといった俳優陣の滋味深い好演が素晴らしく、ともすれば一本調子になりがちな物語に活き活きとしたグラデーションをもたらしていた。

全編に禍々しい熱気を醸し出しながら、体制権力の欺瞞と暴虐を容赦なく暴き出すC・ガブラスのジャーナリスティックな創作姿勢が光るポリティカルサスペンスの佳編。

2017/01/12

2017/01/12

90点

購入/DVD 
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冒頭から衝撃的なラストまで目が離せない一級の政治ミステリー。地中海の某国・・・特産品であるブドウの病気に対する講義が行われている。傍聴者はみな歳のいった軍服姿の男たち。ブドウを守るための対策は3段階。芽が出た後、茎が伸びてきて、実の熟す前。最後に主催者が言う、国をあらゆる主義から守るためも同じことだ、と。反体制と見られる進歩的な議員が数々の妨害にもまけずに集会を開く。大勢の警官が警備していたにもかかわらず、集会が終わってホテルへ戻ろうとした時に暴徒に襲われる。単なる交通事故として処理されるが裁判に向けて任命された予審判事が少しずつ事件の真相を明らかにしていく。陰謀が暴かれていく過程は痛快。理不尽な策略が露呈して行く・・・が。その先がこの映画の凄いところ。国とは何なのか?為政者たちは何から国を守ろうとしているのか・・・。実話を元にした迫真の展開に映画の力を感じる。ミキス・テオドラキスの哀愁漂うテーマが胸にしみる。

1980年代

2016/12/19

90点

映画館/東京都 


モンタン目立つね

政治や社会を描こうとすると、途端につまらなくなるものだが、この作品はエンターティメントとして通用する映画。

2008/07/20

2016/09/06

80点

選択しない 
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初のコスタ・ガヴラス

強烈!の一言。ラストのJ・ペランが「その後」を語るのだが号泣。そしてこれが事実だったことを改めて思う。イレーネ・パパス、印象的。反核軍縮が奥底に流れている