パーフェクト・ワールド(1993)

ぱーふぇくとわーるど|A Perfect World|A Perfect World

パーフェクト・ワールド(1993)

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レビューの数

84

平均評点

78.0(766人)

観たひと

1291

観たいひと

122

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1993
公開年月日 1993/12/11
上映時間 138分
製作会社 マルパソプロ作品
配給 ワーナー・ブラザース映画
レイティング
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

脱獄犯と人質の少年との交流、そして男を追う警察署長の苦悩を描いた犯罪ドラマ。「ボディガード(1992)」のケヴィン・コスナーが主演し、「ザ・シークレット・サービス」のクリント・イーストウッドが監督・出演と、二大スターの初顔合わせが話題を呼んだ。イーストウッドの主宰するマルパソ・プロ作品で、製作のデイヴィッド・ヴァルデス、撮影のジャック・N・グリーン、音楽のエニー・ニーハウス、美術のヘンリー・バムステッド、編集のジョエル・コックス、スタント・コーディネーターのバディ・ヴァン・ホーンなど主要スタッフは、「許されざる者(1992)」をはじめとするイーストウッド作品の常連で占められている。そのほかのスタッフは、共同製作に「トイズ」マーク・ジョンソン。脚本にジョン・リー・ハンコック。共同編集にロン・スパング。衣装にエリカ・エルデ・フィリップスら。2人の主演者の脇を固めるのは本作が映画出演2本目のT・J・ロウサー、「ジュラシック・パーク」のローラ・ダーンなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1963年、テキサス州。ブッチ・ヘインズ(ケヴィン・コスナー)は、アラバマ刑務所から同じ囚人のテリー・ピュー(キース・サセバージャ)と脱走した。途中、8歳の少年フィリップ(T・J・ローサー)の家に押し入った2人は少年を人質に逃亡するが、ブッチはフィリップに危害を加えようとしたテリーを射殺する。すぐに厳重な警戒線が張られ、州警察署長のレッド・ガーネット(クリント・イーストウッド)が陣頭指揮に当たった。レッドはブッチが10代のころ、彼の更生のためを思って少年刑務所に送った当人だった。だが、ブッチはそれを契機に犯罪の常習犯となり、ついには脱獄するまでに至った。レッドは、そこまで追い込んだのは自分だと強い悔恨の念にかられ、是が非でも自身の手で捕らえねばと思っていた。犯罪心理学者のサリー(ローラ・ダーン)が同行することになり、彼女はレッドの独自の捜査に反発しつつも次第に彼にひかれていく。一方、一人前の男として接するブッチにフィリップは親しみと友情を覚え、彼のほうでも少年が気に入った。父親を知らずエホバの証人の信者である母親のもとで、宗教上の厳しい戒律から年ごろの男の子の楽しみは何一つ与えられずに育ったフィリップ。少年に自分に似たものを感じたブッチは、ハロウィンやローラー・コースターなどフィリップのささやかな望みをリストに書かせ、ひとつずつ実現させる。母と自分を残して二度と帰ってこなかった父がたった1度よこしたアラスカからの絵ハガキを大事にしまっていたブッチは、「小さな相棒」を連れてかの地を目指す。車の中で眠っていた彼らにマックという男が声をかけ、一人は彼の家に泊まった。翌朝、フィリップやマックの孫と戯れるブッチは、小さな幸せを感じる。だが、ラジオで脱獄囚のニュースを聞き、危険を感じたマックが彼から引き離そうとするあまり孫を突き飛ばしてしまうのを見て逆上する。優しい表情から一変して「孫を愛していると言ってみろ」と、狂気につかれたようにマックを脅すブッチ。フィリップはそんな姿を見てたまらず、銃で彼を撃つ。その時、捜索隊が到着し、彼らを包囲した。レッドの説得に、ブッチはフィリップに別れを告げ、少年を引き渡そうとする。だが、誤認したFBI捜査官の銃弾が容赦なくブッチの胸を貫く。その手には、あの絵ハガキが握られていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1994年2月上旬号

外国映画紹介:パーフェクト・ワールド

1994年1月上旬新年特別号

外国映画批評:パーフェクト・ワールド

1993年12月上旬号

巻頭特集 パーフェクト・ワールド:イーストウッドとコスナー

巻頭特集 パーフェクト・ワールド:プロダクション・ノート

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1993年11月上旬号

グラビア特集 :パーフェクト・ワールド

2022/10/15

2022/10/19

76点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


南部の風景が美しい

脱走犯二人組が、子供を人質にとって逃亡する。追う州警察、犯罪心理学者、FBI。そして、脱走犯と子供の間に芽生える友情。
ケビン・コスナーが犯罪者役というのは珍しい。それでも、子供との交流を通じて、いいところをさらっていく。クリント・イーストウッドは出演もしているが、あくまで脇役。自身が監督していることもあって、引いた形での出演となったのだろう。
犯罪者と子供が旅をする一種のロードムービーだが、アメリカ南部の景色が素晴らしい。親の虐待、父親の不在などの共通項から、二人は疑似親子として、旅を続ける。最後の別れはやはり痛切で、ファーストシーンにつながる。
イーストウッドの演出はよどみなく、スムーズに物語を見せてくれる。

2021/10/02

2021/10/16

70点

レンタル/沖縄県/ゲオ/ゲオ与那原店/ブルーレイ 
字幕


子役がうますぎるなあ。これもクリント・イーストウッド監督の功績かな

ケヴィン・コスナーとクリント・イーストウッド二大スターの共演というのが、本作の売りとして宣伝もそういう姿勢であった。

けれど実際に観てみるとケヴィン・コスナーが扮する犯罪者と人質にした幼子が次第に心を通わせるというストーリーだ。
恐らくはクリント・イーストウッドが監督するならば、興行的な面から出演もした方が良いんじゃないか、ということで脇役として出たんだと思う。
二大スターが対決という売りなら、ふたりが顔を合わせる場面がおおくてしかるべきだが、彼らが顔を合わせるのは最後のところに来てからだから。
クリント・イーストウッドにしてもこの作品は犯罪者と少年のかかわりが主体だということで顔見せ程度の出演にとどまっている。で、やっている役のキャラクターはハリー・キャラハンみたいなもの。いつものイーストウッドである。
態度がデカいお偉いさんには反抗的なところを見て、ファンは満足できる。

最初に頭上にいるヘリコプターを倒れているケヴィンが見つめている。そこを紙幣が風に流されている場面があり、それはラストで描かれている場面である。

冒頭ではこれは何の意味だ?と思いながらもラストまで出てこないから忘れてしまう。忘れてしまうが、ラストを観て、ああこういう意味かと納得する。最初と最後を同じ場面で収めるというのは典型的なものだろうが、主人公が銃弾に倒れるというところはニューシネマっぽい味もある。
クリント・イーストウッドはアメリカン・ニューシネマ時代にスターになったのだから、そういう風な描き方も影響を受けているだろうと思う。「ダーティハリー」もニューシネマの時代だからこそ大衆に受け入れられたと思う。ハリウッドが全盛期時代では描けない映画だし

2021年

2021/09/14

80点

選択しない 


ケビンコスナーはもちろんだが、子役も上手い。最後が切ないぐらいが印象に残ってよい。

1993/12/12

2021/09/09

60点

映画館 
字幕


コスナーファンとしては味付けがあっさりで物足りない

ネタバレ

 共にアカデミー監督賞に輝いたハリウッドの2大スターの共演、しかもコスナーが初の悪役を演じるというわけで、早くから期待に胸ふくらませて公開を待ち望んでいた犯罪ドラマです。

 「ボディー・ガード」を華麗に演じたコスナーですから、今回も犯罪者とはいえ、無実の罪とか正当防衛とか、少しは情状酌量の余地がある役柄かと思っていましたが、完全に予想は裏切られました。彼は一見普通の男のように見えますが、いったんキレると殺人をなんとも思わない非情さと、自制のきかない衝動の持ち主。その原因はどうやら彼の幼い頃の家庭環境にあるようなのです。父親や母親の愛人から受けた暴力が幼い彼の心に大きな傷を残したのでした。

 映画の展開は、娯楽色の希薄なシリアスなもので、その重さをイーストウッドは、主人公への距離を保ちながら実に淡々と描いています。夢の顔合わせとの呼び声が高かったので、2人の火花散る競演場面が見られると思ったのですが、これは肩すかし。イーストウッドは、監督に徹して、俳優としての仕事ではコスナーの引き立て役に回っています。2人が同じ画面に登場するのは、この映画の中でも数える程しかありません。

 「完全なる世界」を求めて脱獄の旅に出た主人公。少年とのふれあいに、彼は一瞬の夢を見たのかも知れません。ただ、私としては、彼がどんな世界を求めていたのか具体的なイメージが掴めませんでした。それはたぶん、主人公の過去についての説明が、イーストウッド演じる警察署長とローラ・ダーン演じる犯罪心理学者の会話の中でしか、語られなかったから? 家族の愛に飢えた主人公の生い立ち、辛かった少年時代の具体的な説明があれば、彼がなぜ子供に乱暴を働く人間に対して常軌を逸してしまうか、納得できたのではないかと思いました。

 ただ、この映画を見る前にイーストウッドのアカデミー監督賞受賞作「許されざる者」を見ておいたのは、ラッキーでした。「許されざる者」とこの「パーフェクト・ワールド」は、いわば一卵性双生児みたいなもの。2つの映画の結末はあまりに対照的で、コスナーは「許されざる者」の主人公の「報い」まで、まとめて引き受けたという感じがしないでもありません。

 出演者の中では、誘拐された少年を演じた子役が大変な好演で、コスナーはちょっと食われ気味。それに、どんなにワルぶっても、本来の美形が邪魔して追いつめられた手負いの狼という迫力に欠けました(もうちょっとダイエットすべきとの声も?)。しかし、ラストはあまりに悲惨。なにもここまで彼を汚さなくても・・・と、コスナーファンの私としてはちょっと恨めしく思ったのでした。

(1993/12/12 記)

2021/08/30

2021/08/30

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


脱獄犯と人質の子ども

脱獄犯ブッチ(ケヴィン・コスナー)と人質に取った子どもフィリップ(T・J・ロウサー)との逃避行。
父親のいない子どもはブッチを父のように親しみを持ち、おとなしく付いていく。一方ピッチも親に虐待されて育ったらしく、子どもへの愛情は豊か。
そんな二人を追い詰めていくのがテキサスレンジャーの署長のレッド・ガーネット(クリント・イーストウッド)と犯罪心理学者のサリー(ローラ・ダーン)並びにFBIの職員。
カーチェイスなどはないが、車を次々に奪って逃げる様は変にワクワクする。
最後にフィリップがブッチを撃ってからのシーンは感動もの。

2021/07/16

2021/07/16

70点

選択しない 


脱獄犯と人質に誘拐された8歳の少年の物語。
少年フィリップは、次第にブッチに心を寄せていき、友達なのか父親かのように接していく。
しかし、子供は純数なもので、ブッチを撃ったのもフィリップなら、警察からの銃撃を察知し、かばったのもフィリップだった。
短い出会いの中で、フィリップはとても成長し大きくなった。