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鑑賞日 2013/03/19  登録日 2013/03/25  評点 100点 

鑑賞方法 映画館/東京都/丸の内ピカデリー 
3D/字幕 -/-
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3時間沸き目を振らなければ傑作と思うはず

「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟(お兄さんは性転換したので、正確には姉弟)監督と、「ラン・ローラ・ラン」で新感覚映画を誕生させたトム・ティクヴァ監督の共同作品。過去から未来まで、異なる時間を生きる人々の6つの物語を繋げた超大作だ。されど、日本での取り上げられ方が小さいのは、アメリカでもそれほど高評価されなかった故。でも、僕はこの作品、実は結構、いやマジで凄いと思っています。

いろんな映画感想の中で何回かドラマの大切さについて触れてきたと思うけど、基本的に人と人が出会ったときにドラマは生まれる。元来、人は生まれたときから人と関わらざると得ない生き物なので、ドラマは生まれた瞬間から人生を終える瞬間まで続く、、、と思っているだろうけど、実はそこでは終わらない。その人が生きた軌跡は想い出として、歴史として、伝説として、書物として、何らかの媒体を通じて、次の世代に受け継げられる。そこに輪廻の考えも入れたら、、と、映画ではすごい多次元的な世界観が広がっていく。本作は、こうした人のドラマの繋がりが、大きなうねりとなり、時間が異なる人々の、それぞれの世界で働く意志として受け継げられている様を描いているのだ。

そこで、こうした大きな世界観を表現する試みとして、本作が採用しているのが、6つの物語で、同一の俳優が複数の役柄を演じるということだろう。あるエピソードでは主人公を演じ、別のエピソードでは悪役、別のエピソードではちょい役と、各世界で演じ分けていくことで断裂しそうなエピソードをうまく繋いでいく。これがそれぞれのエピソードを断片的に描きながらも、底辺ではしっかりとした枠組みを作っているポイントにもなっている。

といいことを書きながらもだが、僕自身は本作を他人にはあまりオススメしない。各時代のエピソードがちょっとずつ数珠つなぎ(いわゆるグランドホテル形式)に描かれるので、3時間近い上映時間の1シーンでも見逃すと、途端に物語に追いつけなくなってしまうからだ。これは脇見運転、居眠り運転禁止の映画。でも、全てを見終わった後には、モザイク状になった物語の中心にある芯の強いメッセージにきっと心揺さぶられることだろう。