気力を失くした父親を支える青年と、心を病んだ母親を支える少女。その二人ともを支えることになる、一度どん底に落ちた主人公。つねに複数のエピソードが同時に進行していながら、全体がシームレスな一本の流れを成しているという驚異的な語りの技術。音が各シーンをまたいで使われるのが非常に効果的で、スピード感で一気に見せる。ところで、チーとファイそれぞれの背景がゴシップジャーナリズムの標的になるのではとはらはらしたのだが、ＭＭＡ周りにそういう文化はないのかな。