「０・５ミリ」の安藤サクラが自然体の美しさだとしたら、これは鍛えて鋭くなった美しさで魅せる。それにしても最初の、小学生相手に自堕落にゲームをやっているときに掻く背中の太さはどうだ？　それが、ジムで汗を流す男に惹かれ、束の間の恋に敗れ、自らボクシングの練習に励むようになると、みるみるシャープになっていく。そして念願のリングに立ち、強敵に向かっていくときの彼女は、闘う女の美しさそのものだ。新井浩文も自身の力の限界を知った男の空虚を匂わせていい。