あの栄光よ、もう一度〉ではなく、部員の不祥事で甲子園に行けなかった過去が影を落とす屈折の物語を、汗と涙に頼らない作劇で見せるのが良い。だが、問題を起こした生徒の娘の波瑠がマスターズ甲子園の勧誘に現れ、過去を知らないからと被害者意識を募らせて当事者を思いやらない行動の数々には怒りを買うのも当然と思ってしまう。「がじまる食堂の恋」もそうだが波瑠は役以上にふてぶてしく見えてしまう。終盤は引っ張りすぎ、中井と門脇の父娘関係の結末もキレイ事すぎる。