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鑑賞日 2022/04/21  登録日 2022/04/21  評点 81点 

鑑賞方法 テレビ/有料放送 
3D/字幕 -/-
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吉村公三郎、後編(?)

公開日が同じ、しかもキネノートに《あらすじ》がないので、allcinema を信じて、こちらを後編とします。

前編で、こりゃ病院を舞台にしたソープドラマかと思った。
しかし、後編に至って、佐分利信のキャラクターが、ただの2枚目でもなく、正義の味方でもなく、悪人でもなく、ドライで冷酷で鈍感な男であることが解かってくる。
これは、映画の中に登場した男の主人公としては、かなり珍しい。
そして、水戸光子と高峰三枝子は彼に振り回される。
一途な女=水戸光子、かしこく、まっとうで、可愛い女=高峰三枝子、この描き方が繊細で素晴らしい。
極めて上質な終盤であった。
終わってみれば、やはり主人公は高峰三枝子の、純然たる女性映画。
裸足になる高峰三枝子は、「モロッコ」のマレーネ・ディートリッヒを思わせる。
まさに日本映画史上に残るラストシーンであった。
1929年、17才か18才で松竹に入社した吉村。
1939年「暖流」、時に吉村公三郎28才、高峰三枝子20才であった。