展開が激しいのは良い

　事件や事故が起こると勝手に過去にタイムスリップして事態の修復を求められる青年が、事件に巻き込まれて１８年前の１９８８年の小学生の頃と現在の２００６年の間を何度も行ったり来たりするストーリー。
　解決するためには、謎の真犯人を探し当ててその活動を封じなければならないので、過去へのタイムトラベルものとしては「修復系」というより「謎解き系」という珍しいタイプの作品。
　むしろ、タイムトラベルもの特有の、時間のズレやギャップなどの面白さの要素はほとんどないので、普通の「謎解きサスペンス」の感覚の方に近い。
　サスペンスとして観ると「巻き込まれ型」に近いので、展開が前のめりになって事態が転換するタイミングが早いことと、時代を行き来するので場面転換のふり幅が大きく、これらがダルさを感じない効果として働いていた。

　まぁ、それでも、作品の長所として挙げられるものは、「退屈しないこと」止まりかなぁ？
　犯人に殺されそうな小学校の同級生を救うために勇気を振り絞る「友情もの」の一面もあるストーリーなのだが、サスペンスと同居させるには荷が重かったかな？