小津作品との違い

　高校生2人が、川沿いの公園で座りながらたわいもない会話をしている様子を、尺の大半を使って描く作品。
　現実社会でも同様の風景に出くわしそうなほどリアルな雰囲気なのだが、仮に出くわしたとしても素通りするであろう私は、他人に関心がなさ過ぎるのか？
　そんな人にはハードルの高い作品。

　小津安二郎の作品には、
「そうなのかい？」
「そうですよ！」
のような、ストーリー展開に不必要な会話にかなりの時間を費やしていて、その雰囲気がこの作品と似ていると思った。
　あちらの「無意味な会話」は映画全体にとっては味付け程度の「手段」に過ぎなかったのが、こちらでは「目的」になっているのが、味付けの適量からかけ離れていて、しっくりこなかった原因かも。