「特定の街と年代の映画」は難しい

　グラフィティを描く若者が、伝説となるようなものを描くことを画策したり、敵対するグループとの対決姿勢をとったりする。

　こういうストーリーは、門外漢にとっては「価値のないことに夢中な人」と切り捨てやすいが、当事者にとっては人生の最大要素かもしれず、そのギャップに悩まされる。
　前半は雑談してるシーンが大半で、当人たちだけよろしくやって観客は二の次だが、空き巣を実行してドタバタする後半はドラマっぽくなって多くの観客も受け入れやすいと思った。

　普通の劇映画っぽい後半に対し、あの場所のあの世代の、他とは違う特徴が出ている前半の方がこの映画ならではの持ち味なのだろうが、そんな門外漢にとって親切ではない作風でどうやったら万人に受け入れやすい映画にできるのか？
　その答えはよく解らない。