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ちはやふる 上の句
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観始めて「表現がマンガみたいだから、ひょっとしてマンガが原作の映画?」と思った程、原作については知識なし。 「マンガみたい」と思った原因は、まず前後編2部作にする程だから、長いストーリーを限られた時間内に収めるために端折り気味で展開を速くしたことだろうが、ギャグもたくさん盛りこんでいるのを見ると、まるで退屈されるのを恐れているようにも思える。 観客のターゲットと捉えている若年層や原作ファンを特に意識すれば、そんな表現を選ぶのは正しいのかもしれない。 でも、青春映画は登場人物の心情を自分に重ねて共感することが特に重要なジャンルで、そのためには登場人物が自分を振り返ることができるポッカリ空いた時間(部活モノなら挫折中や合宿など)が必要だと思うが、本作は上記のとおりストーリーを速くすることが優先で、自分を振り返るシーンはとても短い。 また、数年前までの青春映画では、ロングショット、長回し、省略気味の台詞などもあるのが普通で、見る側が想像力を働かせる曖昧さがあったのだが、最近は本作に限らず、まさにマンガのように画はハッキリと見えやすく、台詞も解りやすさ優先で考えを言葉で発するようになっていて、想像力を働かせなくてもストーリーを追って楽しめる映画だらけになってしまい、ますます「共感」が得にくくなった気がする。 それが今の時代の観客の好みに合わせたのだとすればビジネス的には正しい選択となるのだが、映画から大切な物が失われたかもしれない寂しさはある。 前編ではかるたの競技が中心に展開するが、恋愛モノの要素も少しは感じられたので、後編の『下の句』で恋愛要素が大きくなれば登場人物の葛藤も多くなって、上記の前編で感じたことが変わるかもしれない。
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