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はなちゃんのみそ汁
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原作未読でTVドラマ化作品も未見だが、ドラマ放映時に、障害者援助のチャリティ番組なのに代替医療を肯定する内容に批判の声が上がっていたのは目にしていた。 本作を観て現実を想像すると、母親はみそ汁をはじめとした食事を神格化して、その信仰心の象徴であるみそ汁を娘に対して根拠もなく押し付けているので、まるで「カルトにハマった母と子のイメージどおり」が実際だったかもしれないと思ってしまう。 みそ汁だから大ごとにならずに済んでいるが、ちょっと状況が違えば「はなちゃんの謎の茶色い水」だったかもしれないのである。 祈祷師を信じて糖尿病の子どもを死なせたり、首をひねるズンズン運動で乳児を死なせたりなど、ニセ医療やスピリチュアルがらみの重大事件は今でも尽きることなく、軽々しく肯定することは反社会的である。 しかもここでは父親は新聞記者で、ニセ医療の事件が多数存在する社会事情により精通しているはずなのに、何の疑いもなく妻が得体のしれない液体を飲むのを見てるなんて、無知の罪深さは結果オーライで済まされない。 以上のことが想像される実話を映画化した本作は、象徴としての「みそ汁」含めた食のイメージや親から子への伝承は脇へと追いやられ、物語の中心は「難病でも明るく前向きに、短くても有意義な人生をおくれた幸せ」を描くことになっていた。 ニセ医療色はマズいと判断して意図的に排除したのか、阿久根監督が脚本を担当した『ペコロスの母に会いに行く』の「ハッピー難病路線」を継承した結果なのかは不明だが、劇映画として気持ち良い作品になったのは良い結果だと思う。 それに、第一の貢献者は主題歌の一青窈かも。 とはいえ、前述のような事件を後押しする恐れのある「科学的根拠もなく食べ物を美化する」ような映画を「文部科学省選定」にしてしまう行政の無能ぶりは許しがたい。 「科学」の文字はお飾りなんすか???
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