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鑑賞日 2026/01/17  登録日 2026/01/18  評点 50点 

鑑賞方法 映画館/東京都/TOHOシネマズ日比谷 
3D/字幕 -/字幕
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語らない映画

エアロビクスでスタイルのいい女性のヒップが映し出される。その肉感を冒頭で強烈に印象づける映像。それを見て騒ぐシールズ(海兵隊)の兵士たち。

本作は、監督レイ・メンドーサ(ディファラオ・ウーナ・タイ)自身と、彼の仲間たちの記憶だけを頼りに、ラマディの戦いをそのまま蘇らせようとする映画だという。その試み自体がすでに凄まじい。

「アメリカン・スナイパー」や「フルメタル・ジャケット」を思い出す。戦争という現場に足を踏み入れた瞬間、あらゆるものが失われていく。見えない敵からの攻撃と、自分が放つ銃弾の行き先が交錯する戦場。その極限のリアルを、ほとんど加工せず映像に落とし込んだ本作には、背筋が凍る。

仲間を救出するため民家を離れようとした瞬間、巨大な爆発が起き、数人の兵士が死傷する。劇場では、この場面で飛び上がるように驚く観客が目についた。その後は、負傷兵を戦車に乗せて撤退するまでの展開がリアルタイムに続いてゆく。道端に散乱する人間の足や腕、それらを踏み潰して進む戦車。えぐり出された負傷兵の傷跡。それらすべてが、冒頭のエアロビ女性のヒップと強烈な対比を成す。

なかでも最も印象的だったのは、隊長(ウィル・ポーター)が指揮を放棄する瞬間だ。仲間の負傷を目の当たりにし、動揺する彼の心理が痛いほど伝わってくる。「全員生きて帰ること」がミッションとされるシールズのリーダーが、ショックのあまり判断を失う。その姿は、第二次大戦中の日本軍が掲げた「生きて虜囚の辱めを受けず」という玉砕思想とは、あまりにも対照的だ。

心臓の高鳴りが収まらないまま映画は終盤へ向かう。ラストシーンでは、シールズが去った町の道路に、イラクの反乱軍が忍者のように集まってくる。その光景で映画は終わる。

この映画は、結局のところ何も語らない。ただ残酷さだけを置き去りにし、説明も主張もしない。
しかし、その「語らなさ」こそが、この映画の唯一の主張なのかもしれない。