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医の倫理と戦争
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少なからず、この映画が世の中から埋もれてしまうことのないよう、強く願わずにはいられない。戦後80年、残酷な過去の記憶が薄れかける中、映像として残された証言の数々は、非常に貴重で重要だ。政治家の方々にもぜひ観てほしい作品である。 医療の教育現場では、「平和」について学ぶ機会がほとんどない。しかし、この映画はその理由を掘り下げる過程で、かつて森村誠一さんが著した『悪魔の飽食』に記された、石井四郎をリーダーとする731部隊の実態を浮かび上がらせる。人体実験で“丸太(マルタ)”という検体が減れば、満州から次々と罪もない人々が捕らえられ、実験にさらされ、遺体は焼かれていった。その告白をする当時少年兵だった医師たちの証言は淡々としているが、心をえぐる迫力がある。 731部隊の残酷な行為が語られる一方で、現代の日本では超高齢化社会を背景に、医療費の大幅削減を掲げる政党が勢力を伸ばす。高齢者の終末医療を軽視する姿勢は、過去の残虐行為を想起させるほど冷酷だ。しかし、この映画は、そうした現実を直視する重要性を私たちに問いかける。 医師たちの証言からは、忸怩たる思いと、患者を救おうとする揺るぎない信念が表情に滲む。そして映画は、命を守る行為こそ、法律や国家の圧力に左右されないことを示す。どんな状況でも、治療の行為には倫理が最優先されるべきなのだ。 また、外国から連れて来られた人々が、保険証がないことを理由に治療を受けられず命を落としていく現実も描かれる。法律や国家の枠を超えた人道支援の重要性を、静かに、しかし力強く私たちに伝えてくれる。 この国はデフレや効率だけを理由に、倫理を捨て去ろうとしているのか――。倫理を軽視することで戦争への道が開かれることは、言うまでもない。だからこそ、この映画は今、私たち一人ひとりに観るべき必然性を示している。
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