パスワードを忘れた方はこちら
※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。
メールアドレスをご入力ください。 入力されたメールアドレス宛にパスワードの再設定のお知らせメールが送信されます。
パスワードを再設定いただくためのお知らせメールをお送りしております。
メールをご覧いただきましてパスワードの再設定を行ってください。 本設定は72時間以内にお願い致します。
戻る
KINENOTE公式Twitter
映画・映画人登録リクエスト
非常戒厳前夜
Like6
韓国のドキュメンタリー映画『非常戒厳前夜』の原題は「押収捜索:内乱のはじまり」。その名の通り、描かれるのは内乱の始まりであり、決して終わりではない。 映画そのものの感想はここでは控えるが、公開初日の舞台挨拶でニュース打破の三人が語った言葉は重い。監督でありニュース打破の代表でもあるキム・ヨンジン氏は、日韓が隣国でありながら、伝わる情報がまるで異なる恐ろしさを指摘する。ユン・ソンヨル前大統領が戒厳令を発した日の報道について、フジテレビや日本テレビはユン氏を支持するような報道を続けたという。この事実は、日本のメディアの盲目さを如実に示す。 ニュース打破のメンバーは、国営放送KBSを離れ、企業広告などの外部資金に頼らず、会員の支援だけで成り立つ独立メディアだ。彼らの一貫した姿勢は「権力の監視」。一方、日本のメディアは国家権力に取り込まれ、企業広告がなければ活動は困難になる。そんな彼らに「死刑」との言葉まで投げかけられる現実の恐ろしさを、この映画は描き出す。 ジャーナリストの岡本有佳氏によれば、戒厳令後に国会を囲んだ市民は約200万人に上り、特に若い女性が多かったという。それは、戒厳令以前からユン政権に女性蔑視の姿勢があったことを物語る。また、ユン氏が大統領就任前に検察庁トップだったころから疑惑が存在したにもかかわらず、止められなかった現実もまた、韓国社会の深い闇を示している。 株価操作を行ったユン氏夫人、キム・ゴンヒ(8月逮捕)の事例は、日本なら安倍昭恵氏の状況に相当する。しかし日本のメディアも検察も動かない。この日韓の差は、強く認識すべき現実だ。 映画のラストには「美しい山河」が流れる。この曲はチョン・ドファン政権時代に発禁処分となった名曲で、韓国の観客は最後の演奏に拍手喝采を送るという。 安倍晋三政権以降、日本は政治も経済も危機的状況に陥った。三権分立もおぼつかず、社会は陳腐化している。日本人が学ぶべきは、この映画が示す韓国の誠実なメディアの姿勢にほかならない。のではないか。
鑑賞日
登録日
評点
鑑賞方法
送信