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私たちが光と想うすべて
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タイトルとは裏腹に、この映画には全体を覆う暗さがあり、光はほとんど感じられない。それでも、ドキュメンタリー出身の若きパヤル・カパディア監督が長編第一作として選んだ本作は、溢れんばかりの才能がこぼれ落ちる傑作だ。 物語は説明を排し、三人の女性の日常を静かに追う。 夫に去られた医師のプラバ。彼女と同居する看護師アヌは、交際相手がムスリムであることを家族に隠している。もうひとりの同僚パルバティは、立ち退きの危機に直面しながら労働運動に奔走する。 印象に残る場面が二つある。ひとつはプラバが補聴器を使い、さまざまな音を拾った末に自らの心音を聞く場面。もうひとつは、パルバティの引っ越しを手伝い、海沿いの田舎の古い家でブレーカーを入れても電気がつかないと知ったとき、アヌが「電気もつかないの?」とつぶやく場面だ。心音で生を確かめ、光すら届かない場所で暮らすことを選ぶ——そこに都市化の影をえぐる本作の核心が垣間見える。(主人公が屋外で用を足す場面も同じ主題を補強している。) インド映画では本来大きな存在感を放つ男性たちは、ここではほとんど影が薄い。ムスリムの恋人も弱々しく、まるで現代インドのヒンドゥー・ポピュリズムの影に隠された現実のようだ。都市化と格差拡大の中で生きる厳しさ、そしてインドにおける多産の問題までもが、さりげなく提示される。 インド映画として初めてカンヌでグランプリを獲得したのが、女性視点で暗闇の中のわずかな光を探す作品であることは、皮肉であり象徴的でもある。限られた光しか与えられないインドの女性たちの姿が、深く胸に刻まれる。 プラバが海で気絶した男性を救い看病するしーん。そしてラスト、夜の海辺でほんのりと光がほとばしるシーンは、静かながらも劇的で、心を揺さぶられた。
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