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がんばれ!ベアーズ
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監督を演じるマッソーも、ヤンキースの監督(なんとビッグ・モローが演じている)も、頭にあるのは“勝つ”ことだけだ。弱小ベアーズも常勝ヤンキースも、指導者たちの関心は子どもたちではなく、勝利そのものに向いている。彼らの背後にある資本や大人の都合が、“勝利”を目指す行動をインセンティブとして駆り立てているのだ。 しかし、本来、大人の役割とは、子どもの成長を見守ることにあるはずだ。 この映画で最も心を打つのは、そうした大人たちの価値観に対し、子どもたち自身が自分の意思で立ち向かおうとする点である。たとえば、バイクを乗り回すケリー・リークを監督がスカウトし、守備位置を超えてボールを取るよう指示したことで、チームメイトとの間に軋轢が生じる。これは、学校や職場における“協調性”の問題にも通じる人生の縮図だ。 そして皮肉なことに、最も社会性を欠いているのは、実は監督自身だと気づかされる。 アマンダ役のテイタム・オニールは、この映画の柱とも言える存在だ。彼女は、酒に溺れた監督を立ち直らせようと奮闘し、チームに活気を与える。その演技は堂々たるもので、マッソーとオニールというアカデミー賞俳優の共演が、この映画の魅力を何倍にも引き上げている。 弱小チームが強豪ヤンキースに善戦するクライマックス。最後の最後で、監督はベンチにいた選手をバッターボックスへ送り出す。守備でも足を引っ張っていたライトの選手が、誰もが諦めかけたホームランボールを見事にキャッチするシーンには、映画館で鳥肌が立つほど感動した。 今観ても、その感動はまったく色あせない。心から「素晴らしい映画」だと思う。
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