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選挙と鬱
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感動に震えた。「センキョナンデス」「Revolution+1」そして「妖怪の孫」や「国葬の日」など、コロナ禍で行われた選挙を映像化した作品をある意味で総括するような傑作だ。映画に使われる文字や音楽が、なるほど「桃鉄」から引用していることも理解できた。岡山出身の水道橋博士が桃太郎となって悪を退治する・・・はずだった物語。 冒頭の国会議事堂のシーンは、青柳監督の「東京自転車節」のラストと重なる。本作があの映画の続編的位置にあることを示す。 博士がスラップ訴訟法を議員立法化するために立候補してから本気のスイッチが入り、日本のあちこちで遊説する姿の向こうに、自民党の悪党政治家や立憲の愚か者(両党は同じ穴のムジナ)など、様々な人物たちの向こうで、安倍晋三が射殺された直後、やはた愛さんが演説で恐怖にかられるシーンが極めて印象的だった。博士たちが駅弁を買うシーンで一瞬暗転して銃声が聞こえる。政治は命をかけて戦うものなのだ。しかし博士はここで当選し、映画はテロップを流して終わる。と思ったら、映画の終盤になってやっと映画のタイトルが示される。 博士が議員を辞職するときの山本太郎さんの表情と言葉もまた感動的だ。「休める社会、やり直せる社会」。映画はこの言葉を軸に成立する。博士がウーバーの配達先で叱られて「もう終わりかな」とつぶやくかたわらで、青柳監督が「なに言ってんですか、まだ始まっちゃいないっすよ」のひとことで見ている我々も救われた。 思えば青柳監督自身も自ら自転車をこぎ、「フジヤマコットントン」で施設の方から「仕事とは何か」と問われた思いなどが、この映画のすべてに行き渡ってる。博士が病の倒れてお蔵入りになるはずの映画が、これほど人間的な作品に仕上がったことを祝福したい。素晴らしい映画だった。
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