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ドーナツキング
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いくつか感動するシーンがある。ひとつはフォード大統領やカーター大統領のメッセージ。彼らは移民を受け入れ、彼らがアメリカに利益をもたらしてくれることを確信している。我々はみな移民だと断言する姿勢が胸を打つ。ひろく言えば、人類はみな同じなはずだ。過去の大統領が打ち出した確信に満ちたメッセージは、たったひとりの人物(現在の大統領)にかき消された。 1970年代のカンボジアの大虐殺がどれほど残酷なものだったか。移民としてアメリカに来たテッドさんと家族がどれほど過酷な生活を強いられたか、そしてその先に勤勉な彼らがどれほど莫大な利益を得てそれらすべてを失ったかを描く。 カーター大統領は「移民が将来アメリカに利益をもたらす」と言ったが、テッドさんが注ぎ込んだラスベガスへの投資は、彼と彼の家族だけでなく、同じカンボジアからアメリカを目指した多くの移民たちの財産と信頼を失った。移民がネガティブな意味でアメリカに資産を還元したということか。 それでもテッドさんを彼の親戚筋が信頼して疑わないのは、彼が得て失った利益以上に大勢の人を幸せにしたからにほかならない。移民に仕事をもたらし、彼らのつくるドーナツで多くの常連客を喜ばせたか。財産はかならずしも金銭だけではないということだ。 この映画でも語られるが、貧しい移民が子どもたちに自分たちのような苦労をさせまいとよい教育を授けると、親の仕事を継がず独立してしまうジレンマも紹介される。 人の人生を描きながら、経済の膨張と転落を重ね合わせる素晴らしい映画だった。
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