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ツイスターズ
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竜巻を手なずけようとする主人公の姿勢は、最後の「フランケンシュタイン」が上映されている映画館に重なる。メアリー・シェリー原作の古典もまた、フランケンシュタイン博士(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ドクのモデル)が怪物を手なずけようとする(ロデオのシーンも手なずける意味がある)ものの、手に負えなくなって最後に凄まじい戦いになる。敬虔なクリスチャンであるリー・アイザック・チョン監督が、旧約聖書から乗り越えられな苦難はない(コリントの手紙)、というメッセージをこの映画に込めたことは容易に想像できる。 チョン監督の狙いはほかにも読み取れる。 主人公のケイトが学生時代の仲間ハビ(旧約聖書のハビルという遊牧民を連想させる)とともに活動するが、実は彼らの背後には被災者に塩を塗るような強欲な資本家が存在していることに気づく。対して、見るからにチャラいタイラーたちが、実は自分たちの利益を度外視して家を失われた人たちを助ける活動をしている、という対比は、新自由主義経済における現代社会そのものの問題点を鋭くくり抜いていいる。 さらに、「オズの魔法使い」を重ねて、竜巻を立体映像に取り込もうとして失敗するのは、カカシ、ブリキ男、そして勇気を失ったライオンを主人公に当ている。彼女は竜巻に魅せられた存在でありながら、学生時代に失った友人たちのことがトラウマとなって、勇気を失っていた。その勇気を再び奮い起こさせるのがタイラーだ。 竜巻という怪物を制御不能な自由主義経済(あるいはと例えれば、主人公をはじめとする献身的な姿勢は、反ユダヤ主義的な側面を抱えるものの、広く宗教的で哲学的な要素の濃い内容となっていて見応えがある。もはや世界は手に負えない竜巻に覆われてしまったのではないかと思わせる。
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