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教皇選挙
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アカデミー賞を受賞できなかったが、この映画が2024年を代表する傑作であることは誰も否定しないだろう。むしろ受賞しなかったことでアカデミー会員の(あるいは世界の)趨勢を占う意味で、未来に語り継がれる作品となったと思う。すごい映画だ。 何がすごいかというと、この世の中が強引に導かれようとする宗教の誤った解釈、そして宗教以外のあらゆるものが巨大な資本と権力に押しつぶされようとする中で、この映画がこれらの趨勢に抗おうとするものであるからだ。候補者に次々と降りかかるスキャンダル。脱落者を生み出す選挙行動は神のことなどお構いなし。司教たちの神を冒涜するような行為を見せつけられる映画。 教皇が死んで、密室の中で進む選挙。この映画は始終密室の中で進むドラマだが、とてもいいシーンが終盤に用意されている。テロにより建物が破壊されたあと、最後の投票となるとき、ノートがカタカタと音をたてる。そう、これは密室で繰り広げられる戦争に風穴を空けて、風通しのよい社会にバトンを手渡そうとする神の導きのようだ。 建物が破壊されたときの議論がとても熱い。敵が押し寄せているから力強いメッセージ(イスラム教への対抗措置、911を言っている)を発するべきという強い意見を述べたあと、この選挙の108番目に選ばれたアフガニスタンで活動するメキシコの司教が「あなたは戦争で人が死ぬのを知らない」とささやく。 われわれは戦争で人が死ぬのを間近で見ることはできない。そしてあらゆる偏見が暴力装置となって暴走することにも気づかない。この驚くべき顛末も、バチカンがあらゆる批判の渦に巻き込まれていることへの問題提起となっている。 少なくとも我々はこの映画を見過ごしてはいけないと思う。
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