パスワードを忘れた方はこちら
※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。
メールアドレスをご入力ください。 入力されたメールアドレス宛にパスワードの再設定のお知らせメールが送信されます。
パスワードを再設定いただくためのお知らせメールをお送りしております。
メールをご覧いただきましてパスワードの再設定を行ってください。 本設定は72時間以内にお願い致します。
戻る
KINENOTE公式Twitter
映画・映画人登録リクエスト
Playground/校庭
Like3
この映画をひとつのキーワードでまとめることはできないが、敢えて言うなら「抱擁」か。冒頭、兄や父と別れたくないノラが涙をボロボロ流しながら抱擁するシーンから始まり、ラストシーンではまるで違う抱擁が待ち構える。抱擁と抱擁の間に、社会の暴力構造が描かれる。それは誰もが子どもの頃にいちどは感じたことなのではないか。いじめられたくないからいじめる側にすり寄る。それは正しいことを捨てて、否定されるべき政権にすり寄る愚か者たちが見える。 友達ができないノラは休み時間に兄を探すが、兄は体の大きい生徒からいじめられている。兄はそれを他言するなという。がまんしきれずノラは父親にそのことを言うが、そのことで兄は友達を失い、八つ当たりでノラのことも遠ざける。 友達を失った兄は次にほかの生徒をいじめる側になる。それを必死に止めようとするノラ。この変化には父親の存在も垣間見える。家事をしているという父親のことをクラスメートが問いただす。ここで示される格差。友達の誕生日に呼んでもらえないノラが暴れる。ノラを理解してくれた若い先生も去り、ノラは孤立する。時々プールで息を止めるシーンは、映画全体の息苦しさを象徴するようだ。ふたりにどうやら母親がいない。家事をするという父親は失業中か。学校と怒ると手をつけられない父親の両方から迫られる抑圧は、まさに逃げ場のない「ひとつの世界(Un Monde)」だ。 それにしても、この子どもたちは本当に演技しているのか。カメラが子供に近づき表情だけを追う。そのリアルな表情とセリフ。これが演技だとはとても思えない。
鑑賞日
登録日
評点
鑑賞方法
送信