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鑑賞日 2025/03/16  登録日 2025/03/16  評点 94点 

鑑賞方法 映画館/東京都/TOHOシネマズ日本橋 
3D/字幕 -/字幕
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アナキン

「オズの魔法使い」西の悪い魔女エルファバの視線から描く壮大な物語。生まれながらに緑色をしたエルファバは親にも見放され、妹の入学に付き添った学校の校長に見出されるが、グリンダほか学友に無視される。

この映画でグリンダは目立ちたいだけの金持ち娘。自分に注目を集めるためだけの存在。グリンダをポピュリズムとすると、孤立するエルファバは個人主義。しかし彼女の魔法の才能が違う形で利用されようとする終盤の展開は胸が痛くなる。

オズの魔法使いに会って、この国の平和を守るため敵を作る必要があったと告白されたエルファバはほうきを持って自らの力で空を飛ぶ。彼女の大きなパワーはまるでアナキン・スカイウォーカーのようだ。その力は本来、世界にバランスをもたらすはずのものだった。しかし彼女は西の空に向かって飛び去ってゆく。

そしてこの物語はさらにつづいて行くのだ。

エルファバを演じたシンシア・エリヴォはナイジェリア難民の娘でイギリス人。そしてバイセクシュアルだと聞く。彼女が熱唱する『Defying Gravity』こそがこの映画のテーマであり、エリヴォが歌う熱きメロディーに涙する。

この社会に本当の救いはあるのだろうか。続編にその答えのヒントがあるのかもしれない。