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TATAMI
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驚くべき実話。この作品の共同監督が映画の中のガンバリ監督(イラン人)で、もうひとりの監督ガイ・ナティフ氏がイスラエル人。パレスチナ人に協力するイスラエル人を描くドキュメンタリー「ノー・アザー・ランド」にも共通する、戦時敵対国が協力して作られた映画。 主人公レイラの夫と息子が、砂漠の中を命からがら逃げる先はおそらくトルコだろうが、「葬送のカーネーション」で老人と少女がさまよう砂漠やベラルーシの国境を描く「人間の境界」などを重ねる。これらの作品がTIFFで紹介され、世界に現実を知らしめる役割を果たしているとしたら素晴らしいことだと思う。映画や文化が政治を変える可能性に心を委ねる。 この映画のポスターを最初に見た時(2023年TIFF)、日本人ならどうしても見たいと思わせる。女性がかぶるヒジャブと柔道着。その強い眼差し。この映画で苦し紛れにヒジャブを脱ぎ捨てるシーンは涙を誘う。 実際の事件は男性の柔道家に襲いかかった事件だったが、それを敢えて女性にしたところに作り手の強い意思と世界を覆う意味がある。アメリカの大統領がジェンダーを根こそぎ否定するような発言を繰り返す中、このドラマの矛先に向けられた先はイランだけではあるまい。 冒頭のバスの中でカメラが人物を追い、通路の両サイドに座るレイラ選手とガンバリ監督が、ラストでふたり並んで外の景色を見ているシーンへと飛躍する演出をはじめ、柔道シーンや会場を取り巻く空気、そして彼女たちに差し迫る国家権力の恐ろしさがサスペンスフルに描かれていて見応えがある。 しかし同じイラン映画「聖なるイチジクの種」もそうだが、これらのドラマの向こうで実際に命の危険にさらされている人たちにとってはドラマどころではない。生きるか死ぬかは競技ではなく、自分たちの命そのものなのだ。
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