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真昼の決闘
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フレッド・ジンネマン監督のキャリアを決定づける傑作。「地上より永遠に」「わが命つきるとも」「ジャッカルの日」などの代表作に加え「もう終わりにしよう」(Netflix配信映画)のネタにも使われる「オクラホマ!」も重要だ。ウィーン出身で苦労人のジンネマン監督が、カール・フォアマン(ノンクレジット)の脚本に感銘してこの作品を演出したことの奇跡を感じる。 何しろ主題歌が雄弁に物語を説明する。 ♫私を見捨てないで、嗚呼、愛しき人よ あなたは花嫁としてあの約束をした 悲嘆に暮れていているであろうけれども、離れていくことを考えないで 今こそ、私はそばにあなたを必要としているのです♫ この歌詞の最後がまさに非暴力主義ののクエーカー教徒(ユダヤ人の隠喩)である妻への助けを求めている。冒頭のシーンで流れる主題歌で、主人公保安官(ゲーリー・クーパー)が街を浄化して妻(グレース・ケリー)とともに新天地に去るためにバッジを置くシーンから始まる。 保安官が捕まえた悪漢フランク・ミラーが戻ってくると聞いて、死刑判決を下した判事が荷物をまとめて出てゆくシーンで印象的に映される”椅子”。この椅子はおそらく死刑にするための椅子をイメージしているものだろう。 保安官が街の人たちに助けを求め、教会にまで掛け合っても相手にされず、むしろ悪漢のフランクがこの街を牛耳っていた頃のほうがよかったと言う人までいる。メキシコ人の娼婦の揺れ動く心情と、妻となったエミイの心情の差異などが交差する人間関係は、正義が必ずしも大衆に支持されない現実を如実に示すものだ。 「赤狩り」を背景とするこの作品の凄さを、単に映画を見るだけでは理解が及ばないだろう。保安官が孤立して悪と戦うという単調なドラマの裏には、この映画に対するとてつもない弾圧があったことを理解するべきだ。そして非暴力主義の妻が、悪漢たちに立ち向かうシーンの意味も深い。戦わなければならないときがあるということだ。
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