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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方
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トランプが家賃督促をしていたというシーンが最も違和感があり、驚いた。まず、彼の家族が描かれる。厳しい父親はパイロットの兄をコテンパンになじる。この父親像にまずはフォーカスされる。そして稀代の弁護士ロイ・コーンとの衝撃的な出会い。愛国者であるコーンの薫陶を受けて徹底的に敵を調査し裏から圧力をかけて要求を飲ませる。トランプの原点はここにある。「攻撃、攻撃、攻撃」そして「すべて否定」「負けを認めない」という妥協のない姿勢がトランプを作り上げる。政府の中にいるゲイを徹底的に追い出そうとするコーンの姿はまるで赤狩りのようだ。(コーンは実際に「赤狩り」に加わっていた。)彼は自分自身がゲイであることを利用して、そのネットワークで政府内にいるゲイを探し出すのだ。 しかしトランプは不動産王としての地位を確立する過程でコーンを見限る。そして自分の見た目を気にするあまり、脂肪吸引やハゲ隠しの手術を受け、つねにテレビ写りを気にする。このなまなましい手術シーンは痛い。トランプが自身の中で痛みを抱えて生きているとはとても思えない。自殺した兄や、認知症気味の父親に対しても残酷だ。そして最初の妻すらにも飽きてしまう。 こうした結果、彼は常に孤独ではあるが、すべてをカネの力で解決していく。行政だろうがなんだろうが強引な姿勢でルールを変えてしまう。最後、エイズになってしまったコーンに対しても残酷な振る舞いをする。そしてラスト、彼の眼差しの奥には、窓越しの星条旗が翻っているのだ。 こうした映画を大統領選の最中に撮れるアメリカは偉大だ。これまでは。しかしこれからはトランプによってあらゆる弾圧が行われ、これまでのアメリカが消えてゆく可能性もある。不穏な気持ちにさせる映画。傑作だ。
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