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鑑賞日 2025/01/12  登録日 2025/01/13  評点 65点 

鑑賞方法 映画館/東京都/シネマカリテ 
3D/字幕 -/字幕
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エールを贈るしかない

桜井さんのこだわりと、それが結実するジミー・ペイジ本人が桜井さんのライブを見に来るシーンまでの前半で、この映画の大半か語り尽くされる。日本人にとって、ジミー・ペイジをそっくり真似した日本人が本人に評価されるなど想像もできないことだ。

しかし彼がアメリカに活動範囲を広げてからの苦悩の時代が始まる。完璧なツェッペリンを目指すか、聴衆が聞きたい楽曲を提供するか。かつて黒澤明監督がハリウッド映画に挑戦することを阻まれたようなことになってくる。より完璧を目指すあまり、メンバーやコストが失われてゆく。独りよがりなミスタージミーは孤立してゆく。

それでも彼を救う神が最後に現れる。その後の彼の活動を評価することはできないが、行き詰まった彼の存在はある種の救いによって見出される。

桜井さんの人生を自分に置き換えることなどできないが、誰もが憧れたツェッペリンを自ら実現し、60歳を過ぎてもまだ高みを目指そうとする完璧主義者にエールを贈るしかないだろう。