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シング・フォー・ミー、ライル
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バーナード・ウェーバーが1965年にリリースした原作の映画化。ウェーバーの児童小説は広く愛されていて、おそらく日本の反響では想像できないほどこの映画もまた広く愛されることだろう。 ライルをミュージカルにするというチャレンジは、とてつもなく普遍的なことだと思う。 この映画の冒頭で家族がニューヨークに引っ越して来る。三人の家族にはそれぞれに抱える見えるようで見えない悩みがあって、わるいことに同じアパートの下の階には口うるさい住民が住んでいる。(しかしこの家の猫ロレッタもまたライルと友達になる。) 都市で生活する者が何かしらの傷を背負っていて、それをクロコダイルが気づかれないように解決する。こう書いて気づくのは「三十四丁目の奇跡」だ。ウェーバーが「東88番街の家」という作品をリリースしたことと、同じニューヨークイーストで起きているドラマは薄っすらと重なる部分があるようだ。都市で生活して失う夢だとか希望が現実にどんどん消されてゆく。夢は夢でしかない、という現実に消された希望を呼び戻そうとする話は極めて普遍的だ。サンタとクロコダイルがここで重なる。 ライルもまたどこかで捨てられた、失われた存在で、彼は歌うことでしか自分を説明できない。しかし大勢の前に立つと緊張してそれも表現できない。おそらくこの映画とこの物語の共感を呼ぶ部分はここではないか。誰もが抱く心の傷。それを誰も自ら説明できない。都市に押し潰されてゆくジレンマをこの映画は見事に具現化していると感じさせる。
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