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鑑賞日 2018/08/06  登録日 2018/08/19  評点 68点 

鑑賞方法 映画館/宮城県/チネ・ラヴィータ 
3D/字幕 -/字幕
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ジャンヌ・モローなら男が溺れるのも納得

 先日観た「エヴァ」より、より現実味を帯びた作品に感じられた。ジャンヌ・モローが良かったのか、脚本が良かったのか、あるいはジョゼフ・ロージーの演出が良かったのか。モノクロ映画なんだけど、映像も綺麗だった。劇作家として成功するより、映画の原作者として成功する方が一時金の額は大きいように思うし、小説が売れればとりあえず印税は入り続けるので何とか生活は出来るという件はなんとなく納得してしまった。エヴァはお金にしか興味がなく、金を持たない男は可哀そうな人に過ぎない。そんなエヴァにお金をつぎ込む男たちの気持ちはどうしても理解できなかったが、そういう人もいるんだろうなあと思わないと成り立たない作品でした。これがアダムとイヴのイヴとどうかかわるのかは結局わからなかったが、映画の冒頭とラストでアダムとイヴの像が描かれていることを考えると、女性の根源的なものを示したかったんだろうか。でも、それって何なんだろう。娼婦ということを除けば、男に従わず自分の信念のみで行動する女性であるエヴァはあの時代の女性を縛り付けていた常識を覆すものだったんだろうか。何にしろジャンヌ・モローなら男が溺れるのも納得できる感じでした。

あらすじ:タイヴィアンは「地獄の異邦人」という小説を書いてベストセラー作家となり、それが映画化され一躍時の人となり裕福になった。ヴェネツィア映画祭に招待され、映画プロデューサーのブランコから新作小説を書きそのシノプシスに3万ドル出すと言われていた。またブランコの秘書のフランチェスカと婚約していた。そんな折、雨の日ヴェネツィアの運河沿いの一軒家、ボートが故障したカップルがその家に接岸し侵入した。女は持参のプレイヤーでビリー・ホリデイを聞きながら風呂に入っていた。そこへ借主のタイヴィアンが戻ってきて男を追い出し残った女に魅せられてしまう。しかし関係を迫ると灰皿で殴られ気を失ってしまう。ローマでその女エヴァと再会したタイヴィアンは、エヴァにのめり込んでしまう。しかしエヴァはタイヴィアンを突き放すようになったためヴェネツィアに戻るとそこにはフランチェスカが着ていて付き合う女は一人に決める様迫る。またブランコから小説家というのは怪しいものだと言われてしまう。実際タイヴィアンはともに炭鉱夫だった兄の作品をその死に際して譲り受けたもので、その作者名を自分に書き換えて発表していたのだった。エヴァに相手にされないタイヴィアンはフランチェスカとヴェネツィアで水上結婚式を挙げるがエヴァはそれをホテルから眺めていた。エヴァ絵の未練が絶ち切れなかったタイヴィアンは、カジノに入り浸りエヴァを自宅に誘う。フランチェスカが帰宅してみるとタイヴィアンは居間で酔いつぶれて寝ており、寝室には自分のネグリジェを北エヴァがいた。ショックを受けたフランチェスカはボートに乗って去るが、サルベージ船に激突して亡くなってしまう。それから数年後、タイヴィアンはヴェネツィアに残りカジノと酒浸りの自堕落な生活を続けてエヴァを待ち続けていた。エヴァは今度はギリシア人の初老の男と一緒にいてギリシアへ行くということだった。エヴァに置いていかれたタイヴィアンはサンマルコ広場のアダムとイヴ像をみながら佇むのだった。